8月の読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:7321
ナイス数:531
サイレントシンガーの感想
内気な人の会が集まっているアカシアの野辺で、雑用の仕事を担うリリカと祖母。リリカはいろいろな歌の仕事を受けるが、リリカという存在を消した歌声を求められる。小川さんならではの静けさを感じられる作品。存在感をアピールしない人や生物があること、でもそこには確実に息づかいがあることが伝わってくる。
読了日:08月01日 著者:小川 洋子
泣きたい午後のご褒美 (ポプラ文庫 ん 1-19)の感想
喫茶店をテーマにたアンソロジー。6編収録。喫茶店で聞いた話からの謎解き、というのが被っていた。朱野帰子「痛い人生を作る、ルノワールで」が全然違う方向性で面白くて好み。
読了日:08月03日 著者:青山 美智子,朱野 帰子,斎藤 千輪,竹岡 葉月,織守 きょうや
温泉小説の感想
温泉旅行をテーマにした短編集。6編収録。ストーリーとしては「女友達の作り方」が好きだった。「おやつはいつだって」に登場するトラピストクッキーを食べたくなった。
読了日:08月05日 著者:朝比奈あすか
給水塔から見た虹はの感想
中学生の桐乃と、クラスメートでベトナム人のヒュウ。桐乃は外国人の支援に奔走する母を疎ましく思っているが、ヒュウを通じて日本で暮らす外国人のことを少しずつ理解していく。国籍だけではなくいろいろな差別はあるかと思うが、それをなくすためには実際にその人たちと触れ合って理解することが1番なんだろうと思う。中学生という設定も含めて、読んでよかった作品。
読了日:08月07日 著者:窪 美澄
携帯遺産の感想
芥川賞受賞作『ゲーテはすべてを言った』は難しかったが、もう1作読んでみようと手にした。結果的にはこちらの方が面白いと感じた。作家の按と編集者、家族らと言葉についてのやりとりを続けるのがメイン。携帯遺産=鍵付き手帖からきていて、按にとっては、持ち運び可能な財産であり、小説である。
読了日:08月08日 著者:鈴木 結生
中山七里 短いお話ほぼ全部 短編&掌編&エッセイほぼ全仕事! (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)の感想
たくさんの作品を生み出している著者の短編や掌編、エッセイを集めたもの。ボリュームたっぷり。事実をストレートに、皮肉たっぷりに書くところが好き。「論理的な考えというのは人間のマイナス面をデータに取り入れるから、どうしても悲観的な結論を導きやすい。もっとはっきり言ってしまえば、楽観的な見方というのはどこかの為政者が口にする〈百年安心年金〉と同じで、正確なデータもクソもない、ただの希望的観測にしか過ぎない」。
読了日:08月08日 著者:中山 七里
老人初心者のたくらみ (中公文庫 あ 60-6)の感想
『ないものねだるな』改題文庫化。『婦人公論』の連載で、2019年9月から2021年7月に掲載されたもので、コロナ禍の前と後の様子が思い出される。でも、悲観的にならないのが阿川さんのエッセイの良いところ。阿川さんのお母様が亡くなられた時期でもあり、ご実家の片付けが大変そうだなと思った。
読了日:08月09日 著者:阿川 佐和子
立ち読みの歴史 (ハヤカワ新書)の感想
立ち読み文化がいつどのように生まれたのかを追った研究。本屋の店員が立ち読みの客をハタキで追い払う…という図も、今の若い人にはピンとこないのだろうな。参考文献の追い方として、なかなか出てこない時に、セットで使われやすい言葉を探すという方法(今回なら、立ち読みに関する文献が見つからないので、万引きに関する文献もあわせて探す)が参考になった。
読了日:08月10日 著者:小林 昌樹
リボンちゃんの感想
頭にリボンをつけている百花。なんとなく12年働き続けているお店の仕事をもちながら、伯母の加代子が営むテーラーの手伝いを始める。個々の身体も心もそれぞれであるということを肯定してくれる安心感が寺地さんの作品だなと思う。オーダーが基本の下着ショップを営むマリエさんと百花のやりとりが印象に残った。百花が「下着ひとつで(※人生を)魔法のように変えられちゃ困ります。〜ここに傷があるな、とか、ほころびがあるな、とか、いろいろ思いながらも大事にしてきたつもりなんです。わたしは、わたしの人生を。」
読了日:08月11日 著者:寺地 はるな
運命の終いの感想
20歳でデキ婚した彩香。相手は高校時代の先生で、卒業後から付き合い始めた。その相手は彩香が30代のうちに亡くなる。娘は離れて北海道の大学に通い、ひとりで花屋のパート勤めをするなかで出会った大地。程よい距離感を保つというルールで付き合い始めるが…。かなりイレギュラーとされるであろう彩香の生き方。結 出会ったときは運命のように思っても、実際には最初の期待通りにいくことは少ないだろうなと当たり前のような感想をもって読了。
読了日:08月12日 著者:奥田 亜希子
なみまの わるい食べものの感想
わるたべ第4弾。岩手の「空飛ぶだんご」、実際に見てみたい!うっとりするくらいの新鮮で美味しい芹(銀座三越地下で販売されている)も気になる。芹三昧できたら楽しそう。
読了日:08月12日 著者:千早 茜
冬の子 ジャック・ケッチャム短篇傑作選 (海外文庫)の感想
ホラー小説集。19編収録。後半はだれてきて、流し読みになってしまった。ブラム・ストーカー賞受賞作「箱」はかなりぞぞっとした(「行方知れず」も同賞受賞作)。
読了日:08月14日 著者:ジャック・ケッチャム
情熱の感想
6編収録。大人の恋愛がテーマとなるが、タイトル作もこのタイトルにもあんまりピンとこない。情熱というよりはもうちょっと温度感が低いような。「ひも」、「らっきょうとクロッカス」が好み。
読了日:08月14日 著者:桜木 紫乃
小泉文夫著作選集(1) 人はなぜ歌をうたうのか (小泉文夫著作選集 1)の感想
『脳は耳で感動する』(久石 譲、養老 孟司)で触れられていたことをきっかけに手にした。民族音楽学について研究が興味深い。楽器や歌の使われる場面など文化によっての違いがみえる。社会的な束縛が強い社会は打楽器より弦楽器が主となるというのはなるほど。スリランカのヴェッタ族は皆で気持ちを分かち合う時に歌を歌っても、歌を合わせるということはしないが、人間は音程や拍子を揃える必要はなく、一緒に歌うということに意味があると見出したエピソードもいいなと思った。→
読了日:08月16日 著者:小泉 文夫
























































