ここしばらく外出が億劫になっていた。
理由はトイレである。
「つかむ」「つまむ」がほとんどできず、ジーパン(ズボン)の上げ下げやジッパーの開閉に手こずってしまうのだ。
ジッパーがうまく下ろせず、焦れば焦るほど尿意が切迫、便座に腰かける前に漏らしてしまうこともしばしば。
外出時には尿漏れパッドを使っているものの、吸収力が発揮されるのは肌とパッドが接している時だけで、ジーパンと下着を下ろしかけたタイミングで尿意がリミットに到達してしまうとジ・エンドである。
そのためジッパーにはファスナータブを取り付けた。
100円ショップでもオンラインショップでも売っている。
紐の太さがジッパーのツマミの穴に合うか、タブの形状や材質が使いやすいか、購入前に要チェック。
私は衣類やポーチやバッグのファスナーに、片っ端からこれを取り付けた。
さらなる問題は用を足し終えた後。
ジーパンの腰の部分をつかんで引っ張り上げる、ということができないのだ。
正確には「右側はどうにか引っ張り上げることができる・左側はできない」だ。
まず右側を引っ張り上げてから、右手で左側を引っ張り上げようと試みたりもしたけれど、二の腕が攣ってしまう。
苦肉の策でポケットに左手を入れて引っぱりあげてみたり、その場でぴょんぴょん飛んでみたり。
四苦八苦しているうちに1時間に1本のバスが行ってしまい、半泣きで40分歩いたこともある。
OTさんに相談したところ、左手で引っ張り上げる部分にこのようなパーツを取り付けてくださった。
ここに親指以外を引っかけて、ぐいっと引っぱり上げるのだ。
まあ、なんということでしょう!
トイレの個室でぴょんぴょん飛んでいたあのバカな時間は、何だったのでございましょう。
これで外出先でも尿意を恐れることなく、ビールが飲め水分摂取ができる。
こうした対処法をOTさんにご提案いただくことには、悪い一面もある。
ALSの進行で「できないこと」が日々増えているにもかかわらず、「まあ、なんとかなるんじゃね?」と楽観的になってしまうのだ。
気管切開しない私の場合は呼吸機能と嚥下機能を守ることが肝要であり、逆に言えば呼吸機能と嚥下機能さえキープできていれば、あとは不自由さが増しても何とかなるわけで。
……とはいえ自分の無力さが情けなく、この先どうなっていくのかと不安で、週の半分ぐらいは涙しているのだけれど。
OTさんには、先日投稿した雪かきの件でも助けていただいた。
OTさんから頂戴した「雪かき禁止」令を遵守すべく、おとなしくYouTubeを見ていたところ、おっ!? とひらめいた。
ソリ🛷の代わりに除雪スコップに雪を乗せて引っ張り、塀の前に積み上げた雪にペタンと重ねる。
これなら右腕だけで除雪できるんじゃね?
練習してOTさんに披露したものの、あまり良いアイディアではなかったようで、代わりに雪かきしてくださった……。
去年の今頃は私もまだ、OTさんと同じぐらいの手際で雪かきができたんだよなあ。
来月の今頃は何ができなくなっているんだろう。
下手の考えナントヤラだし、全集中で確定申告の準備でもしますか。


