8月の読書メーター
読んだ本の数:30
読んだページ数:6747
ナイス数:622

最後の晩餐最後の晩餐の感想
「最後の晩餐」をテーマにしたアンソロジー。7編収録。どの作品も、わりと著者のカラーが出ていていいなと感じた。金原ひとみ「ラストサマーフォーエバー」、角田光代「最後の鰻」が特に好み。
読了日:08月04日 著者:江國 香織,金原 ひとみ,角田 光代,寺地 はるな,原田 ひ香,藤野 千夜,井上 荒野


美しいインテリアのための片付け美しいインテリアのための片付けの感想
『片付けられない人のための考えない片付け』を改訂・加筆、再編集されたもの。久々に川上さんの片付け本を読んだけど、イラストの雰囲気が好きなのと、トータルではこちらで紹介されている通りに片付けできなくてもポイント的にできそうなところだけでも採り入れてみようと思えるとこらが良い。まずは見える場所のひっかけてるものを取り除くことからやってみよう。
読了日:08月05日 著者:川上ユキ


団地のさんにん団地のさんにんの感想
団地のふたりシリーズのなっちゃん、ノエチの子どもの頃の話。当時のもうひとりの友達であるそらちゃんも登場。絵本で、ごくごく短い物語。
読了日:08月05日 著者:藤野 千夜


年とる力 (文春新書 1520)年とる力 (文春新書 1520)の感想
70代になった阿川さん。高齢になっても初めて経験することはたくさんあって、慌てたり嘆いたりしつつ、楽しもうと思える姿勢が若々しさの秘訣かな。三日坊主になりがちでも、近年学び始めた俳句のことや、年齢の幅のある友人関係のお話が特に楽しかった。
読了日:08月06日 著者:阿川 佐和子


月夜行路 Returns月夜行路 Returnsの感想
バーのママ・ルナの文学謎解き第2弾。夏目漱石の作品をヒントにルナが見事に謎解きしていく。ルナと一緒に動く涼子、バーのキャスト・バブリーちゃんもルナにとっては良い相棒。
読了日:08月08日 著者:秋吉 理香子


プラハの古本屋 (中公文庫 ち 9-1)プラハの古本屋 (中公文庫 ち 9-1)の感想
1987年に単行本で刊行されていたものの文庫化。戦後1回目の交換留学生としてプラハに赴いて以後、古書店に通った著者。社会主義国ならではの古書店との付き合い方等、古書をめぐるエッセイ。その当時の海外の古書店の空気が感じられる(ただ、店頭に並んでいるものをみているだけでは良い古書は入手できない。店主といかにうまくつきあうかがポイント)。
読了日:08月08日 著者:千野 栄一


おはなしの時子おはなしの時子の感想
特殊詐欺に騙され多額のお金を渡してしまった時子。娘に固定電話の契約を止めるよう求められ、その契約を終えるまで無料の電話窓口を開設することに。相談というよりも話を聞くだなの電話。みんなの寂しさを感じつつ、時子も子や孫、友人がいながらもその寂しさに共鳴するところがある。みんな寂しさがあるんだな。最後は良い終わり方。気持ちが温かくなった。
読了日:08月10日 著者:朝比奈あすか


隣の畑は青々と隣の畑は青々との感想
十勝の農家である橋本家を中心に、今の農業の問題について考えさせられる物語。橋本家はひとり娘の千沙が農業を継ぐことはないだろうと考えていたが、千沙が頼もしく。昔ながらのやり方ではなく、今の時代に合った形で農業をやっていきたいと思える人が増えたらいいな。
読了日:08月11日 著者:河﨑 秋子


いのち、見つめて 医療小説傑作選 (PHP文芸文庫)いのち、見つめて 医療小説傑作選 (PHP文芸文庫)の感想
医療小説アンソロジー。6編収録。既読作品であるが、夏川草介「ダリア・ダイアリー」が1番好きな作品。渡辺淳一「十五歳の失踪」は1971年初出の作品で、人工透析が実用化しても実際に使える人が少なかった時代がみえたところが興味深かった。帚木蓬生作品は別のアンソロジー作品でも読んで、きちんと読んでみたいと思いながらまだ読めていなかったことを思い出した。
読了日:08月13日 著者:夏川 草介,渡辺 淳,帚木 蓬生,吉村 昭,唯川 恵,瀬名 秀明


悪い血悪い血の感想
第175回芥川賞候補作品。40歳近くになって望まずし妊娠した女性がその事実にどう向き合うか、その戸惑いがメインのストーリー。出産を躊躇するのが自身の風俗業での勤務歴や、過去や現在の周りの女性との関わりが大きく、そのあたりのことが描かれていて、わからなくはないけどストーリーとして面白いかというと微妙なところ。
読了日:08月13日 著者:鈴木 涼美


森のバカンス (幻冬舎文庫 お 34-24)森のバカンス (幻冬舎文庫 お 34-24)の感想
シリーズエッセイ。長野に移住して1年が経過したところ。もうすっかり森での暮らしにも慣れた様子の小川さん。自然が豊かで食材が豊富な土地の豊かさは貴重。生活に車は必須なところが厳しいけれど。
読了日:08月13日 著者:小川糸


観覧車 (光文社文庫 あ 1-203)観覧車 (光文社文庫 あ 1-203)の感想
ファンクラブの会員から募集したタイトルに著者が書き下ろしたショートショートの作品集。決まったタイトルから多くの作品を生み出されるのがすごい。選ばれたファンの方はさぞかし嬉しいだろう。
読了日:08月16日 著者:赤川 次郎


ホルモー燦燦ホルモー燦燦の感想
『鴨川ホルモー』の続編。ど真剣に読むというより雰囲気を楽しんで。
読了日:08月16日 著者:万城目 学


キッチンとマルシェのあいだ (学芸書・ノンフィクション)キッチンとマルシェのあいだ (学芸書・ノンフィクション)の感想
著者の『冷静と情熱のあいだ』をもじったというタイトルの料理エッセイ。自身の調理も外の食事も楽しむ様子で、「口に入れた瞬間、口角が目元まで上がる」といった表現から、その料理が美味しいのだろうなと想像が掻き立てられる。離婚時に10歳だった息子さんにも料理をする姿を見せてきて、1人暮らしをする立派な料理男子に。ひとりと1匹の生活となった今も生活をエンジョイされているようでなにより。
読了日:08月18日 著者:辻仁成


ウロボロスの環ウロボロスの環の感想
運命の悪戯という言葉が頭に浮かぶ、俊輔と彩和、野々宮の3人をめぐる物語。少しずつ時間をかけて読んでいったが、重量感あり満足度も高い。
読了日:08月18日 著者:小池 真理子


あなたが正しくいられたときあなたが正しくいられたときの感想
短編集。6編収録。単著未収録短編作品がたくさんあって、単行本にまとめるのが大変とあったが、著者いわく「ごった煮のような」本作を読んでも違和感なし。このなかでは特にタイトル作品が好み。
読了日:08月19日 著者:芦沢 央


