JR西日本下関総合車両所(山口県下関市)に長年留置されているクモハ11117。1927(昭和2)年に製造され鉄道省(後の国鉄)初の鋼製電車モハ30形の生き残りとして貴重な存在ですが、この数日「作業中」の旗と階段が取り付けられ、一部のドアが開けられています。

 

 

 

1月20日午前、下関総合車両所の北側の陸橋から見たクモハ11117。作業中と書かれた赤い旗や車内に立ち入る階段が確認できます。ドアも一部が開いており、内装作業中のようでした(トリミングしていています)

 

 

 

車両所沿いの道路を歩き、もう少し近い場所からも見てみました。車内の様子は確認できませんでしたが、車体は剝がれた箇所も多く一層傷んでいるように見えました

 

 

 

作業内容や車体の状態について、部外者の私には分かりません。ただ、クモハ11117は車藉がない上、腐食が進んだ車体を見ると、今回の動きは車内のメンテナンスではないように感じました(違っていればいいのですが…)。現在置かれている場所は内装解体の際に入ることが多いようで、実際にそうであれば、17メートルの特徴的な車体も見納めになる可能性があります。

 

 

 

 

さびたグロベン、朽ちた屋根、外れた雨どい…貴重な車両だけに残念な気持ちになりますが、車藉のない屋外保管の車両のため維持するのは難しそうです

 

 

 

登場から95年。76年の引退からも45年以上が経ったクモハ11117が屋外で今も姿・形をとどめていること自体が奇跡です。私は世代的にも現役時代の同車に接することはできませんでしたが、下関総合車両所の一般公開では「長老」のように見え、気になる車両です。今後の動きが注目されます。

 

 

 

【追記】

2月25日に現地を訪れたところ、車体の解体が始まっていました