・2020年11月11日(水)、ワイン会「Bon Vin Club "Special"」の24回目となる例会が開催されました。
テーマ:ブルゴーニュ
Henriot アンリオ
多くの三ツ星レストランのハウス・シャンパーニュとなっているアンリオは、17世紀からワイン造りに携わっており、1808年にアポリーヌ・アンリオ夫人によってメゾンが設立されました。
今日に至るまでの200年以上、家族経営を行っている老舗のシャンパン・メゾンです。
20世紀初頭、フィロキセラの流行や第一次世界大戦により畑は大きな被害を受けました。1926年にエティエンヌ・アンリオ氏が経営を継承し、畑の回復に尽力、海外市場の拡大とアンリオの成長に貢献し、その後、故ジョゼフ・アンリオ氏が経営を引き継ぎ、アンリオの名声を確固たるものに築き上げました。
現在は、ジル・ド・ラルズィエール氏がアンリオグループの中心となり、さらなる品質の向上を目指しています。
約35ha所有の自社畑と、長期契約を結んだ栽培農家のぶどうが使用されますが、アンリオが使用するぶどうの大半はグラン・クリュとプルミエ・クリュであり、格付け率の高さはアンリオの特徴のひとつとされています。もうひとつの特徴はシャルドネ比率の高さです。シャンパーニュ地方の平均が30%程度であるのに対し、アンリオでは50~60%使用しています。
アッサンブラージュは多数の異なるクリュからのワインを使用し、スタンダードにおいても豊富なリザーヴワインを使用しています。熟成においては、いずれのキュヴェにおいても法律上の最低瓶熟期間よりも長い期間瓶熟させます。
①Henriot Blanc de Blancs Brut
アンリオ・ブラン・ド・ブラン・ブリュット
生産地:フランス>シャンパーニュ
生産者:アンリオ
ぶどう品種:シャルドネ
シャルドネの聖地とされる「コート・デ・ブラン」のグラン・クリュとプルミエ・クリュのぶどうを3分の2以上、そしてリザーヴワインを約40%使用した、シャルドネのエレガントさを身上とするアンリオのアイデンティティともいえるキュヴェです。
ノン・ヴィンテージながら瓶詰後もゆっくりと4年前後熟成させて造られます。
非常にきめ細やかな泡立ちが見られ、白い花やレモン等を思わせるフレッシュな香りから、温度の上昇に伴いブリオッシュやバターのような香りへと続きます。ピュアな果実味と柔らかな酸も心地良く、地下セラーでの長期瓶熟成による旨味や複雑味が長い余韻にあらわれます。
②Henriot Cuvee Hemera 2005
アンリオ キュヴェ・エメラ
生産地:フランス>シャンパーニュ
生産者:アンリオ
ぶどう品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ50%
「キュヴェ・エメラ」は、2000年ヴィンテージを最後としたアンリオのトップ・キュヴェである「アンシャンテルール」の後継キュヴェであり、新しくセラーマスターとなったローラン・フレネ氏が初めてアッサンブラージュから手がけました。
アンシャンテルールはぶどうを遅摘みし、長期の瓶熟成により熟成感をたっぷりと感じられるスタイルでしたが、近年の温暖化の影響により酸味が出なくなったため、早摘みすることによりフレッシュ感を全面に出した、メゾンのスタイルにより近づけたキュヴェのエメラをリリースすることとなりました。
エメラとはギリシャ神話で光を司る女神のことで、明るく光り輝く時間を届けるシャンパーニュという意味を込めて命名されました。
6つのグラン・クリュのシャルドネとピノ・ノワールを使用し、12年以上の瓶熟を経てリリースされるエメラは、外観は輝きのあるゴールドの色合いで、レモンやパイナップル、アプリコットなどのアロマが華やかに広がり、ほのかにハチミツやナッツなどのニュアンスが漂います。フレッシュな果実味と、上質な酸味が魅力的でトーストの風味と共に、繊細で深みのある美しい余韻に包まれます。
