2/11 【本の長屋(高円寺)】

 

本の長屋は共有書店。

私は「えほん+∞」の屋号で、特価古本その他を販売しております。

寄稿した『望星』(2月号) も入荷。

 

 

絵本、児童書、発達関連書、詩の本、70年代『月刊絵本』、宮沢賢治豆本などなど📚

山口法子さん画『Our Childrenポスター』は、折れ防止のクリアファイルごとお求めいただけます。

ぜひお手に取ってご覧下さい。

 

 
 
杉並区にある高円寺。昼から居酒屋も古着屋も賑わっており活きのいい町だなと感じます。なんとなく気がよい、そんな感じ。
北口出て左、仲通り商店街を歩いた端っこに「本の長屋」があります。改装を重ね、各棚試行錯誤を重ね面白くなってまいりました。
「高円寺・本の街商店会」みたいな構想もあるらしく、代表の狩野さんが目をバキバキにして今張り切っておられます。
 

 

 

 

 
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こちらは長屋の仲間、古波藏契さんの著書『ポスト島ぐるみの沖縄戦後史』(有志舎)
こういった歯ごたえのある本、私はあとがきから読みます。
〈子どもの貧困問題や若年層に顕著な政治的無関心など、近年の沖縄で問題視される現象〉――
そこにある価値観を疑う必要が今、皆にあるということ。心して読みます。
 
 
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2/12 【節分】
 
一番最後の冬の夜、卵から孵った九ひきの小さな鬼。
葉っぱの舟で春の小川を下るかれらは、危ない目にあいながらもなんとか切り抜け、人間の村へと辿り着きます。
そして村の子どもの心には、それぞれによく似たタイプの鬼がすみつくのでした。
 
☆『九ひきの小おに』
(谷真介作/赤坂三好絵/ポプラ社)
 
〈おどろくのも、九ひきいっしょ〉
 
〈ぶるると ふるえるのも、九ひきいっしょ〉
 
産まれたばかりの頃はみな同じ。
ところが時が経つにつれ、おこりんぼ、いじわる、元気、陽気と、それぞれの個性が生まれてきます。
面白いなあ
 
叙情あふれる民話風創作絵本。
ちぎり絵で描かれる河、ほとばしる滝の美しさよ。
 
赤坂三好の技術・醸される抒情……まさに一流技巧の絵師。 これを「折り紙で真似してみたけどできない」と嘆く児童に和紙を紹介したら、夏休みの絵を和紙で見事に仕上げ見せてくれた思い出。
 
 
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2/13 【ジェノサイドに抗議します】
 
山口法子さんは
祈り、描き続ける。連帯します。

 

  

 

 

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2/14 【理由】

 

国会図書館や学校図書館勤務〜絵本コーディネーターの肩書で活動する現在まで、20年間一貫して「読書推進」をやっています。

 

読むこと、思考すること、自分の言葉をつくることは平和につながると信じているから。

 

きっと多くの司書、子どもの本に関わる人も同じ気持ちで、未来の読者を創ろうとしている。

 

 
 
 
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2/15 【1997年〜2005年 パレスチナ 十代の子どもによる創作】
 
IBBY(国際児童図書評議会)発行の機関誌『ブックバード』、日本語版創刊号(2010/3月 マイティブック刊)の特集が「アラブ」だった。
 
 
当時のIBBYパレスチナ支部のジェハンが紹介する、子どもたちによって書かれた物語、心を映す挿絵――
 
14年前の本誌には、
辛い喪失から立ち直ろうとし、物語に希望を託す彼らの姿があった。

 

紙面で紹介される作品はいずれも1997年〜2005年、パレスチナの十代の子どもによる創作作品。

『失われた子ども時代』(2002年/ムスタファ・バキル14歳)、『失った声』(2003年/マハ・アケル13歳)、『人生における絶望と希望――月を目指して』(2005年/ディアー・アルー13歳、ディアー・メヒディン13歳)等々。

 

『無駄にした子ども時代』(2003)の最後には、こうしるされている。

 

私たちは何ものにも遮られることなく、子ども時代を生きる権利があります。

 

 

 

 

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2/16 【春近し】

 

屋根の雪が溶けはじめて、川も小鳥も嬉しそう。

どうして?

 

《いいことが あるからさ

いいことが あるからさ》

 

《ろ ろ ろろろ》

 

地面の下のちいさな音。

雪国の子どもは、その微かな春の気配を探り当てます。

 

大好きな絵本です。

 

☆『いいことってどんなこと』

(神沢利子 作/片山健 絵/福音館書店)

 

 

 

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2/17 【本を知るTV「タイプライターズ」】

 

地上波フジテレビ「タイプライターズ」が今日をもって、そして「BSタイプライターズ 」も、3月2日㈯の放送をもって終了との報。

 

過去には私のような者まで呼んでいただき、本当に様々な角度から「読むこと」「書くこと」「手渡すこと」……「本」にまつわるものもの、本の文化に光を当ててくれた、実に貴重な番組でした。

 

ありがとうございました!

