先日、サポートしている永里優季選手のツイッター上のやりとりでこんなものがありました。
「両足をフラットにして回転することは、サッカーの競技特性上ほぼないにも関わらず、このワークアウトに取り組んでいるのは何故でしょうか?」
皆さんはどう思われますか?
トレーナーであれば、自分が指導するトレーニングに対してこのように指摘された場合、しっかりとつまり論理的に必要性を提示できなければなりません。
そうでなければ指導する資格はありません。
そして選手自身もやはり自分がやっているトレーニングであればその必要性はしっかりと理解していなければなりません。
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選手個人の課題という視点はここでは除外し、トレーニングと競技の関係性というポイントに絞ります。
仮にこの主張に沿うのであれば、もちろん多くのトレーニングは”意味のないもの”となってしまいます。
(俗にいう筋トレは分類されて考えられているのかもしれませんが)
つまりサッカーの動きのみ、がトレーニングの対象に限られてしまいます。
もちろんそういった主張は理解はできます。
しかしこの点において議論し、考えなければならないのは、「サッカーの動きの向上につながっているのかどうか」です。
サッカーやトレーニングの動きについての外見ではなく、動きの構造です。
僕が指導する身体操作トレーニングは、そんな動きの構造を対象としたトレーニングです。
動きの構造には筋力要素も含みますので、時々出会う筋トレか身体操作か、みたいな二次元論は視点がずれているのです。
身体操作トレーニングは、動きの構造を対象としたトレーニング。
その前提において、身体操作トレーニングは動きを作り出すファクター、そしてそれらに影響を与えるファクター全てにアプローチする必要があります。
僕はそれがパフォーマンスを向上するための必須ポイントだと考えます。
動きを生み出しているのは決して筋肉だけではありません。
脳や神経はもちろん、 内臓や経絡や意識などもその対象です。
情報入力チャンネルである目や圧受容器などの感覚器も含みます。
そして筋肉の階層で言うと、筋肉の連動パターンもその対象になります。
どの筋肉とどの筋肉を繋げて使うのか、どのような力の伝達を使って動きを生み出すのか、などがこれにあたります。
永里選手が書いている「上半身の動きに対して下半身が追従するパターン」と言うのはこの部分を指しています。
サッカーでは上半身が下半身に協力する運動パターンの獲得と強化は非常に重要です。
また、身体の位置を変えずに(地面を蹴ったジャンプをせずに)両足を同時に地面から浮かす動き(膝抜き)のパターンについてはサッカーでは頻繁に使われています。
いずれにせよ、「サッカーの動き」で見られる「外見」は、様々な力(重力や反射、運動パターンなど)による「結果」です。
結果となる形だけを作りにくことは、同じ動き(外見)なのに働いているところが違う、という形骸化を生みます。
これはトレーニングやパフォーマンスにおける「フォーム指導」における注意点とも重なります。
結果としてのフォームには、どんな力が作用した結果なのかをしっかり見極めることはトレーニングを選択・指導する上では不可欠な要素です。
全てはパフォーマンスアップのために。
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中野 崇
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身体操作の根幹部分のトレーニング。
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