1989年3月11日、東海道・山陽新幹線にデビューした100系3000番台「グランドひかり」。JR西日本が東京直通「ひかり」向けに用意した2階建てを4両組み込んだ編成で、最高時速230キロ、東京—博多間を5時間47分(登場時)で結んだ。インテリアの優れた2階食堂車をはじめ、階下のゆったりした2人掛け指定席、ビデオ放映など、「旅の楽しさ」を提供する独自のサービスが話題を集めた。


れきてつ
小郡(現新山口)駅を通過する、100系全盛期を象徴する2階建て食堂車を組み込んだV編成グランドひかり=1991年

 


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グランドひかりの先頭車は「鼻」の下の主電動機冷却用ダクトが目印だった

 


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2階建てが4両連なる迫力の編成。2002年の引退まで変わらぬ存在感だった


 

 

子どものころからブルートレイン好きで、新幹線には興味を持たなかったが、100系だけは別格だった。0系ばかりだった時代に現れた、真っ白の車体にシャープな「顔」…「ニュー新幹線」と呼ばれた100系は、とてもまぶしい存在だった。特にグランドひかりは、上京や就職など人生の節目に乗ったこともあり、寝台特急「あさかぜ」とともに、最も愛着のある列車だった。


 

グランドひかりは、より速く走る後継形式に役目を譲って、2000年3月に食堂車が廃止、02年11月のさよなら運転をもって編成解除となった。その後は短い6両・4両編成で山陽区間の「こだま」で走り続けてきたが、その活躍もあと1年で見納めとなる。

 

 

 

※100系新幹線は2012年3月に引退しました。新山口駅でのラストランの様子は以下の記事で紹介しています

 

 

 

※姉妹ブログでは、グランドひかりのさよなら運転の乗車記をまとめています