 

 

 

 
またぜひいつか。
 
 
 
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2/20 【保育園で読み聞かせ】
 
まちのてらこや保育園さんへ。
別途記載します^_^🍀➔コチラ
 
 

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2/21 【読書会】

 

本の長屋でのんびり主宰しております、「なんとなく目を逸らされがちなジェンダーを読み語る会」、通称「ジェンダー読書会」を4ヶ月ぶりに開催。

 

 

第3回は『赤毛のアン』を村岡花子訳で。

 

南北戦争・産業革命・ピューリタニズム・19c末カナダ女子教育・20c「児童の世紀」的思想・第一次大戦と欧州中国の女性・登場人物やシリーズタイトルに現れるモンゴメリ・訳者背景・読者にとってのアンetc……

 

梁の上からコクテイル書房の猫ちゃんも耳を傾けてくれました🐈

Hさんから写真を拝借。(ΦωΦ)いいアングルだニャ

 

 

読書会終わりにドクターOさんが鞄から取り出して見せてくれた『道徳的人間と非道徳的社会』(ラインホールド・ニーバー/岩波書店)

〈個人がより善くなれば、社会や政治の問題は解決できるのか。〉 

ここ数年間、私の考え続けていることが表紙にしるされている。読んでみたい。

 

 

後日、Kさんが2009年の大晦日に書いたというエッセイ(と呼びたくなるもの)を送ってくれた。

『赤毛のアン』に書かれている「命」のこと、そこから金子みすゞの童謡――「大漁」へと繋げた彼女の思いが、静かに力強く綴られている。

(せっかくなので冒頭の一部を転載させてもらいます)

 

↓ ↓ ↓

 

アンは生きていかれることがわかった。ミス・コーネリアの話をきいて再び笑顔さえ見せる日がきた。(『アンの夢の家』)

 

烈しい苦悶の焔は燃えつくし、その灰色の灰が全世界を覆った。肉体的にはリラの若い生命は母よりも早く回復した。ショックと悲しみのためブライス夫人は何週間も床についた。リラはまだ生存ということを考慮に入れなければならない以上、生存をつづけていかれることがわかった。(『アンの娘リラ』)

※いずれも、村岡花子訳・新潮文庫版

 

20世紀初頭に生まれた少女文学には、数多の人の死が描かれる。

今より医療も発達していないし、世界が大きな戦争へとなだれ込んでいく時期だし、そのことは思いの外身近なことだったに違いない。

とはいえ、愛する者の死がもたらす衝撃と悲しみは、今も昔も変わるものではない。……(略)

 

――いくつかの事柄への答えとして

(2009年12月31日 Kさん)

 

 

 

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2/25 【猫へのラブレター】

 

◇『きみがいるから』

(くさかみなこ 作/はしもとみお 絵/マイクロマガジン社)

 

2匹の保護猫と暮らす作家による、猫へのラブレター。

 

《きみじゃなければ だめなんだ。

ほかの ねこじゃなくて きみが いい。》

 

人と猫

そこにある(かつてあった)かけがえのない時間、愛を

再生する絵本。

 

 

私も猫と暮らしたことがあります。

あの柔らかな感触、重さや温もり。甘えていたかと思えば、膝からするりと抜け出して行ってしまう気まぐれ――

絵本を開いて、そういうあれこれが蘇るようでした。記憶の再生装置のよう。

 

 

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2/26 【ジャイアント馬場の伝記絵本】

 

新潟県出身、九ちゃんの歌に励まされた……私との共通点はこれっきり。

でも

あの曇天の下に育ち、そこから世界へ――挑戦に出た彼の生涯に、闘う姿に、心を動かさずにはいられない。

 

 

◇『うえをむいてあるこう ―ジャイアント馬場、世界をわかせた最初のショーヘイ―』

(くすのきしげのり著/坂上暁仁絵/303BOOKS)

 

図体の大きさをからかわれ、

プロ野球の世界で挫折して、

アメリカで孤独におそわれて……

生きていれば、項垂れることは誰にでもある。

 

でも、彼は決して腐らない。

何度でも顔を上げる。

 

「馬場正平」の姿はきっと、こうありたいと願う人々の力になる。

 

クライマックスに向け、感動をぐんぐん押し上げていく物語です。

 

 

ポストカードがついてきました!

 

 

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2/28 【たりなくても大丈夫】

 

たてがみは半分だけ、そんな未完成のライオンのぬいぐるみが主人公のお話です。

 

周囲の仲間は、彼がなんとかライオンらしく見えるようにと心配し、世話を焼きたがります。

 

でも、大丈夫。

彼はそのままで、たりないままで大丈夫なのです。

 

自分で決めて、教わって、身につければ……

きっと誰より強くなれるから!

 

「こどものとも」3月号

☆『はんぶんライオン』(大原悦子 文/猫野ぺすか 絵/福音館書店)

 

どこか懐かしさを覚える猫野ぺすかさんの絵。光と影の演出も含め、とても魅力的です。

 

 

 

 

ドラマ

Netflixで『カルテット』を再視聴。

「志のある三流は四流だからね」が、やけに胸に残る。四流上等じゃ、うりゃ!と嬉しくもあり悲しくもあり。

しかしいいドラマだ。

台詞だけじゃなくて、声、音、ぜんぶに耳を澄ませたくなる。意図を探りたくなる。

 

真紀さん(松たか子)を「結婚してみたら普通の人だった」とがっかりして好きじゃなくなった夫さん(宮藤官九郎)のあの感じは、『花束みたいな恋をした』を彷彿させる。

 

普通の人 は

だいたい幻だ。

 

そして

おとなは秘密を守るのだ。よし。真紀さん、よし。

 

 

ちなみにわたしは今、韓国ドラマにはまりにはまっており、飲みながら食べながら心ゆくまで語りたい春です。

健康第一で。

 

ごきげんよう