こんにちは。
スポーツトレーナー協会JARTA代表の中野崇です。
「筋力をつけたら、動きにつなげる」
こういった考え方は、かなり以前からあります。
筋力を鍛えたら、その鍛えた筋肉に競技の動きを覚えさせなければならない、というロジックです。
僕自身、高校生や大学生の時にこの考え方でやっていました。
この裏には、筋力アップは筋力アップ、動きは動き、でそれぞれ別だ、という発想があると思います。
選手によっては有効かもしれません。(後述します)
しかし、多くの選手にとって、ここにはリスクもあります。
「筋力アップは筋力アップ」
「その後に動きの学習」
つまり別々にやれる。という発想。
これは、大前提として非常に成立しにくいです。
一般的には筋肉をつけすぎて柔軟性がとか、動きが遅くなるとか、そういうことも言われたりしていますが、それよりももっと根本的な部分においてです。
人間には強力な学習能力があります。
人間は、良くも悪くも全ての運動を学習します。
筋力アップを目的としたトレーニングの時間も、
学校で座って勉強している時も、
家でテレビを見ている時も、
全部その動きを身体に覚えこませようとする作用が働いています。
身体操作のトレーニングだけが、身体操作を覚える時間ではないのです。
しかもこの学習作用は、外見上の動きだけではなく、そのときの認識状態も一緒に覚えてしまいます。
詳しくはこちらを読んでみてください。
そしてこれらの学習は繰り返せば繰り返すほど、学習は強化されて「身体が覚える」という状態になります。
その学習が自動化されて無意識にやってしまうようになると、これは一般的に「クセ」と呼ばれます。
話を戻しますと、
筋トレの動きも、やっぱり身体操作の練習という位置付けが必要だと思います。
選手がやっている競技や課題に対して、合致していてほしいです。
そこ外すと、せっかく時間かけて筋力つけても、競技には繋がらない動きをする筋肉を身につけてしまうことも。
最後に、
上記で選手によっては有効かも、と書いた部分について。
やる意味があるという解釈の「有効」ではなく、選手自身の能力によっては弊害なく両者を繋げられることもある、という意味です。
これは自らによる意識操作や身体操作が絡む、かなり高度なものです。
そういう選手の共通項は、非常に高度な身体操作を身につけているということは確かです。
お読みいただき、ありがとうございました。
全てはパフォーマンスアップのために。
中野 崇
追伸
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