西武鉄道の秩父鉄道乗り入れ列車に乗る・後編 | 書斎の汽車・電車

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 乗車記も後半戦です。

⑥ 西武秩父から横瀬へ、そして横瀬発長瀞行き電車を待つ

 西武秩父駅10時35分の5024列車に1駅だけ乗車し、横瀬駅へ戻ります。(10時38分着)

 実はこの電車は4000系ではなく30000系8連でした。やはり味気ないことこの上ないですね。

 

 横瀬駅では10時51分発長瀞行き6053列車を待ちます。この電車、『西武時刻表』では実に面妖なことになっています。

 写真は『西武時刻表』32号の173頁の一部を切り取ったものですが、横瀬の発時刻(1051)のみが掲載され、隣の行に長瀞着時刻が載っています。この電車、西武線内の停車駅が始発の横瀬のみなのです。

 

 さて、西武秩父方から4000系4019Fの4連がやってきました。この電車、飯能発8時56分6001列車として横瀬着9時40分、ここで併結の三峰口行きを先に出発させ、列車番号も6051列車と改め横瀬発9時50分、秩父鉄道線内では52列車となり長瀞10時13分着。ここで折返し53列車となり長瀞発10時19分、御花畑着10時40分、以後は回送列車として横瀬に戻ってくる運用です。

 行先も「回送」から「長瀞」となりました。

 さっそくクハ4019に乗り込み、さあ出発といきたいところでしたが、この列車に接続する特急『ちちぶ9号』が客扱いに手間取りまして、(団体客が大挙下車したためです)我らが6053列車も、2分程遅れての発車となりました。

 

⑦ いよいよ長瀞方面乗り入れ~西武秩父素通りと堂々の急行運転

 6053列車は西武秩父に向けて走ります。ただ、構内配線の都合上、長瀞方面への直通電車は西武秩父駅を素通りします。

 もうすぐ西武秩父駅です。直進すると3番線着ですが、そこには「ラビュー」が停まっています。(実は3番線の特急車というのも結構レアな光景かも)このままでは正面衝突?

 もちろんそんなことはありませんで、左側に分岐する連絡線に入りました。画面左側には秩父鉄道の線路が見えますでしょうか?程なくして秩父鉄道線に合流、10時58分、御花畑駅2番線に到着です。

 後程、御花畑駅近くの踏切から撮った写真です。西武線からの連絡線が合流する様子がおわかりいただけますでしょうか。

 

 さて、御花畑駅2番線といえば、西武からの乗り入れ列車にしか使用しないホームです。ここで列車番号を56列車と改めまして、長瀞を目指します。

 この56列車と、先に走った飯能発の52列車は、実は秩父鉄道線内は途中秩父と皆野にしか停車しない急行運転を実施しています。(三峰口往復や、長瀞から御花畑までの戻りは各駅停車です)秩父鉄道の「急行」というと別途急行料金が必要なのかと思いきや、西武からの直通急行は料金不要です。ともあれ、4000系にとっては久しぶりの優等列車となりました。乗車している身にはわかりませんが、御花畑駅で種別幕も「急行」に直しているようです。

 

 この長瀞乗り入れ、乗り入れ開始当初は一つ先の「野上」までの運転でした。ただ「野上」では失礼ながらどこの駅だかわからないということで、「長瀞・野上・三峰口」行きという方向幕を出していたものです。後に寄居まで運転された時期もあり、間合い運用で秩父鉄道線内の輸送に4000系が大活躍していたこともありましたが、現在はかなり縮小されています。

 

 4000系は秩父路を快走します。途中、ヲキ、ヲキフの大群のほか、秩父駅構内で倉庫代わりとなったワキ818や、保線用のホキ1などというホキ800の同型車の姿も見えたりという貨車好きにはうれしいサービス(?)もあったりして、長瀞着11時15分でした。

 4000系は早速方向幕を「御花畑」に改めます。長瀞発11時28分、御花畑11時49分着の各駅停車で戻っていきます。

 

⑧ 帰路、そして今後の展望

 4000系で戻ってもよかったのですが、一つ前の11時19分発1519列車で秩父(11時43分着)まで、元東急8090系の7500系でした。秩父駅で途中下車したのは訳がありまして、駅に併設の「じばさん商店」と称する物産館で土産物を物色します。秩父土産は西武秩父駅である程度揃いますが、ここでしか売っていないものもかなりあることから、愛用しています。

 秩父駅です。秩父市を代表する駅だけあり、立派な建物です。

 買い物を終えて12時16分発1521列車に一駅乗り御花畑12時18分着、西武秩父駅までまたまた歩きます。

 

 西武秩父では腹ごしらえの後、13時24分発の特急「ちちぶ30号」で帰途につきます。慌ただしいばかりの「乗り鉄」旅でさすがに疲れたか、大爆睡で池袋着14時43分でした。

 「ブルーリボン賞」、小田急あたりなら珍しくもないでしょうが、西武では5000系と001系のみです。

 

 さて、今回の旅ですが、あちこちの駅で乗ったり降りたりを繰り返しました。いちいち乗車券を買い直していたら大変ですが、ちょうどいい切符がありました。「秩父フリーきっぷ」がそれで、何といっても西武秩父線の芦ケ久保~西武秩父と、秩父鉄道線の野上~三峰口が「乗り降り自由」というのが大きかったです。(池袋発着で2,350円也でした)

 別に西武鉄道から何か便宜を図って貰っているわけではありませんが、余りに便利でしたのでお薦めしちゃいます。

 

 そして、秩父鉄道乗り入れ列車についても、今回の乗車でおしまいではありません。まず三峰口までの直通は終点まで乗り通したいですし、乗っていてはなかなか見られない、「長瀞・三峰口」の方向幕を表示した4000系の走行写真や、秩父鉄道線内で「急行」の種別幕を出して快走する姿も記録に残したいですね。鉄道趣味活動もまた、「こんど・つぎ・そのつぎ・そのあと」と

続いていくのです。そのためには、この直通運転がこれからも続くことを願っています。