今日、紹介するのは「タンタンタンゴはパパふたり」(ジャスティン・リチャードソンとピーター・パーネル文 ヘンリー・コール絵 ポット出版)

現題は“And Tango Makes Three”です。

アル・ホフマンとディック・マニングが作詞した「Takes Two to Tango」の歌詞の中に、” It takes two to tango“(「タンゴを踊るにはどうしてもふたりいないと…」)というフレーズがあります。タンゴを踊るにはふたりが必要ですよね。だけど、この絵本の原題では、タンゴには三人が必要みたいに読めますよね。どういうことかしら?!

タンゴというのは絵本ではダンスの名前ではなく、ペンギンの子どもの名前です。

ロイとシロというパパがふたりいる子どもペンギンです。

これはセントラルパーク動物園であった実話で、

ロイとシロという仲良しのオスのカップルが、他のカップルが産んだ卵のひとつを与えられ、仲良く温め、孵化した子どもと家族になっていった物語なのです。

 

日本では、LGBTQへの理解がまだまだ不十分です。

G7の中で同性のカップルの婚姻を認めていないのは日本だけです。

一国の首相が言葉にした、価値観や社会が「変わってしまう」ということを憂慮する人はおそらく、少なくないのでしょう。

「変化」というのは、いいことばかりではありません。

たとえ、いい変化であっても、変化の過程には不安や戸惑い、疑問やストレスといったものも生まれてきます。

いままでと「違う」ということが起こるわけですから、当然です。

それでも、意味のある変化は、不安や戸惑いや、疑問やストレスを与えたとしても、

いえ、そうした体験を与えるからこそ、

人や社会を成長・成熟させる力をもちます。


 

変化を意味のあるものにしていくうえで必要なのは、

「違う」に関心を向けることでしょう。

オスのペンギンカップルは、他の家族と同様に、お互いを思いやり、子どもをケアし、生きることを楽しんでいます。

タンゴの存在が、3羽全員のペンギンの命を輝かせているようです。
 

「違う」を理解していくことは簡単ではありません。

でも、「違う」と見えるものの中に、

「同じ」であることも見つけ出せることがあります。

「違う」ように見えていても、思いやりや愛情といった生きるうえでの土台のところは、同性同士であろうが異性同士であろうが、変わらないのです。
 

変化に意味を見出していく過程が、簡単ではないことがあります。

性的マイノリティと言われる人たちが声を出せずに苦悩していることを

BONDSの仲間は知っています。

ひとりではないことを、伝えていきたいと思います。