こんにちは。

スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。

 

 

 

今日はこれからブラインドサッカー協会の仕事。

全国のブラインドサッカーチームのコーチたちへのフィジカルトレーニングの考え方と実践方法の指導です。

 

 

 

ブラインドサッカーだから、選手たちはもちろん目が見えません。

(コーチやキーパーは見えますが)

 

 

 

だからそういう選手たちにどうやって指導しているのですか?

って聞かれることはめちゃ多い。

身体操作を教えるのに、目が見えない相手にどうやってそれを習得させるのかを疑問に思う方は多いみたいです。

 

 

 

これまでも少し書いてきましたが、ブラインドサッカーを指導していく上で、僕が考えていることは常に一つ。

 

 

 

「自分が使う言葉によって相手が、どんな反応を示すのか」のみ。

 

 

自分が使う言葉において、相手にとってその言葉がどのような情報を含まれているのものなのか。

そしてそれによって相手はどんな反応を起こすのか。

 

 

 

同じ「りんご」という言葉でも、果物屋さんにおいてあるリンゴをイメージする人もいれば、木になっているリンゴをイメージする人もいます。

もしかしたら、ビートルズのリンゴスターや漫才師のハイヒールリンゴねーさんをイメージする人もいるかも笑

 

http://beatles.world/2015/09/24/good-night/より

 

 

吉本興業HPより

 

 

 

何が言いたいかって、人を相手にする仕事はそれが重要でその比重が非常に高いと思っているということです。

スポーツに限らず教育や指導において、この部分は絶対にないがしろにすべきではありません。

 

 

 

もう少し具体的にこのことをスポーツでの話に落とし込んでみます。

 

 

 

今回の講習で僕が担当するのは、「フィジカル」。

 

 

 

多くの方というか一般的には、この「フィジカル」の後にほぼ必ず「強化」という発想がきます。

 

 

 

今回はフィジカルという言葉は少し置いておいて、「強化」という言葉を例にとって。

 

 

 

あなたは強化という言葉からどんなイメージを持ちますか?

 

 

 

バーベルや自重を利用して筋力を鍛える。

体幹トレーニングみたいな外見。

 

 

 

それらを行なっている時の選手たちの苦悶の表情。

そういうイメージでしょうか。

 

 

 

実際、先日まで帯同していたプロ野球の自主トレでは、公開日に訪れたたくさんのマスコミの方々がこぞってコモドドラゴンを取り上げて紙面に載せておられました。

コモドドラゴンの動画

 

 

 

 

トレーニングにおける一般的な、そして彼らの抱く「強化」というイメージとコモドドラゴンでしんどそうにしている選手の姿が合致したと推測できます。

けれど実際、あの自主トレの中で僕はコモドドラゴンを決して単なる筋力強化目的には位置付けていません。

 

 

 

「強化」、つまり強くすること。

 

 

 

だから、重いものを持ち上げたりダッシュしたりして筋肉などを鍛えてしんどい思いをする。

あくまで主観ですが、これまでの経験上、これが強化という言葉とセットで抱かれるイメージです。

 

 

 

けれど、これはあまりにも言葉に踊らされすぎではないかと思うのです。

ファンの方など、実践する立場にない方には特に問題にはなりませんが。。

 

 

 

指導側の立場の方も含めて、あまりにもイメージ先行。

多くのケースで、あまりにも強化の「中身」について深められていない、深める姿勢が不足しているのではと感じています。

 

 

 

強化の目的は、例えばボールを速く投げる、繰り返しの運動でも怪我をしない、コンタクトに強くなる、などが挙げられます。

 

 

 

だから筋力を強化、と考えるのが一般的。

 

 

 

けれど、なぜ、それをもって強化と言えるのか。

強くなるという現象について、もっと厳密に考えるべきではないのか。

 

 

 

選手がきつそうにしていれば、持ち上げる重さが向上すれば、本当に強化できていると言えるのか。

 

 

 

目的としている(獲得したい)その現象を深く分析することができれば、強化というベクトル上でもっと違う手段も産まれるのでは。

 

 

 

実際、外見上は単なるストレッチに見えるものも、強化という位置付けで行なっているものもたくさんあります。

 

 

 

 

人間は可動域の真ん中3分の1が最も筋力を発揮できいるという法則がありますが、それを考慮すると、ストレッチによって可動域を広げることが、筋力を高く発揮できる「範囲」を広げることができると言えるからです。

(もちろん実際はもっと細かい部分まで考慮します)

 

 

 

他にも物理学における力積という考え方や、力=質量×加速度という運動方程式から考えても、筋力アップだけが強化ではないと断言できます。

 

 

 

力の方程式には筋力という項目はありません。

力を高めるために必要なのは、加速とそれに参加する質量と物理学的に証明されているのです。

だから、力を向上させるための全てのトレーニングは、この方程式に則って構築される必要があります。

人間は別、ではありません。

人間にももちろん物理法則は厳密に当てはめられます。

 

 

 

強化。

 

 

 

強化したいならば、強化させたいならば、強化という現象をしっかり理解する必要があると考えます。

そうでなければ、重いものを持ち上げられるようになった、身体も大きくなった、でもパフォーマンスは下がった、ということが起こってしまいます。

 

 

 

それでは選手があまりにも気の毒ではなかろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

全てはパフォーマンスアップのために。

 

 

 

 

 

中野 崇

 

 

 

 

追伸

数値的にこれだけ向上したから、強化できている、という見方もあります。

人間の運動を定量化、データ化して客観視できるようになってきていることは非常に素晴らしいことですし有効です。

しかし、その数値の解釈には注意が必要です。

前モモ(大腿四頭筋)の筋力数値が上がると、スピードや高速でのバランスは間違いなく低下します。

 

 

 

こんなめんどくさい考え方をベースに構築されてきたJARTAのトレーニング指導をご希望の方は下記から(初回半額です)。

http://jarta.jp/dispatch/

 

 

 

JARTAのオフィシャルLINE@

友だち追加

image

https://line.me/R/ti/p/%40urb4534h