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「血を吸う蚊はメスだけで、オスは吸わない」という話は、聞いたことがある人も多いと思う。
メスは産卵のために血を吸うのであって、メスもオスも、自分自身の栄養源は花の蜜や樹液だ。
花の蜜や樹液を吸うだけで生きていけるのならさぁ、産卵だって、そういうのを沢山吸って頑張ればいいじゃない。
人間に近寄って「パチン」とされるリスクを考えたら、血を吸わずに産卵できるようになるのが蚊自身のためでもあるのだから。
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トコジラミもさぁ、血なんて吸わず、花の蜜や樹液を飲んで生きればいいじゃない。
そして、森などで好きなだけ繁殖すればいいよ。
トコジラミだらけの「トコジラミの森」でも作って、幸せに生きなよ。
楽園を作れるかどうかは、君たち次第だよ。
だって、我が家で繁殖するとさぁ……
恐ろしい薬物攻撃に遭っちゃうんだからね……
*****
これまでのいきさつ:
我が家にトコジラミがいる。
トトリは、トコジラミ対策の決定版と思われる燻煙剤「Z」を使用した。
愛犬・ルディが舐めないよう、ルディが触れる可能性のある場所はすべて拭き取ったので、はてさて効果はどうなるか……
*****
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「Z」は遅効性の薬剤だ。
即効性はない。
だから、燻煙したからといって、すぐにトコジラミがいなくなるわけではない。
それは分かっていた。
分かってはいたけれど……
それでも、「Z」を使用した翌朝、前日までと同じように刺されていることに気づいたら、やはりガッカリしてしまう。
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ガッカリした。
ガッカリした。
ガッカリした。
やはり、燻煙後にかなりの部分をふき取ってしまったからダメなのだろうか。
しかし、ガッカリし続けること4日。
5日目の朝に変化が起こった。
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「あれ……今日は明らかに虫刺されが少ない!」
遅効性薬剤の効果が出はじめたのかもしれない。
一人、歓喜に沸く。
その日から、吸血被害は徐々に減っていった。
そして、10日目。
ついにわたしは、待ちわびた朝を迎えた。
「どこも刺されていない朝」だ。
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「刺されてない! どこも刺されてない!」
え、え、これって勝利?
もしかして、アッサリ勝利した?
なーんだ。
トコジラミは業者でも駆除困難とか言うけどさぁ。
意外とアッサリ駆除できたじゃない!
あー、良かった。
解決、解決♪
……と、思ったけれど。
さすがにそれは、
甘かった。
トコジラミとの戦いを最初から読むなら↓
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