こないだ脳外科の診察に行ってきた。
「私の母親もね、この場所にあったんですけど
このあいだ破裂しました！！」
とドクターが言う、私の脳モンダイもそのままだし
心臓の方も、病気の痕跡がなくなってはいないらしく
低価安定。
まあ、これで生きていく、ということだ。
毎日、空が見えてるからいいや。と思う。
親友のM子が、癌闘病中だった頃
もう最後、緩和ケアの病院で窓もない部屋にいたころ
毎日せっせと空の写真、送ったな。
彼女が一番好きだったのは、この水色の空。
ロマンチックだと言っていた。
抗がん剤をやめて分子標的薬に変えて
しばらく良かったのに
効かなくなって抗がん剤を再開したら
アナフィラキシーショックを起こして。
転移での身体の痛みに悩みながら
それにももはや慣れてきたのか
マッサージやら何やらを取り入れて過ごしていた。
わかった時には
彼女の原発部分の癌はもはや手術では取りきれず
転移した肺も広がって点在しているので取れない。
身体の中に、ある日現れた病気
何かの力によって自分に手渡された病気
を持ちながら生きるのが新しい人生。
それってなんなんだったんだろう。
病気を得たら不幸なんだろうか。
普通、そう思う。
けど、当事者全員がそう思うのか？と言えば
特に彼女を見ているとそれも違う気がした。
もちろん、病気はない方がいいに決まってる。
ただ、そこに負の感情を貼っても何も変わらない
なっちまったものはどうもできない
自分ではどうしようもない。
抗がん剤を打ちながら闘っているはずの彼女が
自分の癌細胞のことを
「かわいそうに思える」と言ったことがある。
「大きくなってほしくないけど
完全にいなくなってほしいと
本当に思っているか、
というとそうでもないかも。」と
本当か？とさすがにびっくりしたけど
「そうかもね」とだけ答えた。
癌細胞、なくなった方がいいに決まってる。
自分では気がついてないけど
少しでもポジティブに考えようと
無意識に自分を仕向けているのかもしれない。
本当は、元気だった頃の自分に戻りたいのに
怖くてたまらないのに
そう口に出して言ってしまったら
自分が壊れてしまいそうで
平気なふりをしていただけなのかもしれない。
その時は「強いなぁ」って思ってたけど
ほんとうはめちゃくちゃ怖くて、でも
それを誰にも言えずに頑張っちゃってたのかなって
今となっては思う。
病気になる前の自分も
病気を得た自分も
どっちも肯定するしかない。
否定したら自分が惨めだ。
ただ淡々と
冷静な状態になろうと一生懸命努力して
そう振舞えるようになるまでには
本人にしか分からない葛藤は山ほど
あっただろう
けど、前の自分も今の自分も
どっちも肯定するしか
折り合いはつけられないからな・・・
その友達と話していた時
「ねえ、
人が死ぬ時、一番多くの人が
思うことってなんだと思う？」
と、彼女が聞いてきたことがあった。
続きは次回。
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