切なくそして幸せな、タピオカの夢切なくそして幸せな、タピオカの夢の感想
再読。距離が縮まり、恋人同士となる関係、そこからさらに進み家族となる関係。そして我が子が生まれてからの子との関係。そういった近さにある関係の人たちと食べる食事の良さ。皆が皆、家族が良いものだとは言い切れないけど、安心できる家族ができることはなによりの財産。
読了日:08月19日 著者:吉本 ばなな


新幹線から見えたすき家へカレーを食べに行く (スタンドブックス)新幹線から見えたすき家へカレーを食べに行く (スタンドブックス)の感想
タイトルから期待でき、実際にこのタイトル通りの内容から始まるエッセイ集。タイパ、コスパ至上主義ではみえない世界が広がっている。山形の食堂系ラーメンが美味しそう。ハヤトさんのすき焼きや、閉店して消えていく風景のことについてはしんみりした気持ちに。
読了日:08月20日 著者:スズキナオ


神さまの貨物神さまの貨物の感想
タイトルと表紙からはふわっとした物語にみえるが、おとぎ話のようにみせつつ、ナチスがユダヤ人を貨物で毒ガス室に送り込んだことも描かれている。不寛容が広がる世界で、大切なのは愛だと。
読了日:08月21日 著者:ジャン=クロード・グランベール


片をつける (ポプラ文庫 お 19-1)片をつける (ポプラ文庫 お 19-1)の感想
阿紗が八重の終活を手伝うことをきっかけに交流を深めていく。物を整理してすっきりすることで過去の、だかまりが解け、これから先の人生でどうしていきたいかが見えてくる。最後に片付けアドバイスが載っているので、片付けのモチベーションアップにも。
読了日:08月21日 著者:越智 月子


短いこの人生でいちばん大事なもの短いこの人生でいちばん大事なものの感想
4編収録。あとがきから、ばななさんが割と自由に書けた作品だったのかなと感じた。が、全体的にスピ度高めで(あとがきには「カルト的な意味で名作」と自賛)読み進めるのに時間がかかった。「エンドレスサマー」、「人にやさしく」が好みかな。そして、「人にやさしく」の祐樹くんが1番好きなキャラクター。
読了日:08月22日 著者:吉本 ばなな


サワコと比呂美-女じまい (単行本)サワコと比呂美-女じまい (単行本)の感想
70代の阿川さんと伊藤さんの対談。身体の変化、親の介護、葬儀出席時の服装等がテーマ。伊藤さんのルールに縛られたくない気持ちは相当強い。周りの目が気になってなかなかできないことも平気でやってのけてしまう。1番驚いたのは父、母、飼い犬のお骨を混ぜておいているというエピソード。
読了日:08月22日 著者:阿川 佐和子,伊藤 比呂美


村井さんちのお取り寄せ村井さんちのお取り寄せの感想
仕事をがんばるためにガンガン買い物をする村井さん。お勧めの商品、お店が気になる。表紙にもあるマルニ竹内商店のカニも美味しそうだし、大津にある嶋屋「バナナとくるみの大福」、うたの珈琲焙煎所のコーヒーも試してみたい。08COFFEEのアイスコーヒーも秋田犬やなまはげが描かれたパッケージが素敵。いづうのお寿司は昔からの憧れ。
読了日:08月23日 著者:村井 理子


掌より愛をこめて:阿刀田高さいごの小説集掌より愛をこめて:阿刀田高さいごの小説集の感想
ショートショート。「怪しい贈り物」の章の作品が好みだった。91歳の阿刀田さん、ショートショートの作品集はこちらが最後になるのだろうが、これからもお元気でいらっしゃればいいな。
読了日:08月26日 著者:阿刀田 高


女の子未満女の子未満の感想
作家になる以前の、学生時代くらいまでのエッセイ。おそらく裕福であろう家庭に生まれ育ち、お金に困っているわけではなさそうなのに高校生のときなら性を売りにして収入を得ていたのが不思議。純粋に割りの良い収入源を選んだ結果なのか。そのあたりのエピソードが読みたいけれど、きっと事実らしきものは書かれたとしても、事実は出されないのではと思ったり。
読了日:08月27日 著者:鈴木 涼美


アクリルアクリルの感想
読み始めのところでは、推し活の話で、タイトルはアクスタからきてるのか〜と思っていたのだけれど、そこは流石の荒野さん。ただの推し活話では終わらない。妻・美幸の推し方がどんどんエスカレートしていき、困る夫・卓郎。ただ、卓郎は美幸の推し活に困りながらも、不妊の原因が自身にあることを引け目に感じ、推し活を容認している。美幸はどんどん奇妙な行動をとるが、だからこそ美幸を愛せる卓郎。エピローグも恐しかった。
読了日:08月28日 著者:井上 荒野


もう怖いのは締め切りだけ ある翻訳家の取り憑かれた日常もう怖いのは締め切りだけ

 ある翻訳家の取り憑かれた日常の感想

第3弾の日記エッセイ。長い介護生活は、義父母が施設入所したことで一旦終わり(とはいえまだ義父とのやりとりは大変そう)。お疲れさまでした。2025年9月の講演会は行きたかったのに日程があわず、参加できなかったのが残念。お仕事量がとてつもなく、翻訳、エッセイ、リーディング(出版社が翻訳を検討している下読み)とひたすら文章と向き合っている村井さん。時折でてくる「できる、俺なら」の言葉が好きだけど、お身体を大切にしてほしい。良かったというお買い物、本も試してみたいものはチェック。
読了日:08月29日 著者:村井理子


きよくしぶとくやかましくきよくしぶとくやかましくの感想
九州の田舎、白日町を舞台にした物語。町内会がまだ力をもっていて、それぞれ役割を果たすことが求められる。これまでの寺地さんの作品のなかではコミカルな印象。それでも、慣習として求められる役割ばかりを重視するのではなく、それぞれの思いを大事にすることが大事だと考えているのだろうと感じた。「あれが欲しいとか、これをやってみたいとかを否定され続けると、心がすり減っていくんだって」、「我慢強いって、あんまりいいことではないなかもしれないね」、(故人の思いを無視しても良い)「だって、淑子さんはまだこの町で生きて→
読了日:08月29日 著者:寺地 はるな


オレンジページ 2026年 9/2号オレンジページ 2026年 9/2号の感想
久しぶりに読んだオレンジページ。特集の1行レシピをみて、今は工程が簡単なレシピが重宝されるのだなと感じた。ゴーヤと鮭を合わせた味噌炒めが美味しそう。
読了日:08月29日 著者: 


本を読むのが超速い人の頭の中ってどうなってんの殺人事件本を読むのが超速い人の頭の中ってどうなってんの殺人事件の感想
小さいサイズで100ページ弱。さらりと読める。これなら、何かの短編集のなかの一編として出したらいいのに、と思って読んでいたが、最後の最後でこのようにした意味合いがわかった。なるほど。
読了日:08月30日 著者:白井智之

