甲府—静岡などを身延線経由で結んでいた急行「富士川」。使用された急行形電車165系は、東海道本線内では急行「東海」など8〜11両編成での運用が多かった分、「富士川」の4両編成は逆に新鮮でした。

 

 

JRに移行後、1990年代前半の急行「富士川」は、甲府ー静岡に4往復、甲府—三島に1往復の計5往復運転され、122.4キロを2時間20分前後で走っていました。

 

以下に掲載した写真の「富士川6号」は甲府を13時12分に発車し、静岡に15時33分に到着していました。

 

 

静岡運転所の165系4両編成で運行されていた急行「富士川」=静岡駅、1994年

 

 

 

東海道本線の165系と言えば、私の世代では急行「東海」と、「大垣夜行」と呼ばれた東京ー大垣を走った普通列車が強く印象に残っています。いずれも8〜11両を連ねた堂々たる長い編成でした。

 

しかし、私が94年に見た急行「富士川」は、個人的には見慣れない4両編成で、当時は違和感を覚えました。この165系は静岡運転所に5本ほど配置されていたようです。

 

ただ、それから30年たって改めて各地に配置された165系の編成表を見ると、急行「東海」や「大垣夜行」で使う静岡運転所の3編成を除くと、クモハ165形+モハ164形+クハ165形の3両編成が多かったようです。快速「ムーンライト」などは複数編成を組んで運行されていました。

 

 

8両+3両の11両編成で運行されていた「大垣夜行」=名古屋駅

 

 

 

165系は急行列車全盛期の写真や東海道筋での長大編成の印象が強かったため、1枚目写真の「富士川」のような短い編成は、個人的には新鮮でした。

 

現在の373系特急「ふじかわ」も、もう少しで運行開始から30年を迎えます。今回ご紹介した何気なく撮った165系も年月が流れた今、そのありふれた光景が懐かしく感じます。

 

 

 

※165系の思い出は以下にも少々…よろしければご覧ください