「想いをよせてる人に告白しないのは、なぜ?」とおばあちゃんは笑った。

「幸せになれる階段があるんだよ」とおばあちゃんは言った。
続き...
ずっと不思議だった。
おばあちゃんはなんで
僕の悩みを分かってしまうんだろう。
「あら、本当はあなたも分かってるのよ。
いえ、人は誰しも自分の答えは分かってるの。」
「でも、僕は分かんないよ。
何がしたいのかも、何をすべきかも。」
おばあちゃんは、カボチャジュースを
そっと渡してくれた。
「分からないのではなく、
分かりたくないのよ。
そっちの方がずっと真実に近いわ。
本当の想いは、ワクワクもするけど
あんがい怖いものなの。
分からないでいる方が、ずっと安全なの。」
分かりたいけど、分かりたくない。
なんだかヘンテコな話だなあ。
「あなたが、今想いをよせてる人に
告白しないのは、なぜ?」
「え、いや、あの人は
まだ本当に好きかどうかは...」
「そうね、好きって分かってしまったら
告白するしかないものね」
後悔はなしよ、と笑いながらおばあちゃんは、
台所に行ってしまった。
分からないのではなく、
分かりたくない。
分からないでいる方が、ずっと安全なの。
おばあちゃんの言葉が、おへそに響く。
僕は、一気にカボチャジュースを飲みほした。
「そうか、僕は分かっているんだな」
今日の問答は、こちら。分からないふりを、していませんか?