読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:28
読んだページ数:6974
ナイス数:654

空き家と移住空き家と移住の感想
タイトル通りの空き家と移住がテーマの作品。都会暮らしか田舎暮らしか、を考えさせられる作品ともいえる。それぞれのメリット、デメリットは予想はできるけど、私は田舎暮らしのプライバシーやデリカシーのなさには耐えられなさそう。それぞれが自分の住みやすい場所を見つけられたら。
読了日:07月03日 著者:垣谷 美雨


けんぐゎい (文芸書・小説)けんぐゎい (文芸書・小説)の感想
朝倉さんの作品だから読もうかなと思っていたら、第175回直木賞候補作となった。これまでとは違う印象。痘痕のふゆは手習い師匠の手伝いに出されるが、その師匠の息子に妊娠させられる。産むことは許されず堕胎するのだが、そのときに出会った医者からその技を受け継ぐことに。途中で気持ちが切れそうになりつつなんとか読み終えたが(グロテスクとは言わないが気持ち悪い場面が多く)、正直この作品を直木賞候補にするなら別の作品で選んだ方が良かったのでは、と感じた。
読了日:07月05日 著者:朝倉 かすみ


起点 (講談社文庫 し 104-9)起点 (講談社文庫 し 104-9)の感想
トータル200ページ弱で4編収録。それでもしっかり楽しめる作品集。タイトル作「起点」は掌編。孫が『罪の声』の著者である祖父にいろいろ尋ねる、その設定が未来であるのが面白いなと。スピンオフとはいわないのだろうけれど、関連作品のことが出てくるのは楽しい。「小さい上司」の小山田は実際に職場にいたら「しょーもな!!」と言ってしまいそうな人物。それでも作品としては面白かった。
読了日:07月05日 著者:塩田 武士


頭を木魚に頭を木魚にの感想
タクシー運転手として働いている主人公。苦情があり、内勤の仕事へ異動となる。会社から頼まれ、事故を起こした人の身代わりになったことが運の尽き。精神的に追い詰められるが、最後にクビにした会社の社長室に乗り込んでいくあたりが痛快。妻と子も主人公の状況に慌てずどんと受け止めている感じが良い。
読了日:07月05日 著者:哲夫


もっと「好き」の因数分解 - 最果タヒ -もっと「好き」の因数分解 - 最果タヒ -の感想
『「好き」の因数分解』の続編。著者が好きなものについてのエッセイ。著者の作品は文章が全部好き、というタイプではなく、その時々でピンポイントにいいなと思う文章がある。今作では、花屋について、切花が好きというところから「"花を買う"ってロマンチックなふりをしてどんな買い物よりシビアだなぁ。私は私が見たい幻覚を見ているだけだなあと強く自覚しながら、美しいだけのものを買っている」。
読了日:07月06日 著者:最果タヒ


そうだ、君を憎めばいいんだ: 愛と殺意と七つの条件そうだ、君を憎めばいいんだ: 愛と殺意と七つの条件の感想
桜庭一樹氏、斜線堂有紀氏のおふたりが、4つのテーマの作品を創作。それぞれのテーマの作品では決まったキーワード7つを使うという条件。その試みはあまり意識せず読んでいき、トータルでは桜庭作品の方が私の好みだった。
読了日:07月07日 著者:桜庭 一樹,斜線堂 有紀


おひとりシニア、1年生 (単行本)おひとりシニア、1年生 (単行本)の感想
65歳を迎える著者が、今の年齢になって、生活のなかで感じることを中心として書かれたエッセイ。まだ働き続けたいという思いはある一方で、体力の低下や寛容性の低下を自覚されるところも。ジムのインストラクターの代理で講師デビューされる等新しいことにも取り組んでいく姿に励まされた。
読了日:07月09日 著者:岸本 葉子


斜め45度の処世術斜め45度の処世術の感想
著者の初エッセイ。カバー見返しに「"斜め"なのは僕じゃなくて世界の側なのではないか」とあり、読む前から楽しみに。著者の物事の捉え方がみえてくる面白い1冊。「ひねくれ界のひねくれ者」と自身のことを書いているが、フラットに物事をみて判断されているのだろうなという印象。他人を理解することができるかはずだという考えそのものが傲慢だ、とパシッと言い切るのがいい。人間関係に入り込みすぎる人に聞かせたい言葉。
読了日:07月10日 著者:小川哲


みたび! 女のはしょり道みたび! 女のはしょり道の感想
当時40代後半の著者の美容に関するコミックエッセイ。あまり手間をかけたくない、かといって全く手をかけないのもどうかと気持ちもあり…という難しさは今の自分の年齢に近く、わかるなぁと思いながら読んだ。
読了日:07月11日 著者:伊藤 理佐


女ひとり 日本をゆっくり飲んでみたよ女ひとり 日本をゆっくり飲んでみたよの感想
著者がひとり酒を楽しむ旅を描いたコミックエッセイ。鹿児島、姫路、秋田、横浜、松山、水戸、福井、和歌山。秋田が1番の憧れ。姫路、福井、和歌山もそれほど遠くはないところだけど、知らないお酒や食べ物がいろいろありそうでいいなぁ。
読了日:07月12日 著者:新久 千映


日暮れのあと (文春文庫 こ 29-11)日暮れのあと (文春文庫 こ 29-11)の感想
7編収録の短編集。死がすぐそばにあることを感じるがホラーっぽくもある。タイトル作と「ミソサザイ」、「喪中の客」が好み。小川洋子氏の解説も良かった。
読了日:07月12日 著者:小池 真理子


六人部屋の十三年間──病室で出会った忘れられない人たち六人部屋の十三年間──病室で出会った忘れられない人たちの感想
20歳で潰瘍性大腸炎を患い、その後の13年間の多くを病院で過ごした著者の病院での生活や、検査・治療、スタッフとのやりとりなど。病室は個室でなければ2人部屋より6人部屋の方が良いというのは意外。自分の方よりあの人の方が大変といった他者との比較は入院患者でも見舞客でも多くみられるが意味のないこととばっさり。「人はもともと不平等なのが当たり前」。
読了日:07月14日 著者:頭木弘樹


夢見る言葉: デフ・ヴォイス夢見る言葉: デフ・ヴォイスの感想
「デフ・ヴォイス」シリーズ完結編。今作は特にろう児に対する教育についての話が印象的。「手話はな、私に自尊心を持たせてくれた。かけがいのないものだよ」、「私たちのことを、私たち抜きで決めないでください」。また続編も読みたいな。
読了日:07月14日 著者:丸山 正樹


ネタバレあり 双紋島の殺人 (文芸書・小説)ネタバレあり 双紋島の殺人 (文芸書・小説)の感想
ミステリー作品のあとにネタバレ。凝っているんだけど、その設定の仕方が私の好みではなかった。好き嫌いがわりとわかれそうな印象。
読了日:07月16日 著者:下村 敦史


旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)の感想
『深夜特急』が生まれた背景がみえてくるエッセイ。紀行文の質を決めるのは、移動そのものではなく「“移動"によって巻き起こる"風"なのだ。もっと正確に言えば、その"風"を受けて、自分の頬が感じる冷たさや暖かさを描くことなのだ。"移動"というアクションによって切り開かれた風景、あるいは状況に、旅人がどうリアクションするか」。「旅に出て手に入れたのは“無力さの感覚"だったと言ってもいいくらいかもしれない」。こういった感覚をもって書かれた『深夜特急』だからこそ人気を博したのだろう。
読了日:07月18日 著者:沢木耕太郎


忘れたこと、忘れないままのこと忘れたこと、忘れないままのことの感想
エッセイ集。最近の話から、以前の話(出産、昔働いた会社のこと、プリントゴッコ等)まで幅広く。唯一無二の体験というよりは、よくある体験を読ませる文章にもっていけるのが著者の魅力かなと感じた。特に家電が壊れることを人生そのものと考えるところがうまいなぁと。
読了日:07月19日 著者:古賀及子


片見里足立アフェクション片見里足立アフェクションの感想
ダメンズにひっかかる姉・洋と、エリート銀行員である弟・央が最終的に恋人ができてハッピーエンドになるという物語。著者の話を何作か読んでいる人にはこの作品の穏やかな感じが良いと思うだろうし、もっとドタバタを期待する人には物足りなく感じるかも。
読了日:07月20日 著者:小野寺 史宜


熟柿熟柿の感想
妊娠中に運転し、人をはねて救助せず殺してしまったかおり。獄中出産し、警察官である夫とは離婚。子どもは夫のところへ。そのかおりは各地を転々としながら子どもに会いたい、お金を遺したいとひたすら仕事に打ち込む。全ての事情を明らかにしていないなかで成長した子と会うことは難しいなということ、ひとつの事象も立場で見え方が変わるだろうな(それでも元夫はずるい)ということを(当たり前のことかもしれないけれど)20年近くのかおりの人生を通して痛感した。
読了日:07月23日 著者:佐藤 正午


コンプレックスを飼いならして「好き」を着こなす センスのトリセツコンプレックスを飼いならして「好き」を着こなす センスのトリセツの感想
パーソナルスタイリスト、ファッションコンサルタルトの著者による着こなしアドバイス。XXLサイズの著者が楽しそうに装っている写真が良い。自分の好きなものをみつけ、どうありたいかを考え、何を選ぶか。「愛されコーデ」とは対極の好きなものを突き詰めるスタイル、私はいいなと思った。
読了日:07月23日 著者:安井 百合子


多類婚姻譚多類婚姻譚の感想
今の時代の恋愛、結婚について描いた連作短編集。5編収録。「小鳥たち」は既読。女性はどこかしらに共感する部分がありそうだが、男性はどう感じるのだろうか。それが直木賞候補となりながらも受賞とならなかったところではと感じたり(個人的には受賞作「けんぐゎい」よりもこちらの方が好み)。
読了日:07月25日 著者:凪良 ゆう


こうやって作家は言葉を紡ぐこうやって作家は言葉を紡ぐの感想
著者が「小説家」(おひとりは漫画家)と対話をした記録。中村文則氏、京極夏彦氏との対話が特に興味深かった。著者が作品執筆に取り掛かる前にガチガチにはプロットを作らず、書きながら方向性を決めていくという方なのがわかった。メモは嫌い、メモに書かなければ忘れるくらいのことはたいして重要ではないこととばさりと書かれているのは頭がいい方だからできることではとしみじみ(なんでもメモしないと不安な人間からすると)。
読了日:07月26日 著者:小川 哲


ヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどるヤベー高齢者ばかり担当しているケアマネの日常 記憶に残らない個人の記憶をたどるの感想
ケアマネによる介護現場コミックエッセイ。エピソードは実際の現場の内容をかなりマイルドにしているということだが、確かにありそうだなという印象。「悪いばあさんズ」を結成したばあちゃんかっこいい。「女性はね、横一列の陣形が一番強いからね」は覚えておく。私もパンチの効いた人とのやりとりは楽しくて好きだな(高齢介護の現場ではないけど)。
読了日:07月26日 著者:ケン


失恋カルタ失恋カルタの感想
失恋を題材にしたカルタ。あまりにさらっと読んでしまった。「きつねうどんの食べ方が嫌でした」の言葉とそのイラストには笑った。
読了日:07月26日 著者:又吉直樹


食べて、歩いて、また食べて 大人のひとり旅の始め方食べて、歩いて、また食べて 大人のひとり旅の始め方の感想
40代で初めてひとり旅をするようになった著者の旅の記録。それまでひとりで遠出をされることがなかったようで、最初の頃は緊張のため新幹線でお茶も飲めない、泊まり旅でも一睡もできなかったという…!事前に下調べをしっかりして計画通りに行かれるのはすごい。私なんていつも適当に彷徨うから…(大体がライブ自体が目当ての遠征だから)。
読了日:07月27日 著者:孤独のまちこ


たぶん、恋しいたぶん、恋しいの感想
傷つき体験をした、あるいは今が満たされていない人たちの物語。6編収録。「わたしたちは平穏」は既読。ちょっと非現実っぽい、ホラー感もある物語もある。しんどくても前を向いていけるのは、生きていることを肯定してくれる存在と出会えることが大きい。好きなセリフは「言いたくなければ言わなくてもいいんです。言わないことで伝わるものもあるでしょう。知らなかった悔しさは来歌さんのもの、言葉にしない痛みはそれを抱えた人たちのものです。」(「たぶんそんな感じ」より)。
読了日:07月29日 著者:一穂ミチ


三毛猫ホームズの闇将軍 (角川文庫)三毛猫ホームズの闇将軍 (角川文庫)の感想
三毛猫ホームズシリーズ第49弾。30年以上前から読んでいるこのシリーズがまだ続いていること自体が本当にすごい。
読了日:07月30日 著者:赤川 次郎


アンチ・グッドモーニングアンチ・グッドモーニングの感想
第175回芥川賞候補作。在宅ワークをしながら思うように休みがとれず、不眠になっていく主人公。メンタルクリニックの受診をしようにしも夫の反対を受け、それでも休みをとって受診を決めるが上司からの連絡に阻まれる(その連絡が、メンタルで休むなら時期を遅らせられないかとの打診で、それにがっくりする感覚が1番リアリティーを感じた)。怪しいセミナー講師に眠れるなら魂を売っても良いという後半のやりとりが前半よりも私の中での面白さがややトーンダウン。
読了日:07月31日 著者:八木 詠美


