5/1 【お誕生日はスペシャル】


誕生日のゆうきくんの元に届いた、ねこロボットによる運転カー。 

行き先は、食べ放題のお菓子の国、遊び放題のおもちゃの国、宇宙や海底まで行けるスペシャルな遊園地…… 


 これ最高じゃん! 

ワクワク体験し放題じゃん!


 ☆『ふしぎなみけねこびん』

(きむらゆういち/まつながもえ/世界文化社)

🍀読み聞かせにも

まつながもえさんの絵がとにかく楽しい。気分がアガる。「食べ放題のお菓子の国」を端から見てみよう。作り手の個性が爆発。頭にハートのついたロボットが作るチョコレートファウンテン、朴訥な雰囲気のポテトマンが作るフライドポテト、オレンジジュースの川、ケーキ屋、クレープ屋、クッキー屋、ポップコーン屋…まだまだあるよ。あなたならどこから攻める?



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5/2 【記憶のかけら】

「体育座りをすると鼻の先に膝小僧がくるでしょう。あのたんぱく質のにおいが、ふいに記憶を呼び覚ましたり…」
杉田比呂美さんが話してくれたことがあります。

あの日たしかに、そこにあったもの
いつしかみんな忘れてしまうもの

給水塔
くもの巣の雨つぶ

5月の風


◇『風たんてい日記』
(杉田比呂美/小峰書店)
〈風にかんするさがしものひきうけます 風あつめ 風の写真など お気がるにお申しつけください  ミナミカゼワタル〉――
美味しい「風入りパン」を売るお店も。初版2004年。煮詰まりがちな人生に5月の爽やかを。友人への贈りものによく選ぶ一冊です。



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5/3 【憲法記念日】

生前の井上ひさし氏が、子どもたちに向けて戦争体験、平和憲法、未来への思いを語る絵本。

  〈国や社会のために、一人ひとりがぎせいになることはもうやめよう、「個人をそんちょうしよう」ときめたんですね。〉


 ☆『「けんぽう」のおはなし』
(井上ひさし 原案/武田美穂 絵/講談社)



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5/3 【パレスチナあたたかい家】




アーティストや市民100名以上が参加する展示会『パレスチナあたたかい家 』(登戸)へ。賑わっていました!あまり長居できなかったけど、おりこうなワンコを見知らぬ人と愛でつ、バッジを3個買い寄付。素晴らしい企画。

なんにもできない、なんてことはないのだ
そう信じさせてくれる場所🕊



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5/6 【いろんな手紙が入った一冊】

郵便屋さんは運びます。
3匹のくま一家に宛てた女の子の手紙を、
ジャックが(豆の木の)大男に宛てたハガキを、
弁護士からおおかみへの通告書を……

紙の絵本にしかできないことを実現。

なんて贅沢!
なんてユーモア!
大好き!


☆『ゆかいなゆうびんやさん』
(ジャネット&アラン・アルバーグ作/佐野洋子訳/文化出版社)
🍀親子で楽しい

ちいさな絵本の中にたくさんの「手紙」。
初版1987年。イギリス発、ジャネット&アラン・アルバーグ夫妻の作。やわらかな線に縁取られる穏やかな色彩、ウィットに富んだ巧みな構成。
読み返す度にアハハと声に出して笑っちゃう。名作だよなあ



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5/6 【使い道は君しだい】

(連休最終日。のんびり緩やかな絵本に惹かれます。意外と疲れてるのかも意外とね)

島に漂着したあれやこれ。
初めて見るものばかり。

「これ なんなん?」

物知り長老は、知らないことで焦るけど……

答えはひとつじゃないもんね
いくつもあるもんね
自由にいこう


◇『これなんなん?』
(くりはらたかし作/くもん出版)

🍀親子で楽しい




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5/7 【日々は過ぎるけれど】

2年と2ヶ月が過ぎ、状況はどんどん悪くなって。無力感に苛まれてしまいそうだけれど、何もできない、なんてことはないはず。
希望を手放さないでと、この世は信じるに価するところだよと、
言えるように
できることをやりたい。 

 「ウクライナ民話の絵本『てぶくろ』のこと 」
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5/8 【「いま」を俯瞰する】

しんどいお子さんにとって、お家は安全な繭。
でも、繭ごと守る親御さんもまた、実はしんどい。 

「いま」を俯瞰で映す絵本、流れを大きく描く絵本を眺めてみませんか。

 はてしない時の中、ここにある生命。 
焦らなくてもいいんだよ、と言ってくれているような気がして。


 ◇『せいめいのれきし』
(バージニア・リー・バートン/石井桃子/岩波書店)

🍀親子で楽しい


俯瞰の目と、その子だけをみつめる目。
ままならないことだらけだけど、絵本の"イメージ"が、やさしい言葉が、あなたに静かに寄り添ってくれるといい。そう願いながら選書します。

🍀「わが子はよその子と違う」
子どもを比べ不安な親に 専門家が薦める絵本3選
(講談社『コクリコ』)

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5/9 【手塚治虫『火の鳥』、絵本化!】

1967年「黎明編」以降の作品をもとに作られた絵本。

〈さびしくてもだいじょうぶ、いきていける。〉

不死鳥・火の鳥がみたあらゆる生命の真実を、
読者自身に繋がる「命のこと」を、
優しく語りかけます。


☆『火の鳥 いのちの物語』
(手塚治虫 原作/鈴木まもる 文、絵/金の星社)

文章と絵は、子供の頃から手塚作品に憧れてきたという鈴木まもるさん。
鳥の巣研究家でもあり、フィールドワークを行いながら生命と向き合い子どもたちに伝える絵本作家です。
以前より鈴木さんの線はどこか漫画的であると感じていたのですが、なるほど、若い頃に漫画家を目指しておられたのですね。


見返しの絵にも雰囲気があります。

遥かな時をいきる火の鳥。
唯一無二の存在、圧倒的な存在でありつつも、軽やかに舞い穏やかに語る火の鳥。
(久しぶりに漫画を読み直したくなりました)



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5/10 【わたしも会いに行くよ】

ミュージシャン友部正人は、絵本も書いています。


◇『しいちゃん』
(友部正人 文/沢野ひとし 絵/フェリシモ)

たんぽぽの季節になるとやってくる不思議なおばさん。
その声はしいちゃんの中から聞こえてくるみたい。

おばさんは どこからくるのだろう

しいちゃん
私も時々会いに行くよ。

あの子に会いたいな、会わなくちゃって
飛んでいくんだよ。


絵本コーディネーター東條知美