「なんだ、日本はそんなに悪いことをしていないじゃないか」と感じるようにできている | なおひろのブログ

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真の母・韓鶴子総裁を愛しています。
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歴史認識の話の続きをします。

概観を見たので、今回から本題に入っていきます。

前回、歴史認識がこういう分裂状態にあるということを書きました。

ところでお父様、文鮮明先生はどちらの側かというと、日本は悪かったという側です。

自叙伝の68ページには、「祖国はどこへ行っても涙の坩堝でした。飢えた民衆の苦痛に満ちた息遣いが絶えることはなく、彼らの凄絶な悔恨の涙が川のように流れました」とあり、

78ページには「植民地下で呻吟する孤児に等しいわが祖国」とあります。

そして独立運動をしたということで、ひどく拷問されました。それを文鮮明先生は、個人の経験だと受け止めていません。民族全体のことだと考えています。

「真の御父母様の生涯路程 1」の268ページ~269ページを見ましょう。
「 日本の監獄に入ったゆえに、私は韓民族の悲惨さを知りました。日帝がどんなに悪いかということを監獄に入って知りました。監獄に入って拷問を受けて、血を流す過程で同志たちと共にありながら、初めて韓国の悲惨な姿を知るようになったのです。このような民族を誰かが解放しなければならないという義務を感じたことも、監獄に入ってからです。監獄は、先生にとって偉大な先生になりました。復帰摂理路程において、誰も触れることのできない基礎を築くことのできる一時だったというのです。」

こういうことを書くと、それは独立運動などをした人の例外的なケースなどではないかと思う人が多いと思います。

もっと一般的な部分では日本の植民地支配はいいものではなかったのか、と思う人も多いでしょう。日本が韓国に対してひどく悪いことをやったように聞かされていたが、調べてみたら違ったという内容が多くのブログに書かれています。

ところが実はこういうは意図的な情報操作に影響されているものが多いのです。

どういうことか説明しましょう。

なぜ意図的な情報操作というのかというと、日本の歴史歪曲というか、情報操作が、その当時(植民地時代)から徹底していたということです。

日本の植民地支配は日本のためでなくて韓国のためにやっているんだ、だから韓国は感謝すべきだといった主張は、最近、出てきた主張ではありません。

日本の植民地支配は日本のためでなくて韓国のためにやっているんだという主張は、日本が韓国を植民地支配を始める時点ですでにあったのです。1910年の時点から、その前からあったのです。

もっといえば1895年の日清戦争のころからしかもかなり強烈にしかも大量にありました。そしてその当時の新聞記事や雑誌の記事においても、日本に不利になるようなものは、できるだけ載せずに、日本にとって有利なものばかり必死に載せていました。

植民地支配が始まった1910年からは、韓国では毎日申報という御用新聞だけを残して、すべての新聞が廃刊になりました。廃刊にならなかった政治に関係ない、宗教雑誌、教育雑誌においてもきびしい検閲がなされました。ですから1910年代の韓国の国内情勢の研究は非常に遅れています。資料がなさすぎるのです。

1919年に3.1独立運動が起きると、あまり弾圧しすぎるのもかえってよくないということになりました。1920年から、新聞の発行が許されるようになり、朝鮮日報、東亜日報、などなどさまざまな新聞が発行されるようになりました。

それでも、検閲を受けていたので記事の削除や発行停止処分などが頻繁におこなわれています。独立を願うようなことを書いたら、記事を削除、記事の削除の回数が貯まると、発行停止処分、これの繰り返しです。

朝鮮日報や東亜日報の「朝鮮人のこういう部分は悪い、われわれも反省すべきだ」という記事はそのまま掲載されますが、「日本人のこういう部分は悪いぞ、問題だぞ」という記事は、少し強烈になると全部削除されてしまうわけです。それで独立云々したりすると、即、発行停止となるわけですから、朝鮮日報や東亜日報も日本に対する批判は、あまり過激にできません。

そして同時に日本人が発行している新聞、雑誌に書いてある「朝鮮人が悪い、問題だ」という記事は、何の問題もなく延々と出るわけです。

こういう状況ですから、日本の植民地支配がいかに正しいものであるかを強調する記事や論説ばかりが、その当時から蓄積されていったのです。

特に当時の日本は、英米の動向に非常に神経を使っていました。日本の植民地支配を非難されることを非常に恐れていました。

朝鮮が英米に訴えて独立運動の支援をしてもらおうと必死に動いていましたから、それを防いで日本の正当性をアピールするために、植民地支配のよい面ばかりをその当時から必死にあらゆる媒体で世界に向けて発表していたのです。

ですから普通に歴史研究しようかなあ、と思って、昔の新聞、雑誌などをひっくり返して読みやすいものから読んでいくと、「なんだ、日本はそんなに悪いことをしていないじゃないか」と感じるようにできているのです。

このレベルを超えて、歴史の真実に迫ろうとすれば、韓国語で発行されていた新聞は基本として読んでいく必要がありますし、さらにその当時の日本が差し押さえて記事にさせなかった内容が、どんなものであるのかを知る必要があります。

その当時の日本側の統治機構であった朝鮮総督府では、朝鮮人の心理を把握して取り締まるために、朝鮮人の意見を知るために、こういう新聞記事を日本語に翻訳してファイルしていました。発行停止を覚悟でそれでも書いた記事の内容がどんなものであるのか、それがひとつのヒントになります。

 それが本になっています。値段は高いですが、かなりの図書館においてあります。

「消された言論―日本統治下の「東亜日報」・「朝鮮日報」押収記事集〈政治篇〉」コリア研究所

「消された言論―日本統治下の「朝鮮日報」・「東亜日報」押収記事集〈社会篇〉」コリア研究所

こういうものも合わせて読んでいかなければ、まともな歴史研究にはなりません。ここまで読まなくても、せめてその当時の韓国語の新聞にどんなことが書かれていたのか、くらいは見ないと話になりません。

韓国の国史編纂委員会のホームページに入ると、植民地時代に発行されていた新聞のほとんどが無料で公開されていますので、韓国語が読める方ならば、自由に読むことができます。日本語の新聞もあります。

韓国語が読めないとしても、朝鮮総督府(日本側の統治機関)で、これらの韓国語の新聞のうち、重要だと思われるものを日本語に翻訳して部外秘として、本にまとめているものが、かなりの量になります。

こういうものを読むだけで、朝鮮の植民地時代が、チャンネル桜や、じじさまサイトや、国際日本人養成講座、アジアの真実、在特会(在日特権を許さない会)などで、常識のように語られている日本は悪くないという話とは、相当に違う印象になると思います。

少なくとも、韓国併合で多くの朝鮮人は喜んだとか、植民地時代の朝鮮人は親日的だったのに、植民地が終わってから文句を言うのなんて朝鮮人はずるい、というのは、まったく嘘であることが分かると思います。

ですから80歳以上の韓国人は自虐史は嘘だと知っているというのも嘘です。

ところが多くの右翼的な日本人の学者のかたがたは、こういうのは見ずに、その当時のプロパガンダ的に流されていた報道記事ばかりを探して、必死に書きます。それを土台にして、右翼の評論家の方が、さらにそれを断定的に評論するということで、大量の本が出版され、雑誌記事が書かれ、ブログ記事になっているのです。

こういう人たちは、自分たちの言論が正しいもので、韓国人にとっては聞くのが辛い話でも、韓国人は黙って聞くべきだと思っています。そして韓国人と論争すれば勝てると思っています。歴史の真実は日本の側にあると思っています。そう思わせる材料がたくさんあるのです。ところが実際は相当に違うものなのです。