イタリアの女性監督アリーチェ・ロルバケルが、自身の故郷トスカーナ地方を舞台に、養蜂園を営む一家を描いた作品。Amazonプライムで観た。
地元の名店フロア(愛媛県松山市三津駅前)で、蜂蜜&ゴルゴンゾーラチーズで赤ワインの、至福の組み合わせ
遠いイタリアのどこかで、こういった人々が生活しているかもしれないと思うと、漠然とした虚脱感、自身の小ささ、儚さを感じる。
彼女たちの人生と決して交じり合うことがない、無力な自身の人生を呪いそうになる。
まるで薄いカーテンを挟んで、幸福と不幸が同居しているような、そんな現実の恐ろしさをひしひしと感じさせる映画だった。
しかし映画の要所要所で、前衛的な、それでいて突飛すぎないカットを入れてくることで、この映画の芸術的な美しさと、現実から離れた精神性が表現されていた。
誰しも特別でありたいと考え、同時に自分はまともな人間だと胸を張る。しかし、みんなどこかおかしくて問題を持っており、それぞれが特別であり平凡なのだと思う。
重要なのはそれらを許しあう関係性と、優しさではないだろうか。
人という不完全な存在に対する愛情、相互補完。
「人間が二人いたら愛し合うの。」
素敵な言葉だ。