「けったいな町医者」「痛くない死に方」そしてチベット映画「羊飼いと風船」 | ボクらの映画めし

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映画に出てきたごはんを作ってみた。なるべくヴィーガン

 

関連の映画2本を続けて観る幸せ。

1本目は、尼崎の在宅医、長尾和宏さんの仕事ぶりを追ったドキュメンタリー。

 


 

2本目は、長尾さん役の奥田瑛二さんの後輩医師、柄本佑さん主演。

柄本ドクターを患者として育てる、宇崎竜童・大谷直子夫婦がいい感じだったなあ。

 

 

患者、宇崎竜童の死の数日前に、縁側で、宇崎夫婦と医師と看護師、4人で盃を交わす。

季節は夏、浴衣を着て、花火を見ながら、笑いながら、ガラスの器に光る日本酒の透明感がよかった。

冬のこたつで備前焼の盃ではダメだったな、このシーン。

人生の最後の日々を自分で選び取るか、病院任せにするか。生まれることと死ぬことは、人生の二大事業だろう。

 



医師の価値というものは、患者の側に立つ態度、謙虚さ、コミュニケーション力、観察眼、見立て…かな、と感じた。
その医師と付き合いながら迎える、人生の最期。

 



帰宅してPCを開けたら、ちょうど、子育て期の思い出話を伝えてくれる友人のメールが届いていた。
赤ちゃんの体重が生まれた時よりも減り、不安だったときに診察した小児科医が言った言葉。

お母さんが産後の貧血と体調不良で大変なのを、赤ちゃんはよくわかっている。
おっぱいは血液だから、自分の命をつなぐ分だけ飲んで、お母さんを助けている。お母さんが元気になったら、この子の体重も増えるよ。
結果、まさにその通りになったと。

本日3本目の映画を観た気分。

 



思い出したのは、ちょっと前に観た「羊飼いと風船」。

近代化が進むチベット。昔ながらの放牧で羊を飼っている生活の中に、少しずつ変化が訪れる。
しかし、変わらないものがある。前日まで元気だったおじいさんが亡くなったとき、だれも「なぜ?」「なんの病気?」と問わず、ひたすら祈る姿が印象的だった。

 



その死を息子と孫に伝えたのは、スマホだったんだよね。

在宅医の長尾さんの仕事を支えるのも、iPhone。

ツールは便利になり、忘れられていったことがたくさんあるが、忘れてはいけないことを取り戻そうとして奮闘しているプロがいる。

 

自分の死を人任せにせず、イメージできれば、生きることが豊かになるはず。
今日にでも、リビングウィルを書いておこうと思った。

リビングウィル。例えばこのサイト
https://www.japha.jp/doctor/livingwill.html

ただ、若い人や子どもの場合は同じようには考えられないだろうな。

「羊飼いと風船」で、おじいさんの死を伝える電話がなったとき友人と飲んでいたのがどぶろく。確か食器は金属製だったような。

 



食べるものは素材から作るのが基本の生活。
子どもの教育や医療をお金で買うようになり、生活が変化していく。

お母さんがこねて焼いていたパンは、こんな感じのだったな。