追いかけてももう武志はいない…「拾われた男」最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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亡くなってから初めて、人づてに兄武志(草なぎ剛)の思いを知った諭(仲野太賀)




「兄ちゃん、待って~」と自転車で走りながら、先に行ってしまう武志に呼びかけていた諭少年の声が切なく胸を打ちました。





NHK  火曜22時

「拾われた男」最終回


主演…仲野太賀

脚本…足立紳

演出…井上剛




このドラマは実在の松尾諭の自伝的エッセイが原作にもかかわらず、ファンタジーの要素もあり、それが不思議と魅力的です。




最終回の冒頭のショーンのホームランなどは、その最たるもので、病室から眺めている武志の姿に泣けました。





遠い異国の地アメリカで家族のように付きあった人々との別れ。

もう二度と会えないと分かっているだけに切なく悲しかったですね。

みんないい人でした。




帰国した武志は両親に「ごめんなさい」と泣きながら謝ります。アメリカでの別れも日本での再会も、動きを縛られた演技なのに、草なぎ剛の溢れんばかりの感情の発露が見事でした。




諭はまだ兄にはわだかまりがあったのか、家族で昔のように河川敷で太巻きを食べても浮かぬ顔をしており、




撮影中に父親(風間杜夫)から武志の訃報を聞いても、悲しみがわいてきてなさそうでした。




そんな諭は幼馴染で好きだったうどん屋の野本(片山友希)が亡くなり、久々に弔問に訪れると、






野本の母親(高田聖子)から、アメリカに行く前に武志が店に来て、諭のことを語っていたことを聞きます。





武志は幼い頃から諭にとって追いかけ続ける羨ましい存在だったのに、逆に武志は好きな道に進み、楽しげな諭が羨ましかったようです。




武志の自分への思いを初めて知り、諭は号泣します。生きているうちにもっと語り合うべきだったという後悔でしょうか?もうその背中を追えない喪失感でしょうか?

仲野太賀の泣きっぷりが良かったです。




このドラマは前半は恋と仕事の話、後半は家族の話でした。

家族と不思議なものと改めて思いました。




今回の評価は…8