ポルトガルに暮らし、ドキュメンタリーを撮った鈴木仁篤監督の2作品を二本立てで鑑賞。
鈴木監督がヨーロッパを放浪した末に住み着いた、魅力ある土地。その感じがスクリーンから漂ってきた。
2つの映画ともに、エンドロールでバーの喧騒や演奏が使われていて、想像を掻き立てられる。
「ポルトガル料理」と検索してみた。魚介、とくに干し鱈や、じゃがいもがよく使われるらしい。
ポルトガル語で「Batatas ao Murro(げんこつじゃがいも)」という料理。
蒸したジャガイモをパンチしてひびを入れ、ニンニクやオリーブオイルをかけてオーブンで30分。やってみた。
ひび割れにオリーブオイルやにんにくの香りがしみこんでうまい😋
レシピはここを参考にしました⇒
「丘陵地帯」は、 ポルトガルの手仕事の現場を丁寧に描いていて興味深かった。
エッセンシャルオイル抽出するのに、どんだけ身体使うのか!
チーズひとつ作るのに、2つの手でどんだけ手間をかけるのか!
先進国のほとんどで工業化された酪農とは別物の、本来の姿。
これなら、動物のお乳をいただくことの罪悪感は劇的に下がる!
そして「TERRA」。
伝統的な炭焼きの一部始終を丁寧に撮った、美しい映像。
ポルトガルの、田舎そのまま空気ごと味わうような。
炭焼きの蒸気の音と羊の鳴き声。
大きな窯と、背後の壮大な景色。
とにかく炭焼きの男性の、働く身体がカッコいい!
お尻がキュッとしてて。
炭焼き小屋の内部の音を聴きながら、炎を視ながら、自分の感覚をたよりに炭を焼く。
ヒトの感覚と、「製造」がつながってる感じが心地よい。
こうして暮らせば、おのずと環境は維持できる。
なんてメッセージを深読みしてしまうけど
上映後の監督さんとの質疑応答で
伝統的な農法や、いわゆるSDGsとか、タイトル「TERRA」(地球、大地、土、地方などの意)のメッセージ性について質問が出たが
鈴木監督の答えは、外から見えない窯の中で起きていること、窯の外の営み
それらを撮りたかったというシンプルなもので、純粋過ぎてほっとした。
画面の縦横比が最近見慣れた横長じゃなくて、ギュッとコンパクトな感じが描いてる人や風景に合っている気がした。
暮らしを大切にしたいと思わせる映画たちだった。
いや、そんな感想も、あの監督さんにとっては、考えすぎ?(笑)
いやいや、自分が感じたことが、あなたにとってのボクの映画なんだよ(←勝手に代弁)