サインは絵の一部-3
サインの意味は二つあります![]()
まず1つは
「この作品の作者は○○です」と、表明する意味。
そして、もう一つは
「この絵は完成しました」という意味です。
サインの入っていない作品は
まだこれから手を入れる必要のある
未完成の作品だということになります。
下書き、習作だということですね。
天野喜孝 『肖像』
オリジナル版画の場合も作家がサインを入れます。
オリジナル版画とは
画家が版画を制作する目的で下絵を描き
版作り、刷り、最終チェックに至るまで
画家自身が監修した作品のこと
オリジナル版画には完成後
エディッションナンバー(例:8/30、30枚刷ったうちの8枚目)と
画家のサインが本人の手により入れられます。
サインに用いる筆記用具は通常黒の鉛筆です。
鉛筆が使われるのは、複製を防ぐためです![]()
鉛筆だと作品をカラーコピーのようなもので
複写した場合、鉛筆部分もインクとなってしまい
オリジナルではないと分かるからです![]()
上の天野さんの作品では
下左側にエディッションナンバー
右にサインが入っています。
画像は『ギャラリーダッドアート』さんから拝借しました。
下のサイトでは、天野さんの絵を
クリックすると大きくなるので
サインも分かりやすいです。
他にも素敵な絵を陳列されているので
興味のある方は、是非のぞいてみてください
http://www.ddart.co.jp/amanosell.html#shouzou
サインは絵の一部-2
サインで悩まれている方は参考にしてくださいね。
まず、サインのデザインに凝りましょう 。
アルファべットで書くとして
活字体か 筆記体か![]()
縦長の書体にするか
横長の書体にするのか![]()
斜体にするのか![]()
どこまで文字を崩すのか![]()
名前がはっきり読める必要はありません。
はっきり読める方が野暮ったいのです![]()
名前の下にすーっとアンダーラインを引くのもアリです。
他の方のサインをいっぱい見て
気に入ったサインがあれば
それを自分用にアレンジするのも方法。
油絵の具でサインを入れる場合
筆記体で書くのなら、豚毛の筆では硬すぎます![]()
思い通りに筆が回りません![]()
腰が強く先のきく日本画の筆を使いましょう。
いたち毛がお勧めです![]()
絵の具を、ペンティングオイルではなく
テレピンで薄めて![]()
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絵の具の粘りを少し取るのが肝心です![]()
サインの色は、悪目立ちをしてはダメですが
絵の中に埋もれて
どこにサインがあるのか分からないのでは
意味がありません![]()
小さくても、きらっと光らせるぐらいの気持ちで
サインを入れましょう![]()
みどりの風景画だったら
赤みのある濃い茶色かな。
そして、後は何回も書いて見ることです。
丁寧にそろそろ描いてはダメです
スパーッと勢い良く入れられるようになるまで
練習してください。
サインが上手く入れば
あなたの絵の品格が上がって見えますよ![]()
サインは絵の一部
画家さんが作品に書きいれるサインは
絵の一部だと言われるように大変重要なものです![]()
サイン一つで、絵の印象ががらっと変わリます。
そんな実例をお話をしますね。
私のお店のお客様は
カルチャーセンター
油絵講座に通われていました。
お年は70歳ぐらいでしょうか・・・
いつもニコニコしていらっしゃって
教室のムードメイカーのような方でした。
そして
その方の描く絵と言えば
お人柄そのままの、ほわぁ~とした絵でした。
まっすぐな線もその方が描くと
微妙に曲がってしまいます![]()
「左右対称」とか「長さの比率」とか
そんな概念はその方にとって不要のようでした![]()
デッサンの正確さから言えば
????な絵なのですが
なぜか味のある魅力的な絵でした![]()
でも、ご本人は
カルチャーセンターの発表会で
他の方の絵と並べた時、ご自分の絵が見劣りがする
と、悩まれていました![]()
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そこで、私が提案させていただいたのは
絵に手を入れることではなく、サインの練習でした。
その結果は大成功![]()
ほわぁ~とした絵にきりっとしたサインが入ると
絵の印象が、がらっと変わりました![]()
微妙にいがむ線は
絶妙なカーブの線に見えます![]()
形の不正確さも全然気になりません![]()
『ものの本質は、表面の形を追うことではないんだ
』
と、語りかけるような堂々とした絵になりました。
その方の絵の味がストレートに伝わるとともに
絵の品格さえ上がって見えるから不思議です![]()
いや~サインの効果って、本当に大きいですね![]()
M先生-2
昨日から六本木の国立新美術館で
「自由美術」の展示会が始まりました。
私に絵を教えて下さったM先生の所属されていた会です![]()
お店のお客様の画家さんが
何人も出品されているので、
見に行くのが楽しみな美術展ですが
もうM先生の絵は見られません。
M先生は数年前に亡くなられたのです。
72歳でした。
M先生は生前に「病院や福祉施設に作品を置いてもらえたら、この上ない喜び」と語っておられました。
2009年4月、奥様によって3点の作品が「旭川荘療育センター児童院」に寄贈されました。
私が知り合った頃には
M先生はすでに人工透析をされていました。
お食事にも厳しい制限があるようでした![]()
ある日お店でM先生に
「お昼を一緒に食べよう」と、言われたのですが
M先生のお弁当の包みから出てきたのは
数本の生のきゅうりでした![]()
「僕の昼の食事は、いつもこれなんだよ」
と、先生は、塩も味噌もついていないきゅうりを
ボリボリと、丸かじりされます。
私も先生に分けていただいたきゅうりを
ボリボリかじりながら・・・・
へえ、こんな厳しい食事制限をされながら
100号の絵を何枚も何枚も描いてらっしゃるんだ~
健康な人でも、100号を描くのは体力と気力が
つづかない大変な作業なのに![]()
M先生の絵を描かれる
情熱って
本当に、すごいな~
と、改めて思いました。
50年以上絵を描き続けてこられた
M先生にとって、絵を描くということは
生きているということと同じ意味だったんですね![]()
M先生-1
わたしのお店のお客様M先生の作品です
「胎41」自由美術本展出品作 1998年
長年
美術の教師をされていたM先生は
私にとって絵画の「生き字引」のような存在の方でした。
私は来店された先生をつかまえては
これ幸いと 本当に色々な質問をしました![]()
絵画の題材、構図、色彩理論 絵画技法 etc
先生はその都度回答を下さいました。
また私の絵に対しても数多くのアドバイスを下さいました。
私が、油絵を始めたばかりで
まだ2作しか描いたことがないのに
次回には、こんなテーマのこんな絵を
こんな構図で描きたいんです~
と、思いつきでお話した時のことです![]()
先生のお話はこうでした。
あなたの描きたい絵がどんなものか分かったけど
今のあなたにそれを描く力はないよ。
が~ん![]()
M先生のアドバイスは
本当に私のことを思ってくれてのことでした。
だって、私が描きたいと言ったのはこんな絵
適当に話をあわせ「描きたいものを描きなさい」
と、おっしゃれば済むものを、ズバリと言ってくださった
M先生に感謝です。
それにしても、当時の私って
絵のことが何もわかっていなかったです。
ああ恥ずかしい![]()
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