25日マチネ観劇してきました。
まーじーでー!素晴らしかったのなんのって。
実は、前に25周年ロンドン公演を映像で見てまして、そのあまりの救いようの無さに、二度と見たくないとまで思ったのです。
そしたら今回、相方がどーーしても見たいというので付き合いでチケットを取ったのですが、公演が進むにつれ高まる評判。
現金なことにこちらの期待も徐々に膨らみ、勇んで劇場に足を運びましたが、もう最高でした!
以下、ネタバレ含みます。
メインキャストはエンジニア駒田一、キム屋比久知奈、クリスはチョ・サンウン、エレン知念里奈などなど。
ちなみにエレンは元花組トップ娘役の仙名彩世もキャストの一人。彼女のバージョンも見たかったな。
何と言っても映像で見たときはよく分からなかった、舞台セットの作り込みが素晴らしい。
まず歓楽街の裏通りがリアルで立体的。これでもかというくらいに現実的で悲惨なストーリーを支えていたと思います。
実物大のヘリコプターが上下してキャストがそこに乗り込むんですよ〜、映像処理じゃないとこが凄い。
豪華なキャデラックのボンネットや劇場の壁面を美しい照明が飾ったり、リアル感だけでなく夢のような演出まで見せてくれてとにかく手が込んでる。
一糸乱れぬ群舞やコーラスの圧も凄くてメインからアンサンブルまで精鋭揃い。
名曲「世界が終わる夜のように」キムとクリスのハーモニーが美しく見事にサウンズしていて自然と涙が…。
戦火に家も家族も失い歓楽街に身を落とした少女キムと関係し、愛を確かめ合ったものの、サイゴン陥落に巻き込まれ止むなくキムを置いて帰国、キムが自分の子を宿した事も知らず、母国でエレンと結婚した米兵クリスについて初見では酷い!最低!といい印象まるで無かったのに、切ない生歌にやられて責める気になれなかったのが不思議。
あとこれは日本公演最大のネック、全てアジア人で演じられているので、ストーリーを知らない人が見たらアメリカ人とベトナム人の区別が付きにくく分かりにくかったと思います。
これいろんなトコで言われてるね。
いや、クリス金髪ウィッグでも被ってみたら?とか思ってしまった。
キムの屋比久ちゃんは透明感のある歌声が役にマッチしてて文句なし!でした。
クリスのサンウンさんは随分マッチョでなかなか白人らしいシルエット。
トリプルキャストの中でも一番ムキムキなのでキムとの体格差が大きくて、区別付きにくいと言っといてなんだけどまだ分かりやすい方だったんじゃないかなぁ。
クリスらしい甘い歌声が素敵でした。
エンジニアの駒田さんは、振り切れたやさぐれ感の裏に見え隠れする彼の悲哀を存分に醸し出してました。
エンジニアってこんな繊細で多面性のあるキャラクターだったのですね。
国内最高峰のキャストと呼び声の高い本作でしたが、噂に違わぬ傑作ミュージカル。自分の中で忘れられない一作になりました。
ベトナム戦争に翻弄される人々の苦悩を真正面から描かれた(悲しいことに)いつの時代も再演されるに相応しい作品。
このコロナ禍に本当に見れてよかった!
ツアーは11月まで続くそうですが、今作に関わるとても幸福なキャスト始め関係者の皆さまの健康を心よりお祈り致します。