こんにちは。
スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。
スポーツトレーナーが関わる現場を含めてですが、スポーツ現場には大前提として「これをやったら絶対に大丈夫」という正解はありません。
トレーニングの手法においても同様に、様々な方法論がある中で選手がどれを選択するのかという点については、当然絶対的な正解はありません。
正解がない以上、何を指標にやるのか。
僕の場合はそれを物理学に置いています。
全ての現象は物理現象であり、その現象を起こすための身体操作、その身体操作に必要な身体機能、という思考順序で展開します。
繰り返しますが、スポーツについての方法論は、絶対的な正解は存在しません。
審判や相手チーム、天候、道具の状態など、様々な要因が試合の結果に影響を与える以上、仕方のないことです。
その流動的な環境の中だからこそ、確定させられるものは最大限確定させる。
僕はトレーニングによって磨かれるものがそれに該当すると考えています。
と、ここまでは指導側の理屈。
こうやって準備したものであっても、選手やチームに採用してもらえなければ、それは存在しないことと同じです。
では、最終的にトレーニングと選手を結びつけるものは何か。
僕は、「納得」だと考えます。
選手が求めているもの(パフォーマンスアップ)に対して、課題があって、その原因の分析があって、それを解決する手段があります。(このプロセスにおいて仮説と検証を繰り返します)
その解決手段がトレーニングである場合、この流れを見ていただくとわかりますが、トレーニングの提案だけでは足りません。
選手が納得するためには、課題の整理とその原因の分析と、その解決策としてのトレーニングが「論理立てて繋がっていること」が重要です。
それを選手が理解できる表現でできる限り筋立てて伝える。
その筋立てに選手が納得すればトレーニングのスタートです。
少なくとも僕の場合は、そのようにして選手に「納得」をもらうようにしています。
選手は納得すれば本腰を入れて積極的に取り組んでくれます。
本腰を入れてやってくれれば、良い結果に繋がりやすくなるのは当然です。
仮説と検証を繰り返しているので、もし良い結果が出なければ、そのプロセスのどこに問題があるかが迅速に分析できます。
このパターンにおいて非常に重要なことは、こちらからの一方通行ではなく、納得のプロセスを共有しているので、選手も一緒に検証できることです。
このような納得プロセスは、選手の教育にも直結しているので、非常に重視しています。
納得のレベルは選手の持っている知識レベルや感覚レベルに依存しますが、指導側は考えうる限りそれらの最大レベルまで準備しておく必要があります。
これをないがしろにすると、高いレベルの選手から、「なぜこのトレーニングをするのかが納得できない」「説明されても腑に落ちない」という、指導側にとって最悪の状況が起こってしまいます。
(実際、プロチームでも多い。。)
指導者「このトレーニングをやると軸が強化できるよ」
選手「なぜ軸を強化するとサッカーが上手くなるんですか?」
指導者「ブレなくなるからだよ」
選手「なぜ軸が強くなるとブレないんですか?そもそも軸って何ですか?身体の中にそんなものありませんよね?」
今後、こんなやりとりはどんどん起こります。
この最後の質問に、選手がビビるぐらいの深さで答えられるのか、それとも「そういうもんなんだよ」とやってしまうのかの差は、選手のパフォーマンス向上という観点でも、選手からの信頼という観点からも非常に大きな差を生みます。
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
今日からブラインドサッカー日本代表の強化合宿です。
見学に来たい方は、同協会のHPからスケジュール確認していただき、自由にご参加いただけます。
http://www.b-soccer.jp/c/event/event-jpteam
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