③Agnes et Sebastien Paquet Auxey Duresses Blanc 2005
アニェス・エ・パケ・オークセイ・デュレス・ブラン
生産地:フランス>ブルゴーニュ>オークセイ・デュレス
生産者:アニェス・エ・パケ
ぶどう品種:シャルドネ
新星のごとく現れた生産者「アニェス・パケ」は、32歳の女性によって2001年に創設されました。今日のブルゴーニュ新世代を象徴するような存在と言われています。
リュット・レゾネ栽培を創業当初から実践しているのみならず、ぶどう樹を1本1本観察して優れた樹の選抜と育成を行う「マス・セレクション」にも取り組むなど地道な努力を続けながら、急斜面をものともせずに畑仕事に精魂込めています。
超有名なアペラシオンが多く見られるブルゴーニュの中で、オークセイ・デュレスというややマイナーとされるアペラシオンでも突出したワインを造り出したことにより、評価は著しく上昇しミシュラン3つ星レストランのソムリエ達もこぞってオンリストし、さらにメディアでも取り上げられました。
畑はサン・ロマン側のオークセイ・デュレス最南端に位置し、石灰質に富む土壌で、樹齢は約90年です。
明るいトーンの完熟した柔らかい果実の香りがあり、ムルソーのような濃厚な果実味とキリッとしたミネラルが特徴です。透明感にあふれ、みずみずしく、テクスチャーがしっかりとしており、余韻も長く持続します。
④Olivier Jouan Morey Saint Denis Clos Solon 2005
オリヴィエ・ジュアン・モレ・サン・ドニ・クロ・ソロン
生産地:フランス>ブルゴーニュ>モレ・サン・ドニ
生産者:オリヴィエ・ジュアン
ぶどう品種:ピノ・ノワール
ジュアン家は北にジュヴレ・シャンベルタン、南にはシャンボールミュジニーを臨む、モレ・サン・ドニに長く続く家系です。
1999年、当時26歳だったオリヴィエ・ジュアンは、曽祖父が創業したこのドメーヌを継承して本格的に自社瓶詰めを開始しました。
醸造所は気温の低いオート・コート・ド・ニュイのアルスナン村にあり、清潔に手入れが行き届いたカーヴには醸造設備や樽が効率的に配置され、不自然な温度管理等をせず極めてナチュラルなワイン造りを実践しています。
少しの雨でもビオ栽培が難しいブルゴーニュ地方の為、彼はできるだけ畑にいて問題が起こりそうな場合即対処するようにしています。仕事を趣味としている、真面目一筋な新世代の生産者であり、非常に期待がかかっています。苺をはじめとする赤いベリー、そして樽由来のヴァニラ香に、ハーブやスパイスも加わるかのようです。柔らかい果実味と滑らかなタンニン、そしてきれいな酸の調和が見られ、華やかで奥行きのある余韻が長く持続します。
⑤Claude Dugat Gevrey Chambertin 2003
ジュヴレ・シャンベルタン・クロード・デュガ
生産地:フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
生産者:クロード・デュガ
ぶどう品種:ピノ・ノワール
クロード・デュガは、ジュヴレ・シャンベルタン最高峰の生産者であり、DRC、ルロワとともにブルゴーニュの中でパーカー100点を獲得した、3つしか存在しない生産者のうちの一つです。
所有する畑は6ha余りで、そのうち1.5haはブルゴーニュ・ルージュが占めるため、村名以上はわずか4.5haにすぎません。
ぶどう栽培の歴史はオーヴェルニュで家業をしていたアネット・デュガが、ブルゴーニュに移住した19世紀初頭に始まります。アネットはワイン生産者の娘と結婚し、ジュヴレ・シャンベルタンのドメーヌとしての歴史が始まりました。
1955年クロードの父は村に13世紀に建てられた歴史的な価値があるガロ・ロマンの建物を購入します。この建物は以前、教会に収めていたぶどうや穀物を保存する古い納屋があり、現在はワイナリーとなっています。ドメーヌは現在も家族で経営しており、クロードと息子の妻と3人の子供の手を借りて、畑を管理しています。
