ケーキの饗宴(サンポワン、フレンチパウンドハウス、パティスリーヨシノリアサミ、アルプス) | メトロガイド「いい店見つけた」椎名勲の凡夫荘便り
テーマ:

サンポワン                    マロンのロールケーキ&シュークリーム



我が家のまわりのケーキ&カフェ4軒、山手線(巣鴨駅)を挟んで内側に①フレンチパウンドハウス、外側に②パティスリーヨシノリアサミ、北に③駒込アルプス、南に④サンポワン。


今日のテーマは「人生を楽しむ」。


孤高のかつ伝統のフランスケーキ「サンポワン」、(生)クリーム系ケーキに強い「フレンチパウンドハウス」、チョコーレート系ケーキに強いパティスリーヨシノリアサミ、老舗洋菓子系の駒込アルプス。

全てカフェ併設(いずれもケーキ売り場で先にケーキを選んでおいて、カフェに入り改めてお茶とケーキを頼む仕組み)であるが、

開店間もないパティスリーヨシノリアサミだけは、イートイン・スペースにテーブル椅子のみ置かれているものの(まだ準備が整わないとの理由で)サービスを始めていない。


サンポワンはパティシエ一人、他にスタッフのいないお店で、ドアを開けるとカフェ・スペース奥がケーキ&パン売り場、パティシエはふだん売り場の内側の調理場にいるから、店に入ると誰もいない。声をかけるとパティシエが売り場に出てくる。

明るく美しく清潔、シンプルでこざっぱりして、静かに落ち着いて、いい感じのカフェである。(いつ行っても、カフェには殆どお客がいない、のもいい!)


フレンチパウンドハウスは、ドアを開けるとケーキ売り場で、感じのいい若い女性スタッフが数人。左手が広いカフェ・スペース。カフェ前面は室内ながらオープンになっていて、まるでオープンテラスに坐っているような印象の、なかなかいい演出である。優雅に・静かに・ゆったりとケーキとお茶を楽しむご婦人方が多い。


駒込アルプスは、1Fがケーキ売り場、2F(禁煙)、3F(喫煙)がカフェ。東郷青児の大きな美人画が壁一面に描かれ、老舗洋菓子系の実力を見せている。

カフェはいつでもお客さんで混んでいる。


パティスリーヨシノリアサミのイートインのオープンをワクワクしながら待っているところです。


私ども夫婦は、散歩の途中、ケーキ&カフェで一休み、「とりとめもない会話」と「ケーキ」と「お茶」と、「ゆったりした時間」を楽しみます。

・・・日々の暮らしの中で、意識的そうした時間を持つこと。

   遊びたいときに遊べるほど、好きなものを買えるほど、行きたいところへ行

   けるほど、お金があるわけではないけれど、

   人生を楽しむとは、素敵なカフェに坐って美味し

  いケーキとコーヒーでゆったり過ごすようなこと、

  そういうことだと思う。


・・・さて、今日はサンポワンへ。
サンポワンは、何もかも自分一人でやるのが、孤高のパティシエの流儀だ。

フランス風にシッカリと焼き、甘さも十分の、伝統フランスケーキを焼く。

孤高のパティシエは、多少気まぐれだから、いい素材が手に入らないと、その素材を使うケーキは焼かない。ケーキの種類だって、ちゃんと幾種類も作る日もあれば、今日なんかは、3種類(シュークリーム、マロンのロールケーキ、コーヒーのロールケーキ)しか焼いてない。

シュークリー1個とマロンのロールケーキ1切れを自宅用に箱に入れてもらう。

マロンはスペイン産、コーヒーのロールケーキに使っているアーモンドもスペイン産のもの。


最近はパン作りにも凝っているけれど、何種類かごく少量づつ焼くから、すぐに売り切れてしまう。それでもサンポワンのファンが遠くから買いに来る。

パテイシエは、カフェのコーヒー、紅茶だって自分で淹れ、お運びも、後片付けも自分でやる。

だから、他にお客がいると、ちょいと待たされる。

今日は、遅い昼を、ランチとお八つを兼ねて、細かいチーズを乗せて焼いてある高い香りと沁みわたるような味わいの円形チーズパン(1日2・3枚しか焼かないし、全く焼かない日もある。今日は運よく2枚焼いてあった)、これには断然コーヒーが合う。

ケーキを買いに来たお客さんが帰った後、パティシエが奥に引っ込んで、丁寧にコーヒーを淹れてくれる。

サンポワンのパティシエの焼くパンは、比類のない特別の存在だ。

どの種類のパンをとっても、風味絶佳、独特の香ばしさ、強いパンの味。

道を遠しとせず買いに来るお客がいるのも肯ける。


・・・これら4軒のケーキ屋さんは、グルメ誌にも頼らず、ネット検索もせず、自分

  の「舌」と「足」で見つけたものです。

     ※パティスリーヨシノリアサミも、散歩の途中、長い間、空き部屋だった

       建物の1階に「ヨシノリアサミ ファクトリー」という看板が架けられ、

       何ができるんだろうと思っていて、見つけたものです。

・・・大方の日本人は、「米の味」、「水の味」さえもわかる優れて繊細な舌を持

  つ民族です。

  「グルメ誌が取り上げたから」、「グルメ評論家が褒めたから」、という価値観

  ではなく、自分の舌と足で探せば、どこの街にも、必ず『いい店』はありま

  す。

・・・但し、『いい店』を見つけようと思うときは、漫然と食べるのではなく、気合

  を入れて、ゆっくりとシッカリ味わうのがコツです。

・・・意識的に時間を作り、人生を楽しみましょう!


 サンポワン   住所:東京都文京区小石川5-39-7

           電話:03-5800-2238

           定休:日、月、火

           営業時間:水~土、11:00~19:00

           最寄駅:東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」から徒歩6~7分