〈あなたに捧ぐアドバイス〉

 

 

たまに通りがかる道沿いに、大きなリサイクルショップがある。

 

去年の夏の終わりごろ、その店頭に張り紙があった。

 

「家具の買い取りは終了します」

 

 

わたしはその店に入ったことがなかったので、

 

「へー、このお店って家具も取り扱ってたんだ。でも取り扱いやめるんだ。まあ、家具は場所取るもんね」

 

くらいに思って、通り過ぎた。

 

 

でも、今になって思うのだけど……

 

あの店が家具の取り扱いをやめた理由って、実はトコジラミではないだろうか。

 

 

 

 

あの店の家具にトコジラミがついていたのでは、と疑っているわけではない。

 

そうではなく、フランスや韓国でのトコジラミ騒動を見て、

 

「すぐに日本でもトコジラミが問題になるに違いない。トコジラミは家具につくから、家具の取り扱いはもうやめよう!」

 

と、先手のリスク回避で取り扱いをやめたのではないかとわたしは睨んでいる。

 

もしそうだとしたら、危機管理体制すばらしい。

 

やめて正解だ。

 

 

 

 

 

わたしが家でトコジラミらしき虫を目にして戦々恐々としはじめたころ、

 

「自治体が粗大ゴミを修繕してメルカリで売る取り組み」

 

というニュースを目にした。

 

愕然とした。

 

 

だからさ!

 

トコジラミは家具につくんだってば!

 

中古家具を売ってる場合じゃないんだってば!

 

買ってる場合じゃないんだってば!

 

 

 

 

 

 

そりゃね、ニュースに出てきた「粗大ごみで出てきた家具を修繕する」仕事をしている人の顔は輝いていたよ。

 

「この取り組みによって、資源を大切に、地球環境を大切にできれば。安く販売するので、購入者にも喜んでいただけてる」

 

みたいなことを、使命感に燃える顔でおっしゃっていた。

 

うん、わたしも良い取り組みだと思ったと思うよ。

 

 

トコジラミのことを知る前であればね。

 

 

 

 

だって、粗大ゴミを捨てるときに、捨てる理由なんて言わないでしょ。

 

その家具を捨てた理由が、「トコジラミが家に出たから」だったらどうするの。

 

 

 

 

 

わたしも、家具をいくつも捨てた。

 

うちはまだ(ベッド以外の)家具につくほど蔓延していないと思うし、念のため殺虫剤をかけてから捨てたけど。

 

それでも、その家具に「絶対にトコジラミも卵もついてない!」なんて保証はできない。

 

(そんな保証ができるくらいなら、捨てる必要もなかったわけだし)

 

 

さっき調べてみたところ、うちの自治体も、粗大ごみで出された家具のうち状態の良いものは欲しい人に無償提供しているとのことだった。

 

うちの家具、状態良かったけど……

 

まさか誰かに貰われていったのだろうか。

 

 

捨てる前にマジックで

 

「これトコジラミついてるかもよ! 危険家具!」

 

と書いてあげれば良かったか!?

 

いくらなんでも、そう書いてある家具をわざわざリユースに回そうとは思わないだろうから。

 

あ、でも、粗大ごみは家の前に出すから、そんなこと書いてあるのを近所の人に見られるのは嫌だった……

 

 

 

 

 

その仕事にかかわっている方々には、本当に申し訳ないと思う。

 

申し訳ないと思うけど、こう言わずにはいられない。

 

 

中古家具は買わない方がいい!

 

貰わない方がいい!

 

特にベッドは最悪!

 

 

もちろん、現時点ではトコジラミなんてついてない可能性の方が圧倒的に高いと思う。

 

99%以上の確率で、ついてないと思う。

 

でも、もしついていたら?

 

 

これ以上ないくらいの「安物買いの銭失い」になるかもよ……

 

 

 

 

注)きちんとしたお店で売ってる高級なアンティーク家具とかは、もしかしたらしっかり対策してから売ってるかもしれないので、わたしのこの意見の対象外かもしれない。

 

あくまでも、安価な中古家具の話。

 

なお、わたしが買ったアンティークの鏡は骨董市で個人が売っていたものなので、まず間違いなく無対策だったろうな……

 

 

トコジラミとの戦いの模様を最初から読むなら↓