東海道線の名物鈍行だった165系「大垣夜行」。私が利用した1990年代前半の下りは375Mを名乗り、東京駅を午後11時40分に出て、大垣駅に午前6時56分に到着しました。普通列車が一日乗り放題の「青春18きっぷ」が使える人気列車で、夏休みや冬休みなどの繁忙期には、帰省や旅行に向かう学生らで混雑しました。


れきてつ
早朝の名古屋駅に停車中の大垣夜行375M。


 

私の場合、都内の最寄りの駅から日付が変わる横浜まで普通乗車券(数百円)を買い、そこから青春18きっぷをフルに使う乗り方で、いろんな列車を乗り継ぎ、山口県内には午後10時ごろ到着しました。京都や大阪などに寄り道しながら、丸1日かける約2700円の格安移動はいろんな出会いや発見があり、とても楽しい旅でした。


 

発車の数時間前からホームに並び、良い姿勢を強要される?非リクライニングの硬い座席に長時間。ときには一緒になった乗客と軽く酒を酌み交わしたり、終電として乗り込んだ泥酔客のわめき声にウンザリしたりことも。そして終点の大垣駅では、階段をダッシュする接続列車の座席争奪戦…大垣夜行…人間の喜怒哀楽を乗せた名列車でした。