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子どもの頃からピアノを習っていた。
一番好きな曲は、ショパンの「革命のエチュード」。
この曲は、ポーランド人のショパンが、ロシア帝国への革命失敗に対する「絶望と怒り」から作ったと言われている。
「特に革命を意識して作ったわけではない」という説もあるが、あの激しい旋律は確かに「絶望と怒り」を表しているようにわたしには思える。
だから、トコジラミと対峙するとき、この曲がわたしの中で鳴り響くのだ。
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これまでのいきさつ:
トコジラミと戦うトトリ。
寝室にハエ取り粘着テープを貼りまくった。
が、トコジラミ捕獲ならず。
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ネットを見ていて、気になる記載を見つけた。
トコジラミ経験者が、役に立ったものと意味がなかったと思うものを書いていたのだが……
意味がなかったものとして、「寝具回りに貼った粘着テープ」を挙げていたのだ。
えっ、これ意味ないの?
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その人は粘着テープで1匹だけは捕獲できたそうなのだが、「そいつがたまたま特にマヌケで不注意なヤツだったのだろう」みたいなことを書いていた。
基本的には、意味がないと。
えーー!?
でも、実際にハエ取り粘着テープで何匹も捕獲している人たちをネットで見かけたんだけど……
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どういうことだろう。
まさか、珪藻土を撒かれたら珪藻土に強い「外骨格を硬くしたタイプ」が誕生してきたように、多くの人が粘着シートを使ったから粘着シートに強い「足腰強化タイプ」が誕生してきているのだろうか。
まさかね……
しかしこれ、本当に意味ないわけ?
寝室に貼りまくった粘着シートを前に、わたしはしばし呆然としてしまった。
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だが、しかし。
ある日、シーツを替えようとマットレス側面の粘着シートをはがしていたときのこと。
ベッドの頭側につけていた粘着シートに、何か小さな物がついていることに気がついた。
ほこりか何かだと思って一瞬スルーしかけたけれど、ふと思い立ち、そのシートに顔を近づけてみた。
よーく見てみると、それは……
「これ、幼虫じゃないのーっ!?」
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わずか2~3ミリのそれは、間違いなく、トコジラミの幼虫だった。
ついに捕まえた。
ついに。
ついに。
ついに捕まえたのだ、わたしは!!
粘着シートの罠にはまった、
特にマヌケで不注意なトコジラミを!
頭の中で、「革命のエチュード」が鳴り響いた。
トコジラミとの戦いの模様を最初から読むなら↓
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