西武大宮線がTMS誌に登場 | 書斎の汽車・電車

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 『鉄道模型趣味』(TMS)誌の最新号(6月号)、いつも楽しみにしている表紙裏の「宮松寫眞館」ですが、今回は何と、西武大宮線の「1号付随車」が登場です。それだけでなく、今回は「スペシャル」ということで、62頁から65頁でもこのトロリーラインを大特集しています。

 

 西武大宮線って何よ?という方も多いかもしれませんね。元々は川越電気鉄道として明治39(1906)年、川越久保町と大宮の間で営業を開始した軌間1372mmのトロリーラインで、紆余曲折を経て(旧)西武鉄道大宮線となりました。鉄道省川越線の開業を受けて昭和15(1940)年12月28日付で休止、翌年2月28日付で廃止となりました。

 

 宮松金次郎氏がこの線を訪れたのは昭和14(1939)年2月11日、紀元節ということで、1号付随車の後ろに見える川越久保町駅舎にも国旗が掲揚されています。大宮線末期といえる時期の訪問でしたが、時代錯誤ともいえる4輪単車ばかりの路線でした。その中でも特に古色蒼然たる1号付随車が表紙裏に選ばれたというわけです。

 

 形式写真は1号付随車のほか、同型の2号付随車、電動車は2号、3号、6号といったところです。このほか電動車の1号と5号の走行写真も掲載されています。いずれの写真も細部まで確認でき、得難い資料となっています。名取紀之氏の解説によれば、当日ガラス乾板17枚に在籍車輛のほとんどを記録したとのことで、西武大宮線ファンの小生としては、その全てを見てみたいという感を強くしました。

 

 毎度のことですが、こうした地道な発掘記事の多い近年のTMS誌は、本当に見逃せない存在になっていますね。そして、この6月号では表紙も飾った可部線モハ2326(平山 匠氏)、26歳という若手モデラーによる16番の作品ですが、久々にため息しか出ない模型を見ました。また、16番の連作レイアウト「出雲崎電気鉄道」(小黒 日出幸氏)、今回の「新長岡アーケード街」、地方私鉄のターミナルビルとその周辺というなかなか楽しいセクションです。