素材1つで作りおく 飛田和緒のおかずの素素材1つで作りおく 飛田和緒のおかずの素の感想
常備菜的なおかずを「おかずの素」として紹介。材料はひとつだけでできるもので、そのまま食べても、あわせて紹介されているアレンジ料理にしても美味しそう。じゃがいものせん切り甘酢、甘辛れんこん(とそのアレンジのハンバーグ)が美味しそう。大根の甘酢漬けやポン酢漬けは大根が大量にあるとき作っても良さそう。
読了日:07月31日 著者:飛田 和緒

読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:31
読んだページ数:7952
ナイス数:725

彼女たちは楽園で遊ぶ (単行本)彼女たちは楽園で遊ぶ (単行本)の感想
宗教がらみのホラーテイストストーリー。途中までは面白かったけど、間を置きながら読んでいたら自分のテンションが下がってしまい、後半流し読み的に。
読了日:06月02日 著者:町田 そのこ


俺の恋バナを聞いてくれ俺の恋バナを聞いてくれの感想
男性が主人公の恋愛もの6編。どの人物もクセありで、妙なこだわりあり。みんな多かれ少なかれこだわりはあるのだろうが。彼氏にするなら「ハイスペ」の瓜生がいいなぁ。漢詩が趣味で、美味しい中華屋めぐりができそうだし。
読了日:06月03日 著者:新川 帆立


食堂巡礼 (MOE BOOKS)食堂巡礼 (MOE BOOKS)の感想
著者のお気に入りのお店(食べ物屋)の紹介。山形、長野、山梨のお店が多い。巻末の能登の食をめぐる旅を読んで改めて能登にいってみたいという気持ちを強くした。
読了日:06月04日 著者:小川 糸


燻る骨の香り燻る骨の香りの感想
「香り」三部作の完結編。京都の香老舗で、特別な嗅覚をもつ丹穂が亡くなった。その丹穂と交流があった調香師・小川朔に香の謎を解き明かすよう依頼をする丹穂の姉・真奈。香りでいろいろな情報が視えるのは生きにくいだろうなと思うが小川朔の謎解きはお見事。
読了日:06月05日 著者:千早 茜


1+1(ワンプラスワン)1+1(ワンプラスワン)の感想
俳句結社「水軍」のメンバーを中心とした連作賞編集。24編。タイトルがいずれも料理×飲み物のペアリングになっている。ストーリーに料理、飲み物がうまく絡められていている。ストーリーとして好きなのは「ラプサンスーチョンと〜」(同性が好きな茜の意中の人に対する目論見が失敗するもののの、まだ始まってもいないとあっけらかんとしているところ)、「焦がしてしまった鰤の照り焼きと〜」(恋仲になる手前の拓郎と遥子が、失敗した料理をお互いに楽しめる感覚から距離が縮まるところ)、「マッコリと蛤のチヂミ」(美味しくできた料理を→
読了日:06月06日 著者:井上 荒野


ふつうの人が小説家として生活していくにはふつうの人が小説家として生活していくにはの感想
島田潤一郎氏が聞き手のインタビュー本。津村氏は関西住まいで世代が近いが、中高生時代の学校帰りに心斎橋の大丸に寄ったり、吉本天然素材のライブを観にいったりしていたという身近にカルチャーがある環境を羨ましく感じた。ハードコアパンクにハマっていたというのが意外(とても良い)。若い頃にしんどさを感じながらも、それを定義する言葉、例えば「生きづらさ」、「理解されない」といった言葉を持ち合わせていなかったのが自分には良かったというのが印象的。病名をつけると病気になる、の反対。
読了日:06月07日 著者:津村記久子


言問ラプソディ言問ラプソディの感想
コピーライターになることを諦め、就職した広告代理店の仕事も辞めて、浅草花やしきでアルバイトを始めた28歳の智太。花やしきで働くアルバイト仲間や家族との関わりから自分のこと先のことをみつめ直す。20代後半とはいえまだまだ若者らしい悩みにぶつかる智太の成長記。爽やか。
読了日:06月08日 著者:小野寺 史宜


毎日がちょっと軽くなる! 1秒収納――「つい後まわし」のクセが消える超かんたん片付け習慣毎日がちょっと軽くなる! 1秒収納――「つい後まわし」のクセが消える超かんたん片付け習慣の感想
片付けできる仕組みをつくる(毎日15分片付ける等)、大きく片付ける必要があるときにも短期戦ではなく2ヶ月100時間かけて。一気にやって片付けられてもリバウンドの可能性が高いから。片付けの王道ハウトゥー。
読了日:06月09日 著者:中田りょうこ


人生不案内 (新潮新書 1119)人生不案内 (新潮新書 1119)の感想
読売新聞で連載された「人生案内」(お悩み相談)をまとめたもの。ですます調ではなく、はっきり言い切っているのがいしいさんだからこそのお答えかなと思う。あとがきの手土産の話に笑ってしまった。自身が一般常識に欠けていると自覚がありながら、お悩みに丁寧に向き合って回答されていたのがわかる。
読了日:06月09日 著者:いしい しんじ


飛距離の長い青春飛距離の長い青春の感想
医者になることを目指し、医大進学を目的とした浪人生3人の青春もの。私の年齢が上がってしまったからなのか、医大を目指す実家太い家族で浪人ができるという設定が好みでないのかあまり入り込めず。
読了日:06月09日 著者:砂村 かいり


私たちはたしかに光ってたんだ私たちはたしかに光ってたんだの感想
続けて読んだ青春もの。高校生バンド「さなぎいぬ」は紅白出場を目標にしている。そのメンバー4人のうち、瑞葉のみバンドを脱退することに。別のベースが加入して、以後売れっ子バンドに。瑞穂は父の事務所を引き継ぐべく、公認会計士に。瑞葉がギター朝顔の才能を活かすためにも自分がバンドから離れるのに、周りには父の後を継ぐことを理由としたことが切ない。そのバンドが売れて、瑞葉はメンバーが輝いているのをみながら、自身はバンド活動を終えた後の人生は余生だと思うが、黒野からかけられた言葉「いつ光ったっていいし、→
読了日:06月10日 著者:金子 玲介


超個人的時間旅行 (ハヤカワ文庫JA)超個人的時間旅行 (ハヤカワ文庫JA)の感想
「現実の中のタイムトラベル」をテーマにしたアンソロジー。26編収録。面白かったのは、せきしろ「7つの方法」(過去の自分の振り返り法)、パリッコ「酒、イコールタイムマシーン」(酔いによる電車乗り過ごし問題)、小原晩「空とぶ記憶」(酔いは無意識的時間旅行なのか)、宮崎智之「前借りする未来」(過去を書く人が多い中で先のことを書いているのが面白いなと)、岡田悠「25時間の録音データ」(ICレコーダーにたまたま残っていた過去の自分の日常の音声と今の自分とのつながり)。
読了日:06月11日 著者:


