年度がかわり、NHKのラジオ講座では新しい初級編の放送が始まりましたね。

残念ながら、調子を崩している主人についてあまり明るい話題がない年度がわりになりましたが、ラジオ講座をささやかな日々の楽しみとしています。(新年度のラジオ講座については → こちら  でテキスト内容に関する簡単な紹介をしています)

 

今回、フランス語とロシア語の初級編は、どちらも初めてこの言語にふれる人にとっては、続けるために努力が求められるかも、と思いましたが、初級編を繰り返し聞いていたり、少し先まで学習が進んでいて、振り返りをしつつ、少し発展を目指す人には良い内容かも、と思います。

 

特にフランス語は、良くいえば、少し発展的な水準も意識しており、悪くいえば本当に一からの学習者にとっては多少テキストの構成や解説が不親切かも?と思ったところはありました。

 

フランス語の方でテキストの冒頭に、レベルごとの講座参加方法の例というのが書いてありますが、その中で、

「初めてフランス語に触れる方は、説明のパートでわからないことや練習問題でできないことがあっても気にしないで、次のコーナーに集中してください」

とありますので、もともと、一からスタートの学習者にとっては「わからないことがある」のが前提のようですね。

「わからないことや練習問題でできないことがある」のを気にせず、まずはわかるところから吸収していこうというスタンスで学習する人にとっては問題ないかも知れませんが、とにかく全部わからないと気になって前に進みづらい、というタイプの方にとっては、少し強いるところが大きい構成かも、と思います。

 

テキストの中で、否定文の作り方に関する解説はなく、練習問題で否定文に関する内容があるなど。

まあ、ne...pasで動詞を挟むだけといえばそうなんですけど、全く予備知識がない中だと「あれ?」と思うかも知れませんよね。

あと、テキストに詳細の説明がない口頭での解説がけっこうあるかも、と感じました。聞けばいいことなんですが、一からの学習者には負荷が大きいかも知れません。

 

その一方、少し学習が進んでいれば、ところどころでネイティブ先生のフランス語による発言が入るなど、初級文法に限定されない学習ポイントがあるので、手ごたえはあると思います。

 

ちなみに、テキストの冒頭にある、レベルごとの講座参加方法の例について、応用編も聞いているレベルの人向けには、

月曜日と火曜日の「メメントダルベリック」(注:ネイティブの先生が話す文化や言葉の使い分けなどに関する話題のコーナーでテキストにスクリプトと日本語の要約はある)をディクテしてみる

とか、

水曜日の単語クイズや発音のコツを集中的に聞く。

といったことが提案されています。

 

以前にブログ記事に書いていたように、ある程度の内容は聞ける(はっきりした発音や、適度なスピードであることが条件)ようになっていても、書き取りになるとミスが多すぎな私にとっては、ディクテをするのはとても役に立つと思いますが、今はその余裕がないかな、と思います。

 

ずっとフランス語のオンラインレッスンも休止状態になっているのですが、受けられるようになったら、スクリプトがない部分のネイティブ先生のフランス語発言部分の書き起こしなどをして短い時間のレッスンを取って、先生にチェックしてもらうのもいいかも、なんて取り組みの案はありますが、実現できていない現状です。

今は、集中して聞きフランス語で理解しようとすること、それによって何とかこれまで学習してきた水準を維持することを目指します。

 

 

そして、ロシア語に関しては.....

以前の記事にも書きましたが、まず文字は自習してください、になっているところが、一から勉強する人にとっては最初に克服すべきハードルかなと思います。

 

ロシア語はキリル文字を使うので、英語に慣れていても文字の体系が違っています。一から勉強する人で、ここでくじけると、一気に放送が聞きづらくなるかな、と思います。

 

そして、以前の記事に書いたとおり、今期の初級編はアネクドートやクイズ、早口言葉などが題材にあるので、第1課の内容も、標準的な初級編で最初にならうわけではない語彙も多いです(一から勉強する人にとっては、どんな単語が使われていても同じかも知れないですが)。

 

ただ、発音規則については放送の中でも取り上げられています。

そして、題材が本当に面白い!

さらに、題材がユニークではあっても、文法の説明は比較的オーソドックスな進行だなと感じました。それがユニークな題材と対応して、その題材と関係がある文法項目を取り上げるので、これはなかなか構成が考えられてるな、と思いました。

 

たとえば、第2課。

「…は~です/~ではありません」の言い方を学習する項目があり、

「ロシア語で『AはBだ』と言う場合、単にAとBという単語を並べればOKです(AとBの間にダッシュを入れることもあります)。」という解説があります。

 

多くの初級編では、この内容を学習するとき、

Это ~

(これは~です)

から入り、いわゆる英語でいうところのThis is a pen.的な例文を含むスキットを提供することが多いと思うのです。

実際、文法解説の中ではそんな感じの例文も出しているのですが、今回の講座ではその日のスキットしては、「AはBです」という形の文の例の1つとして、早口言葉の

Король-орёл, орёл-король.
王様は鷲、鷲は王様。

 

のような文をスキットで提示して、実際に早口言葉ですごいスピードで発音する放送があります。

正直、テキストで見た時は、そこまで難しい早口言葉に思っていなかったですが、すごいスピードで早口言葉として読み上げられている例を聴くと、何を言っているのかわからない感じでびっくりでした。

題材を楽しみながらの学習になるので、初歩の文法で、知ってる内容でも聞いていて退屈しないです。

 

第3課も、動詞の第1変化を文法説明として取り上げるにあたり、クイズとして、

Почему собака лает?
どうして犬は吠えるの?

Потому, что говорить не умеет.
なぜならしゃべれないからです。

 

と、第1変化動詞が含まれる文章を取り上げています。

 

内容も面白く、また短いので、

 

лаять 吠える

 

とか、これまで全然知らなかった単語ですが、すぐに覚えてしまいました。

 

一から勉強する人で、文字に抵抗がある人も、何とか聞き続けて欲しいな、と思う内容です。

 

ということで、今期の初級編、フランス語もロシア語もどちらも一から勉強する人にとっては多少努力は必要かも知れないですが、フランス語は発展的に学習したい人のニーズにも答える内容、ロシア語はユニークな題材で楽しみつつ文法は基礎からちゃんと学習できる構成ということで、どちらもこの先楽しみです。

フランス語の方で文法説明が若干、一から学習する人向けでないように思えるのは、ロシア語と比べてフランス語は、ラジオ講座以外でも接する場面が多いことが想定されているのかも知れませんね。

 

この先もいろいろあるかも知れませんが、何とか聞き続けたいです。