かつて、有名なミニマリスト男性の部屋を見たとき、驚いた。

 

刑務所よりも物がなさそうな部屋だったから。

 

「いくらなんでもこの部屋には住みたくないなぁ」

 

そう思った。

 

 

でも今は、やっぱりこう思う。

 

「あの人の部屋ならトコジラミとの戦いも容易だろうな。うらやましい!」

 

 

対トコジラミという観点で見ると、一人暮らしのミニマリスト最強。

 

それだけは間違いない。

 

 

*****

 

これまでのいきさつ:

 

我が家にトコジラミがいる。

 

トコジラミに振り回されて、トトリは右往左往。

 

最近、少し疲れ気味。

 

*****

 

 

 

 

 

たとえば合コンの帰り道。

 

家まで送ってくれた男性が

 

「部屋に少しお邪魔したらダメかな? 少しだけでいいから!」

 

としつこく言って送りオオカミになりそうになったとき。

 

帰って欲しい場合は、

 

「実はうち、トコジラミがいるの……!」

 

と言えば容易に撃退できるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

これは最強の撃退法にちがいない。

 

この思いつきをルカさんに話したところ、

 

 

「送りオオカミにトコジラミの脅威は効かない気がする。

 

『トコジラミって何?』

 

って言うか、

 

『トコジラミなんて気にしないよ!』

 

って言うかのどちらかじゃない?」

 

 

と言われた。

 

 

 

 

そうかなぁ。

 

少なくともトコジラミの恐ろしさを知っている人なら、トコジラミのいる家には絶対お邪魔したくないと思うと思うのだけど。

 

 

まあ、いずれにしろ、送りオオカミなんて最早わたしには関係ない世界の話。

 

ルカさんは現在独身なので、送りオオカミを撃退する必要がある時はこの撃退法を使ってみてほしいと言ったら、こんな答えが戻ってきた。

 

 

「えー、たとえ相手が撃退したい人でも、うちにトコジラミがいるって思われるのは嫌だなー」

 

 

 

 

んん?

 

いや、ちょっと待って。

 

ルカさん、この前わたしに

 

「同窓会でトコジラミのこと話しなよ! きっと注目の的だよ!」

 

とか言ってなかったっけ!?

 

 

 

 

 

ルカさんめ。

 

しょせん他人事かい!

 

 

と思った次の瞬間、ルカさんはこんなことを告げてきた。

 

 

「ところでさー、トコジラミのせいで最近トトリはお疲れ気味みたいだから、さくらんぼをいっぱい送ったよ♪ 食べて元気だしてね!」

 

 

ルカさん……

 

やっぱり好き……☆

 

 

 

 

 

ルカさんからのさくらんぼは、本日届くらしい。

 

考えてみたら、このさくらんぼが届くのはトコジラミのおかげと言えなくもない!?


 

 

「でもさー、さくらんぼが送られてきた箱にトコジラミがついてたら笑っちゃうよねー!」

 

 

 

ちょっ。

 

ルカさん、嫌なこと言わないで……!

 

 

アメとムチ(?)の使い方において、わたしの中ではルカさんが最強だ。

 

 

 

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