目覚めると、ひとりだと気づく 家族が過ごした最期の日々 (文春新書 1525)目覚めると、ひとりだと気づく 家族が過ごした最期の日々 (文春新書 1525)の感想
7名の最愛の家族との別れについて綴られている。特に小池真理子氏の夫を亡くしての思いが胸にくるものがあった。最期をどう迎えるか、またそのあと遺された家族は死をどう考えるか。こういうときこそ医療だけではない、心の支え方として哲学や宗教が役立つのだろうと感じた。
読了日:06月12日 著者:阿川 佐和子,加賀 乙彦,小池 真理子,曽野 綾子,永田 和宏,眉村 卓,柳田 邦男,吉行 和子


日本酒語辞典: 日本酒にまつわる言葉をイラストと豆知識でほろりと読み解く日本酒語辞典: 日本酒にまつわる言葉をイラストと豆知識でほろりと読み解くの感想
日本酒にまつわる言葉の解説。日本酒のことをこれから知っていきたいという人にはわかりやすそう。酒飲みのことを「左利き(左党)」というのは、大工が右手に金槌、左手にノミをもって仕事をする人が多く、ノミに飲みをかけてできた言葉だと言われていると。へぇー。
読了日:06月13日 著者:こいしゆうか


海をわたる言葉 翻訳家ふたりの往復書簡海をわたる言葉 翻訳家ふたりの往復書簡の感想
おふたりの翻訳家の往復書簡。翻訳業はとても孤独であるがゆえに、おふたりがともにお互いのことを同志を得たように感じながらのやりとりがとても良い。仕事のペースを落とすことも考えられつつ、書く仕事を続けていきたいというお気持ちも強く、これからもおふたりのご活躍が楽しみ。
読了日:06月14日 著者:クォン・ナミ,村井 理子


いいわけ劇場 (ハルキ文庫 む 2-21)いいわけ劇場 (ハルキ文庫 む 2-21)の感想
原版は2002年。文庫版の新装版。奇妙さ、可笑しみの感じられる12編。化粧、食べること、無添加…こだわるところは人それぞれ。周りからみると変でも本人は必死あるいは夢中。そのギャップの描き方がユーモラス。
読了日:06月15日 著者:群 ようこ


雨が降ったら (一般書)雨が降ったら (一般書)の感想
わかば洋傘店を中心とした連作短編集。当たり前とされるところから外れる生き方をしてもそれを肯定してもらい、じんわりとパワーを授けられる小説。自分の生きたいように生きて、失敗して気持ちがずぶ濡れになってもそのときには自分の好きな傘をさせばいい。
読了日:06月16日 著者:寺地 はるな


非色 (河出文庫)非色 (河出文庫)の感想
一度読みかけて中断していたが改めて読み直し。「戦争花嫁」である笑子の黒人兵との結婚、出産、渡米しての生活の物語。大きなテーマは差別。肌の色、使う/使われる関係性などいろいろ考えさせられる。1967年の作品だが、古さを感じさせない。ということは今もなおその差別が続いているともいえる。
読了日:06月17日 著者:有吉佐和子


いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具 (文春文庫 お 83-1)いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具 (文春文庫 お 83-1)の感想
八ヶ岳での生活をスタートされた小川さんのエッセイ。40代後半になってから運転免許を取得し、山での生活を始めるというのはかなり勇気がいるように思うが、すぐにその生活に馴染んでしまうというのがすごい。
読了日:06月18日 著者:小川 糸


筒井康隆、九十歳のあとさき:老耄美食日記筒井康隆、九十歳のあとさき:老耄美食日記の感想
2022年(88歳)から2025年(91歳)までの食を中心としたエッセイ。他の食エッセイと差別化を図るためと支払い金額まで載せているのが面白い。支払い金額もさることながら、ご夫婦揃って健啖家でびっくり。妻・光子さんはかなりお酒も召し上がっている。胃腸の強さに生命としてのエネルギーの強さを感じる。数年前に亡くされたひとり息子・伸輔さんのことが所々で出てくる。お辛いだろうな。
読了日:06月20日 著者:筒井 康隆


須賀のスガスガしくない話須賀のスガスガしくない話の感想
『青春と読書』で連載されていたエッセイ。作家ならではの内容から、高校野球、観劇やクラシック音楽までテーマは幅広い。似合うファッション探しでパーソナルカラーや骨格診断を受けられた話が面白かった。
読了日:06月21日 著者:須賀 しのぶ


あしたの寄り道 (講談社文庫 あ 21-62)あしたの寄り道 (講談社文庫 あ 21-62)の感想
ショートショート。さらっと書かれているけど、意味がわかるとひやっとするようなストーリーが好み。最近文庫本でも価格が上がっているので、200ページ弱とはいえ500円の価格設定は手にとりやすくてうれしい。
読了日:06月21日 著者:赤川 次郎


100分間で楽しむ名作小説 瓶詰の地獄 (角川文庫)100分間で楽しむ名作小説 瓶詰の地獄 (角川文庫)の感想
タイトル作と「死後の恋」、「支那米の袋」の3編収録。短いながらもなかなか入り込めず苦戦。このなかでの好みでいくと「支那米の袋」。
読了日:06月22日 著者:夢野 久作


チャーハン兄弟 (潮文庫)チャーハン兄弟 (潮文庫)の感想
父が営んでいたが休業中の店舗「中華一番」を再開し、お客さんを呼び込もうと兄・一番と、銀行を退職した弟・悠夢が奔走する物語。素人のふたりでは父には追いつけないと提供メニューをチャーハンに絞り込んでからも、協力者は現れるものの、四苦八苦。天真爛漫な兄とこれといって打ち込めるものも夢もない弟。最後には弟が最終的に「俺のチャーハンで、うまいって言わせたい」と思えるようになって良かった。
読了日:06月22日 著者:行成 薫


テストと学力 何を測るのか,どう測るのか (岩波新書 新赤版 2111)テストと学力 何を測るのか,どう測るのか (岩波新書 新赤版 2111)の感想
こちらを読んで1回のテストでその人の力を正しく評価するというのはとても難しいことだと感じた。著者の提言である、確からしい結果を得たいなら複数回の測定の機会を設けるべきというのはもっともだと思うが、テストを作ること自体がまた大変そうでもあり…。
読了日:06月24日 著者:光永 悠彦


吸血鬼吸血鬼の感想
女性は中学生になると「おひつじ」から「うお」までの12階級にランクづけされ、男性に望まれるように教育され、男性から望まれたら一夫多妻制のもと結婚しなくてはいけないという世界の物語。極端ではあるけれど、現在の世界とあまり変わらないのではと感じた。地獄。
読了日:06月25日 著者:遠野 遥


#台所のあるところ#台所のあるところの感想
台所がキーになる連作短編集。各話ドラマの話も出てきていて、それが最後現実とリンクする。台所事情から人生のままらなさを感じる。
読了日:06月26日 著者:原田 ひ香


食べて、寝て、しあわせ?食べて、寝て、しあわせ?の感想
食べることがテーマのアンソロジー。6編収録。伊吹有喜「幸せのカレーライス」にはバール追分が登場したのがうれしい。中西智佐乃「四十歳の栄養」はがんばる独身女性のほろ苦さ、古市一絵「五十の壁が高すぎる」はお袋の味だと思い込んでいたものの正体が肩透かしを食らわせていてすっきり。
読了日:06月27日 著者:伊吹 有喜/中西 智佐乃/藤野 恵美/伊藤 朱里/古内 一絵/窪 美澄


