今クール完成度No.1の傑作…小池徹平「鉄の骨」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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ホント惜しい…
このドラマが一桁の視聴率のままだなんて…





同じNHKの「天使のわけまえ」も秀作ですが…
完成度でいったらこちらがNo.1。
特に今回は素晴らしかったです!!





ご覧になってない方は、この先まとめて再放送する時か、DVDになったらぜひ見ていただきたいと思います。





NHK 土曜21時
「鉄の骨」第4話



主演―小池徹平
脚本―西岡琢也
演出―須崎岳





犯罪と知りつつ、それを建設業界の必要悪と信じ、談合に関わってきた男たち。




いわゆる「汚れ仕事」に励む彼らは、会社でも表だって認められることはなく、家庭でも自分がどんな仕事をしているのか語ることもできないのです。





談合の「ボス」になった真屋建設の長岡(志賀廣太郎)が富岡(小池徹平)に語ったエピソードはそれを象徴していて胸をしめつけられました。





初めて談合で落札した橋の工事で、完成した時、夜そっと喜びをかみしめるために裸足で何度も橋の上を行ったり来たりした…
汚れ仕事をする男の悲哀が出ていて、こういう役は志賀にぴったりですね。





そんな長岡は談合を摘発しようとする検察に執拗に事情聴取されます。





上げたり下げたり、いやらしくボロが出るように取り調べる北原検事(小市慢太郎)。





この前「ジョーカー」でも殺された少年の父を好演した小市が、ここでも長岡をおいつめる検事を好演してました。





このドラマの実力主義のキャスティングには頭が下がります。





ついボロを出してしまった長岡は自殺の道を選びます。
ああいう調べ方されたらたまりませんよね。
よく政治家の汚職とかで秘書が自殺しますけど無理もない気がします。





長岡の葬儀で妻(烏丸せつこ←懐かしい…)が、社長(石田太郎)に、主人は死ななきゃいけないような仕事をしてたのか?と聞くシーンは痛切でした。





臨席する他の会社の談合担当者たちの苦渋の表情。





遅れてやってきた遠藤(豊原功補)に富岡は談合をやってる時代じゃない。





お前は今度落札する地下鉄工事を談合でなく、堂々と取って、完成したら堂々と一番電車に乗れ…
それが死んだ長岡のためでもある…と言われます。





談合を必要悪と思いかけていた富岡は、地下鉄落札へ向けて再び燃えます。





脱談合で業界No.1の威力で地下鉄落札を目論む山橋組と全面対決になるのでした。





ベテランたちに囲まれながら果敢に演じている小池徹平のまっすぐな演技も好感が持てます。





談合を単に告発するのではなく、そこにからむ人間たちのドラマをしっかりと見据えて描いているところが、このドラマを傑作にしています。





民放が手を出したがらないこうした社会派ドラマに挑むNHKの姿勢に敬意を表したいです。
それでこそNHKと…。





今回の評価は…9





何とか大河ドラマとまではいかなくても、せめて10%を超えるようなPR活動をもっとNHKはできないものでしょうか?




それ以前に土曜21時という周りもドラマだらけの枠からの移動を考えて欲しいですが…。
( ̄▽ ̄)b