深く豊かな色合いで、赤い果実と黒い果実、湿った土やキノコのようなアロマがあり、丸く熟したタンニンと凝縮された果実味は濃厚な印象を与えるとともに、しっかりとした構造を感じさせます。深みがあり長く持続する余韻からは、生産者の偉大さも感じられる事でしょう。
⑥Charmes Chambertin Courtiers Selections 2004
シャルム・シャンベルタン・クルティエ・セレクション
生産地:フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
生産者:クルティエ・セレクション(ルー・デュモン)
ぶどう品種:ピノ・ノワール
クルティエ・セレクションは、日本人生産者である「ルー・デュモン」の全面協力により、クルティエ達とタイアップし、彼らが見つけてくるクオリティの極めて高いワインをシュル・ピル(ラベルを貼らないビン販売)によって買い付け、共通ラベルを貼って販売するものです。
あらゆるぶどう栽培家やドメーヌを熟知した上で、生産者からネゴシアンへのぶどう・果汁・樽・ビンでの販売の仲介を行う目利きのプロであるクルティエは、一度でも美味しくないものを紹介するとすぐに悪評が立ってしまうほどで、まさしく真剣勝負の世界です。
シャルム・シャンベルタンは、同村のグラン・クリュの中でも、瑞々しい果実味と柔らかいボディが特徴のワインです。
赤紫色の外観で、華やかな赤い果実、お花、そして胡椒、煙草などのスパイシーなニュア
ンスもあります。柔らかい果実味の広がりが見られ、タンニンは丸く穏やかで、優しく心地よい余韻へと続きます。
⑦Chambertin Camus Pere et Fils 1995
シャンベルタン・カミュ・ペール・エ・フィス *マグナムボトル
生産地:フランス>ブルゴーニュ>ジュヴレ・シャンベルタン
生産者:カミュ・ペール・エ・フィス
ぶどう品種:ピノ・ノワール
クラシック・ブルゴーニュの本流的存在と称されるカミュ・ペール・エ・フィスは、1830年にジョセフ・カミュによって設立されました。元々は地元で収穫される油菜や胡桃などの製油工場を営んでいましたが、その後のぶどう栽培での成功を経て、製油業からは撤退し、ワイン業をスタートします。
当初はワインを樽で大量に売買していたものの、1920年代には一部の瓶詰めを開始し、その後1960年には完全に瓶詰めされて市場に売り出されるようになりました。
現当主のユベールは孫にあたり、現在所有する16.8haからなる畑の約2/3は特級畑となっています。また同村最大の地主の一人であり、1981年から2004の長期間、INAO(ワインの原産地名称を護するためのフランスの公的機関)の地域代表を務め、地元での人望も厚く、責任感の強い人物です。ドメーヌでは生産量の約70%を元詰めし、残りはネゴシアンに販売しており、現在は娘のエディーとの二人三脚で運営しています。
ワイン造りはいたってシンプルであり、発酵時の温度調節機の導入はされましたが、基本的には約50年間何も変わっておらず、出来る限り人為的介入を抑え、1つ1つの作業を丁寧に行うことで、ブルゴーニュのシャンベ
ルタンの威厳が生まれると主張しています。
ユベールにとっては当然のことですが、昔ながらの製法を頑なに守り続けている事は、現在のブルゴーニュにおいては非常に稀有な存在であるかもしれません。
ルビーやブラックチェリーの色合いであり、ダークベリーやチョコレート、天草のような複雑で優雅な芳香があります。
しっかりとした果実味と鉄を感じさせるミネラルの調和が見られるとともに、野性味も感じられ、力強く密度も高くしっかりとしていますが、タンニンは非常にきめ細かくエレガントな印象です。
時間の経過とともに複雑さを増していき、甘美的な余韻が長く持続します。