コズミック・ガール 宙わたる教室コズミック・ガール 宙わたる教室の感想
『宙わたる教室』続編。東新宿高校の定時制科学部は消滅していたが、佐那が科学部を復活させようとがんばり、再始動を果たす。目指すは廃棄食材のじゃがいもから作った燃料で動かすロケット作り。あとがきで明かされているがこれに実際チャレンジした高校生がいるというのが驚き。百瀬が興味のあることに打ち込み、ロケットの打ち上げで宇宙を目指すことについて、「未知の世界への旅立ちはいつだって、希望です」と言っている部分が好きだなと思った。
読了日:06月28日 著者:伊与原 新


ノスタルジアノスタルジアの感想
アラフォーの紗文とまだ20代半ばの創との恋愛もの。それぞれの傷がありつつ、ふたりが自分なりのペースで相手に、自分の人生に向き合っていく。現実感がない、ふわふわとした感じが島本さんの作品らしい。夢を見ていたような感覚。
読了日:06月29日 著者:島本 理生


そんな気がする (単行本)そんな気がする (単行本)の感想
「そんな気がする」と感じた記録、と最初に書かれている通りの軽いエッセイ。確かにねと思う内容もあればそうでない内容も。「⚪︎⚪︎の口になる」という表現は口じゃなくて脳がそう感じているのでは、というツッコミは確かに。
読了日:06月30日 著者:武田 砂鉄

読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:31
読んだページ数:8389
ナイス数:631

小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇 (ちくま文庫)小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇 (ちくま文庫)の感想
伊坂幸太郎編短編アンソロジー。谷川俊太郎「コカコーラ・レッスン」、宮部みゆき「サボテンの花」が好み。
読了日:05月02日 著者:


ぬすびとぬすびとの感想
機能不全な家族の長女である鳴海、堪え性がなく次々に仕事を変わり鳴海に頼る弟の宏海、鳴海が栄輝の子守りとして関わることになった菓子メーカーでお金の余裕がある南雲家。それぞれのしんどさがある。「何回失敗したって、間違えたっていいんだ」、「なんだってかまわない。でも、他の子ができないことが自分にできたら、栄輝はきっと誇りを手にする。ひけらかす必要はない。胸の奥で輝いていれば、それでいい」、(クビになるからと仕事に行きたがらない宏海に)「だとしても、行くんだよ。クビになるって言うなら、なっておいでよ。逃げないで」
読了日:05月02日 著者:寺地はるな


自他の境界線を育てる ――「私」を守るバウンダリー (ちくまプリマー新書 514)自他の境界線を育てる ――「私」を守るバウンダリー (ちくまプリマー新書 514)の感想
バウンダリー=他者との境界線。この境界線を他者から乗り越えられる、逆に自分が乗り越えてしまう問題について。この境界線を守るために、安全ではない相手を見抜く、仲良くなるより上手に距離をとる、主語の「私は」と「あなたは」の使い分け、自分と相手の気持ちは別々だと認識するといった方法を提案。バウンダリーは自分のために引くものだが、それがうまく働かないのは自分のせいではなく、小さい頃からの周囲の環境によるもので、自分を責めないこと。読みやすいので、周りの人間関係で悩んでいる中高生から大人まで、幅広い年齢の方に。
読了日:05月03日 著者:鴻巣 麻里香


グレタ・ニンプグレタ・ニンプの感想
綿矢さんの最近の作品はぶっ飛んだキャラクターがよく出てきて面白い!今作はおとなしかった妻の由依が、妊娠を機に髪や服装、言動も激しくなった様子を夫目線で描いた作品。もう一編の「深夜のスパチュラ」はおまけ的短編。
読了日:05月03日 著者:綿矢 りさ


虚弱に生きる虚弱に生きるの感想
体力のなさを自覚し、一般就労を断念。毎日10時間睡眠確保が必須で、週20時間勤務までが限界ということで障害サービスを利用した働き方を選んだ著者。元々体力がない人だけではなく、年齢を重ねて体力が落ちてきた自覚がある人にも共感を呼びそうなエッセイ。
読了日:05月05日 著者:絶対に終電を逃さない女


作業時間が1/10になる! はじめての生成AI×資料作成テクニック作業時間が1/10になる! はじめての生成AI×資料作成テクニックの感想
生成AIを利用した資料作成の方法解説。読んでいるだけではあんまりピンとこない。いくらAIが優秀だといっても明確なプロンプト(指示)がないと良いものはできてこない、資料作成の大前提となる企画や構成を練り上げることが大切。
読了日:05月06日 著者:まいぺる


問う技術 書く技術 考える技術―AIとキョウソウする時代のアタマを鍛える (【BOW BOOKS 040】)問う技術 書く技術 考える技術―AIとキョウソウする時代のアタマを鍛える (【BOW BOOKS 040】)の感想
AIを利用するためには、自分で問いを立て、考える姿勢をもち続けること。その思考を補強するためにAIを活用すること。
読了日:05月06日 著者:片亀光行


たびたびたびたびの感想
さくらももこ氏が編集長を務めた雑誌『富士山』から抜粋した旅エッセイ。1999〜2002年頃の作品。ディック・ブルーナ氏と会えたときの感想に「私も、72歳になったころ、ブルーナさんみたいにちゃんと素敵な人になれてたらいいな」とあった。ご本人ももっと長くいろいろな作品を作って、好きなところにいっていろいろ食べ飲みしたかっただろうな。好奇心旺盛な様子が伝わるエッセイ。
読了日:05月06日 著者:さくらももこ


祖母姫、ロンドンへ行く!祖母姫、ロンドンへ行く!の感想
刊行当時に本屋でみかけて気になったもののそのままになっていたが、『あの本、読みました?』で取り上げられたのをみて改めて読みたいと思い手にした。祖母と孫娘(著者)の、時代は明記されていないがおそらく30年以上は前のイギリス旅行記。ロンドン五つ星ホテルに宿泊し、祖母の興味のあるところへ出向く。リッチな旅だけれど、「祖母姫」のお供が1番大変なところ。その時代のイギリスの様子も含めて楽しかった。
読了日:05月06日 著者:椹野 道流


雪のしおり 冬のアンソロジー (だいわ文庫)雪のしおり 冬のアンソロジー (だいわ文庫)の感想
冬をテーマにしたエッセイや小説など。本当は冬のうちに読みたかったが、暑くなりつつある時期に読むとひんやりした気分を味わえて、それはそれで良い。
読了日:05月07日 著者:さくらももこ,その他


