Insight ~「洞察」って何? | マニュアル課 翻訳室

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フリーランスで翻訳と翻訳レビューをやっています。
以前はマニュアルのテクニカルライティングもやっていましたが、今では翻訳専業です。

Insightといっても、車の名前ではありません。

ホワイトペーパーなどの翻訳でよくでてきます。IT 翻訳者にはなじみのある単語ですよね。

皆さんは、どう訳していますか?

辞書やクライアントからの用語集では、ほとんど「洞察」「識見」「見識」などとなっています。

自分はどうも、この「洞察」がしっくりこないんですよね。「見識」はまあわかりますが。
これは、自分の語彙力のなさにも関係しているので、私の意見が正しいというわけではありません。
単なる意見としてとらえてください。

いつもどうすべきか、頭を使います。

たとえば、"share these insights with your colleagues"というフレーズなら、どうでしょう?

直訳で「洞察(見識)を共有する」になります。

悩みますね~。少し硬いんですよね。

原語の "Insight" をCOBUILDで引くと、"If someone has insight, they are able to understand complex situations."や "If you gain insight or an insight into a complex situation or problem, you gain an accurate and deep understanding of it." のような説明があります。

どうやら"complex situation"がキーのようですね。
つまり、「複雑な状況を正確に詳細に理解すること」という意味のようです。

そうすると、先ほどの例の訳は「正確で詳細な情報を共有する」と訳したいところです。
実際は、クライアントの指定に従わざるを得ませんし、これが必ずしも正解ではありません。