『あらし』

みぞれが降る
背後から
覆いかぶさるように
突然の嵐が襲う
わたしは買い物袋をぶら下げて
裏返った傘を片手に
途方に暮れていた
骨がむきだしになった傘は
その身をのけぞらして
突然の嵐、と、笑う
わたしは
うろたえ
まぶたを開けたり閉じたりしながら
お母さんお母さんと唱える
どれだけ強がっていても
母親にすがりついて泣きたい
目の前が真っ暗になるくらい
お母さん
わたしの傘は
わたしを放り出して
わたしはいま
ただ一人です