◆スッタニパータ 慈しみ(143~155)
究極の理想に通じた人が.この平安の境地に達してなすべきことは.次のとおりである…
能力あり.直く.正しく.言葉やさしく.柔和で.思い上がることのない者であらねばならぬ…
足ることを知り.わずかの食物で暮し.雑務少く.生活もまた簡素であり.諸々の感官が静まり.聡明で.高ぶることなく.諸々の人の家で貪ることがない…
他の識者の非難を受けるような下劣な行いを.決してしてはならない.一切の生きとし生けるものは.幸福であれ.安穏であれ.安楽であれ…
如何なる生物生類であっても.怯えているものでも強剛なものでも.悉く.長いものでも.大きなものでも.中くらいのものでも.短いものでも.微細なものでも.粗大なものでも.目に見えるものでも.見えないものでも.遠くに住むものでも.近くに住むものでも.既に生まれたものでも.これから生まれようと欲するものでも.一切の生きとし生けるものは.幸せであれ…
何びとも他人を欺いてはならない…
例え何処にあっても人を軽んじてはならない…
悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与える事を望んではならない…
恰も.母が已が独り子を命を賭けて護るように.そのように一切の生きとし生れるものどもに対しても.無量の慈しみの心を起すべし…
また全世界に対して無量の慈しみの意を起こすべし…
上に.下に.また横に.障害なく怨みなく敵意なき.慈しみを行うべし…
立ちつつも.歩みつつも.坐しつつも.臥しつつも.眠らないでいる限りは.この慈しみの心づかいをしっかりと保て…
この世では.この状態を崇高な境地と呼ぶ…
諸々の.邪まな見解に捉われず.戒めを保ち.見るはたらきを具えて.諸々の欲望に関する貪りを除いた人は.決して再び母胎に宿ることがないであろう…
◆慈しみ深き(賛美歌312から借用)
慈しみ深き.尊き如来は
苦しみ.憂いを取り去り給う
心の嘆きを包まず述べて
覚りて下ろせる.負える重荷を…
慈しみ深き.尊き如来は
無明の苦しみ.知りて憐れむ
悩み悲しみに惑える時も
願いに応えて.真理を啓く…
慈しみ深き.尊き如来は
変わらぬ愛持て導き給う
世界が我らを捨て去る時も
想いに応えて.心を照らす…
目覚めよ! (自己覚醒)
乗り越えよ!(自己超越)
解き放て! (自己解放)