下記のブログの方は、腹腔鏡オペ直後だったので、お腹の感覚を整えると座りやすくなった。
本日の症例は、オペ後時間が経過した方。
「下腹で座ると楽に座れる」とは感じてる。
でも、長時間の座位となると、しんどくなって、椅子の上であぐらをかいたり、三角座りをすると楽に感じるという。
楽に感じるとはいえ、やっぱり、それが続くとしんどい。
最近、股関節の詰まりや疲れを訴える事が、多くりなり、立ち上がる時に、朝起きた時に腰が痛む。
「きっと座り方が悪いと思う」
とおっしゃっる方の「椅子に座る」筋肉とスキルを探してみた。
同じ「座るが苦手」でも、時間の経過とともに、必要なアプローチは変わる。
そんな経験を書いてみる。
🍀下腹は使えている。でも、それだけでは座り続けることはできない。🍀
この方は、座る時の下腹の感覚(丹田)は使えていた。
見た目としても、両足は床についている。
ただ、子宮筋腫の腹腔鏡手術の既往がある。
おそらく手術前から、筋腫による圧迫感を避けるために、「足部に荷重せずに座る癖」を作っていたのではないか。
だから疲れてくると、
で座りたくなる。
ここで興味深かったのが、
「足を組むと骨盤がゆがむから避けてました」
という言葉だった。よく「横座り」も同じ理由で避けられている。
でも私は、それも少し違うと思っている。
🍀「同じ姿勢を続けること」が筋肉にはしんどい事なのです🍀
見た目には足が床についている。
でも筋肉としては支えていない。
極端に言えば、
「足を空中でぶらぶらさせているような状態」
で座っているのではないか、と仮説を立てた。
下腹が使えている間は座れる。
でも、人はずっと同じ筋肉だけで座り続けることはできない。
足に荷重した座位姿勢を保ちながらも、
など、少しずつ荷重場所を変えながら、筋肉を休ませている。
例えば私は、
- 軽くもたれる
- 足を組む
- 左右の坐骨へ体重を逃す
- 肘で支える
そんなふうに、無意識にいろんな場所へ体重を逃がしている。
でもこの方は、
- あぐらなら、あぐらのまま
- もたれたら、もたれたまま
- 椅子上での三角座り
と、「坐骨に荷重した椅座位姿勢」の中での休憩パターンに固定されているのではないか??
つまり、
「いろんな姿勢で体重支持するスキル」
の幅が少ないのではないか、と考えた。
🍀「足部を踏む」を身体に思い出させる🍀
そこで今回は、片麻痺の方の痙性を落とす時に使うテクニックを応用した。
テーマは、
「足で床を踏む筋活動を促通する」
方法はシンプル。
足を少し引き、かかとを接地する。その状態で、
「お尻を浮かせようと少し踏ん張る」
を3回繰り返す。実際には浮かせない。立ち上がるのではなく、“浮かせようとする”程度。
すると、膝に近い側の太もも(大腿四頭筋遠位部)が収縮してくる。
その状態で、下腹と大腿四頭筋遠位部が連動している感覚を感じてもらう。
すると、
「ここは使ったことがないです。太ももの付け根側ばかり使っていました」
という反応が返ってきた。
興味深くないですか??伝わりますか??
彼女は太もも付け根の大腿四頭筋は使って座ってた。膝に近い方の大腿四頭筋は使ってない。
「足部に荷重せずに、坐骨荷重で座る癖があった」のかもしれません。
🍀必要なのは「筋トレ」ではなく、「足部を参加させる」事🍀
ここで大切なのは、回数をこなして鍛えることではない。
椅子に座る時に、
「大腿四頭筋遠位部も参加させ、足部に荷重させる事」を身体に学習させること。
仕事前に数回行い、そのまま仕事へ入る。
入ってしまえば忘れていていい。
むしろ、意識し続けすぎると、無意識の姿勢反応ではなくなってしまうので、思い出した時にだけ、足部を感じる事。
大切なのは、
「無意識レベルの姿勢調整の中に、その筋活動を参加させること」
🍀癖を変える時に必要なの事🍀
身体の癖を変える時には、
「一度意識して感じる」
⬇️
「忘れる」
⬇️
「無意識に落とし込まれる」
この繰り返しが必要になる。
そのうち、ただ足を置いているだけでも、膝に近い側の大腿四頭筋が自然に働くようになってくる。
🍀「足を組む🟰悪」ではないと考えます🍀
私は、「足を組むこと自体」「横座り自体」が悪いとは思っていない。
問題なのは、
「その座り方しかできない事」
疲れを逃がすために、
- 背もたれにもたれる
- 左右の坐骨に乗せる
- 足部に乗せる
- 足を組む
そんな“いろんな逃がし方”を持っていることは、むしろ必要なのではないかと思っている。
「休憩しながら座り続けるスキル」
それもまた、座る能力の一部なのだと思う。
🍀大人にも「座るスキル」が必要になることがある🍀
開腹術。
腹腔鏡手術。
半月板損傷。
骨折。等々
人は痛みをかばいながら、
「その時の楽な動き方」
を獲得する。
でも時間が経つと、その代償が別の形で出てくることがある。
そんな時に私は、片麻痺の方の痙性を落とす時に使う、
「アライメントを整え、正しく荷重することで、本来の筋活動を促通する」
という考え方をよく使う。
身体の防御反応によって、働くことをやめてしまった筋肉に、
「あ、ここ使ったら楽なんだ」
「もうここを使っても痛くないんだ」
と身体自身に納得してもらう。
その過程を通して、“使っていなかった筋肉”を、もう一度育てていく。