大学時代のバイト仲間・アレックス。

 

彼はわたしにとって生涯忘れられない人だ。

 

もちろん、悪い意味で。

 


(記事の最後にトトリ実家のトコジラミに関する不穏な目撃情報があるよ……!)

 

 

*****

 

これまでのあらすじ:

 

トトリの先輩・ルカさんに一目惚れして、しつこく合コン開催をねだるアレックス。

 

ある日、アレックスはバイト先でトトリから「うずらの卵」を強奪した。

 

詳しくは前回記事を↓


 

*****

 

 

 

その中華丼には、うずらの卵は一つしかのっていない。

 

中央に一つだ。

 

それを食べるのが楽しみで中華丼を頼んでいるのに!

 

 

わたしはアレックスにそう説明したが、アレックスはあきれたように笑うばかりだった。

 

そして、ついにはこう言った。

 

 

「うずらの卵は中華丼の中央に一つのせられていただろ。

 

要するに飾りみたいなもんだ。

 

飾りなんだから、つまりはサンドイッチのプレートに添えられているパセリみたいなもんなんだよ。

 

パセリを食べられて怒るヤツなんていないだろ。

 

トトリってば食い意地はってるなぁ。

 

この食いしん坊め!」

 

 

 

 

 

はぁぁぁーー!?

 

 

アレックスにワケのわからない屁理屈をこねられ、わたしはもはや言い返す気力を失ってしまった。

 

 

っていうかさぁ。


サンドイッチプレートに添えられたパセリだって、人のお皿から勝手に食べるのはダメだろうに。

 

そもそも中華丼の中央にのったうずらの卵は、パセリのような飾りではなくショートケーキの上にのったイチゴと同類だろうに。

 


なんなんだよ、アレックス……


この屁理屈コネコネ男め……

 


 

 

この一件を後日ルカさんに愚痴ったところ、ルカさんはわたしに中華丼をご馳走してくれたのだった。

 

そして、自分の中華丼の上にのっていたうずらの卵もわたしにくれたのだった。

 

 

「わたし、うずらの卵って別に好きでもないからさ。トトリにあげるよ〜」

 

 

ルカさん……

 

神……

 

 

つづく

 

 

ところで、大昔に取られたうずらの卵のことで2記事にも渡って恨みつらみを書くとは。

 

我ながら、食べ物の恨みは恐ろしいね。(笑)

 

 

アレックスとの戦いの模様を最初から読むなら↓



 

 

〈トトリ実家トコジラミ情報〉

 

母から不穏な目撃談が報告された。


服に茶色い虫らしき物がついているのを見たという。


え……


まさかアイツ……?



この詳細は今夜書いてアップの予定。


皆さま良い週末を!


 

トコジラミとの戦いの模様を最初から読むなら↓