早いもので、10月ももう終盤です。

今年は何度、「早いもので」と言ったことでしょうか。

いろいろバタバタしているうちに、あっという間に時間が過ぎていきます。

 

10月は、家の問題は片付いたのですが、その後、懸案になっていた自分の仕事上の問題などが浮上してきて、やっぱりあっという間でした。

 

そんな中、NHKの新しい講座も1ヶ月が過ぎ、おおよそ新講座の雰囲気がわかってきました。

 

ラジオ講座の「まいにちフランス語」応用編、静かにはまっています。

「遊び」のような部分はほぼなく、固い雰囲気ではありますが、「フランコフォニー」という話題への興味、そしてテキストの文章についてのかなり詳細な解説、ポイントとなる表現を取り上げた即興での文章の仏訳(表現自体は難しいものではないですが、朝の初めに頭を起動させるのにいい感じ、またse faireのように自分が使いづらいと思っていた表現もあった)、全体として派手さはないですがじわじわくる感じです。

この先の内容もとても楽しみです。

 

そして、テレビ講座の「しあわせ気分のフランス語」。

毎月4週目は復習週ですが、先日、復習週の内容を見てみたところ、現地紹介パートでこれまでなかったフランス語字幕が多かったのが嬉しい!

 

復習週では、これまで訪問した場所や、学習した表現を振り返る内容でしたが、現地リポーターのソリンさんが訪れた場所を訪問するパートでは、以下のように、フランス語字幕と日本語訳が付加されていました。現地レポートパートではほぼ全部?ついていたように思います。学習者に優しい配慮です!

 

 

 

部分的には聞き取れても、完全には聞き取れていない部分も多々あるので、これは嬉しいです。

 

語句の学習になることも。

上記、字幕つき画面の上の方の発言

 

Et là, on a fait un mur rouge qui tranche avec le vert de la végétation.

あそこは緑が映えるように壁を赤くしたんだ。

 

ここで、字幕を見て、tranche (不定詞:trancher)にひっかかったのですが、辞書を確認すると、「切断する」という意味以外に、sur/avecを伴い、「際立つ、対照をなす」という意味があるようでした。

 

辞書の中の例文:

Ce bleu tranche sur un fond blanc.

この青は白地にくっきりと浮き出ている。

 

は、番組中の用法と同じ用法かなと思います。

字幕がないと、単語をつかまえられなかっただろうし、調べて気づくこともなかったと思います。

 

そして番組の最後では、

「ユーロ共通企画」として「夢がかなってしあわせを感じたとき」「別れ際に相手に『よい週末を!』と言う」といった表現が、イタリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語で紹介されるコーナーがありました。

「共通企画」ということは、他の言語の講座の最後で、同じ内容が放送されているのではないかなと思います(他の言語の番組までチェックする時間がないので、見ていませんが)

ちなみに、フランス語で紹介されていたのは、前者が C’est un miracle, 後者はBon week-end!でした。

 

全体の番組構成としては、復習回ごとに出演者の千葉さんが課題を与えられてそれをこなす、という前シリーズ、前々シリーズの構成は楽しくて良かったですが、学習者に対する優しさの点では今回のフランス語字幕付きの構成がとても良くて、これからも大歓迎です!今後の放送も楽しみです。

 

星星星

 

しばらく記事を書いていませんでしたが、「フランス語を読むために:80のキー・ポイント」(南館英孝・石野好一著 白水社)の学習もぼちぼち続けています。

 

今日取り上げるポイント:二重否定におけるpasの省略

 

Au japon, il n'y a presque pas de jeunes mariés qui ne partent en voyage de noces.

日本では、ハネムーンに出かけない新婚カップルはほとんどいない

 

→パターン  ne+動詞+pas+[名・句]+関係詞+ne+動詞

否定におかれた先行詞を受ける関係詞節中の動詞の否定は一般にneのみで、pasが省略される。虚辞のneではないので注意。主節の否定がne...rien /  personneの場合も同じ。

 

ということでした。

これの一文を取り上げるだけでは、特に訳しづらいとは思わないのですが、文章によっては、「虚辞のne」と間違えそうになるケースがありそうかな、と思いました。

 

「虚辞のne」については、以下の記事の中で簡単にまとめていました。"ne"とついていても、実際には否定の意味がないというもの。

 

 

メインとなる事例のほか、二重否定の意味を持つ文の従属節などで"pas"が省略される事例として紹介されていたのが、

 

(1) 主節は疑問の形をとっているが、反語的疑問で、内容的には「いるはず(あるはず)がない」と否定を含む場合

Y a-t-il un homme au monde qui n'ait à se plaindre de quelque faiblesse?

いったい欠点があることを嘆かずにすむような人はいるのだろうか(いやいない)

 

(2) 関係詞節以外でも、程度を表す従属節でpasの省略が見られる。

Marc n'est pas si stupide qu'il ne comprenne ces critiques.

マルクはこんな批判がわからないほど間抜けではない

 

(3) 否定におかれた理由を表す従属節中でも同様に省略される。

Je déteste le téléphone. Ce n'est pas qu'il rende service, mais qu'il peut nous déranger  à n'importe quel moment.

私は電話が嫌いだ。役に立たないからというのではなく、時間を問わずかかってきて邪魔をするからである。

 

(4) 否定におかれた主節に後続する条件節の否定からもpasが落ちることがある。

Vous ne ferez rien de grand si vous n'apprenez à vouloir.

何かをしてみようと思う気持ちをもてないようだと立派なことは何一つできませんよ。

 

で、「虚辞のne」と紛らわしい事例としては以下のような事例です。

Je ne doute pas qu'il ne parte bientôt. 

彼が間もなく出発することは疑いない

→これは「虚辞のne」で、後半の"il ne parte bientôt"の部分は否定の意味がないもの 

 

で、虚辞のneと二重否定のケースの区別について、決定的なポイントは記載されていなかったのですが、ある程度は文脈でも理解できると思いますし、「虚辞のne」の事例とされている上記の文章の中の"que"が導くのは、二重否定でpasが省略される文章の例として一番に挙げられていた文章のように関係詞としての用法ではありません。そして二重否定でpasが省略される他の事例として挙げられている「程度を表す従属節」とか、「否定におかれた理由を表す従属節」といった事例にもあてはまらないです。

 

さらに「虚辞のne」の方が出現しやすいと言われている文型もあるので、これらのことが区別のポイントになるのかな?と思いますが、確実に言えるだけの情報は持っていません。

 

今度オンラインレッスンの先生にも一度確認してみたいと思います。

 

文章が否定の意味になっているのかそうでないのかで、訳文の意味が完全に逆になってしまうこともあります。仕事で読んでいるテキストでも、少し複雑な文章になると、指摘されるまでは逆の意味で読んでしまっていることもあったので、注意しておかなければいけない点だと思っています。