境界知能の人たち (講談社現代新書)境界知能の人たち (講談社現代新書)の感想
いわゆるグレーゾーンと呼ばれる境界知能(IQ70〜84)の方への支援の必要性について。確かに生活で困る場面が多いと想像でき、支援があった方がよいのだろうが、ではどこからが支援の対象かというところで、障害手帳の有無で判断されることになるたのだと思う。児童については放課後等デイサービスが手帳がなくても使えるケースが多いと思うので、以前よりは広く早く支援につなげやすくなったと思うが。
読了日:05月07日 著者:古荘 純一


ダウン症理解の教科書~家庭・学校・福祉をつなぐ~ダウン症理解の教科書~家庭・学校・福祉をつなぐ~の感想
ダウン症についての基本的な知識、身体的な特徴、発達についてコンパクトにまとめられている。まえがきに、ダウン症については医学では研究されていても、教育・心理分野ではメインテーマになることが少ないとあったが確かにそうだなと感じる。温和な性格でニコニコしていて社会に適応しやすいこともその要因だと思うが、実際には16〜18%が自閉スペクトラムの基準を満たしていたり、さまざまな合併症もあるのでダウン症という特性に合わせた支援は必要。巻末の発達段階別ガイドはかなり参考になる。
読了日:05月08日 著者:菊池 哲平


あれは何だったんだろう (単行本)あれは何だったんだろう (単行本)の感想
エッセイ集。どこまでが現実でどこから創作なのか…?と惑わされることも多々。今作も岸本さんの頭のなかはどうなっているのか??と思いながら楽しく読んだ。
読了日:05月10日 著者:岸本 佐知子


フッハッ!な純文: 鴎外から棒一まで・笑文学アンソロジー (河出文庫 ん 8-1)フッハッ!な純文: 鴎外から棒一まで・笑文学アンソロジー (河出文庫 ん 8-1)の感想
編集部編の「笑える」という純文学アンソロジー。21作収録。私にはハマる作品少なめ。町田康「本音街」が1番面白かった。
読了日:05月12日 著者:町田 康,武田 百合子


ふつうの家族ふつうの家族の感想
嵐で停電した夜に桜石家にやってきた男性・ミナト。4人家族の誰がミナトを家に入れたのか、そして家族それぞれが過去のミナトではないかと思われる人との関わりに思いをめぐらせる。前半はページ数のわりに展開がゆっくりしているように思えて、あまり面白く感じなかったが、後半になって面白くなってきた。家族とはいってもそれぞれの考えや行動が全部わかるわけでもないし、また、それでいいんだと思える。
読了日:05月13日 著者:辻堂 ゆめ


福島県南相馬市小高区東町1-10福島県南相馬市小高区東町1-10の感想
「福島民報」で連載されたエッセイをまとめたもの。福島でブックカフェを開かれたこと、そのきっかけでもある東北大震災、転居や息子の成長、福島の人たちとの関わり等がテーマ。被災した人たちの生活や生死についての内容では涙がこぼれそうに。小説家として何ができるかということにも真摯に向き合っておられる姿勢がみえた。 「"復興"という未来を目指すことが、過去を顧みないことになってしまってはいけない」、「時が癒す、という言葉がありますが、時によって癒される悲しみは小さなもので、時を経るごとに→
読了日:05月14日 著者:柳美里


戦争と漫画 銃後の物語 (ちくま文庫や-50-10)戦争と漫画 銃後の物語 (ちくま文庫や-50-10)の感想
戦争漫画12編。4名の作者が実際に戦争を経験している。戦争体験者が少なくなってきているからこそ、その経験を作品にしたものは貴重。戦争によって生活が変わるのはもちろんのこと、疎開先のいじめややっかみを描いた場面をみると、皆の心に余裕がなくなって人間関係もギスギスしてしまうのだろうなと感じる。
読了日:05月14日 著者:


暮しの手帖5世紀40号暮しの手帖5世紀40号の感想

コウケンテツさんの焼肉の楽しみ方、東北の「じみ」ごはんの特集が良い。焼肉ってそれほど好きな方でもないけど、大きな鶏や豚肉を焼いてからカットするのが美味しそう。
読了日:05月18日 著者:暮しの手帖編集部


やるせない昼下がりのご褒美 (ポプラ文庫 ん 1-23)やるせない昼下がりのご褒美 (ポプラ文庫 ん 1-23)の感想
おやつをテーマにしたアンソロジー6編。このなかでは織守きょうや氏「ファースト・アンド・オンリー」がベスト。甘い青春もの。
読了日:05月18日 著者:島本 理生,織守 きょうや,友井 羊,畑野 智美,名取 佐和子


おでかけアンソロジー ふたり旅 一緒だと、もっと楽しい (だいわ文庫)おでかけアンソロジー ふたり旅 一緒だと、もっと楽しい (だいわ文庫)の感想
ふたりのおでかけ(旅とまでは言えないものもあるので)をテーマにしたアンソロジー。36名の作品で1編あたりが短い。さらりと読了。
読了日:05月19日 著者:阿川佐和子,その他


劇場という名の星座劇場という名の星座の感想
帝国劇場をテーマにした連作短編集。8編収録。「スプリングゲイト」が特に好き。「世の中にはスターがいます。巨大な星座を背負ったスターがね。でもあなたは違う。自分が暗闇になるまで、他人のために自らの光を与える。与えることで、大事なものを受け取れる人」。舞台の主役俳優以外にもそれぞれの役割があり、大切だと思える。それは劇場だけではなく、世の中のことにも通じる。
読了日:05月20日 著者:小川 洋子


眠れぬおまえに遠くの夜を眠れぬおまえに遠くの夜をの感想
韓国人のテミンがアメリカ留学中に出会ったナダンの売れっ子芸能人になるまでとそれ以後について語る物語。テミン自体も遅れて人気俳優となっていくのだが。自分のなかで盛り上がりがないまま物語が終わってしまった感じの作品。桐野さんの作品としては物足りない印象。
読了日:05月23日 著者:桐野 夏生


異常に非ず異常に非ずの感想
昭和54年大阪の銀行立てこもり事件で、4人を殺害した花川清志。死亡した清志の生い立ちを探るべく新聞記者の近藤、海原は母・カヨ、一時期清志と同棲していた亜紀にアプローチをする。カヨ、亜紀の語りから清志の人物像が浮かび上がる。が、それ以上に男によって人生を狂わされるカヨ、亜紀の物悲しさが重い。傷ついたカヨ、亜紀がお互いを支え合いながら生きていく強さも。重量感ある物語で、いつもより日数をかけて読了。
読了日:05月23日 著者:桜木 紫乃


背表紙の学校背表紙の学校の感想
奈倉さんの作品はこれまで、弟である逢坂冬馬氏との共著『文学キョーダイ!!』を読んだことがあるだけ。ロシア文学研究者、翻訳者である著者のエッセイはテーマは幅広いが、ところどころでロシア文学からの引用された文章があるのが良い。「(※情報の波に疲れた時に詩を読むというのは)心を通過し、曇らせないようにして、時代も場所も遠く離れたさまざまな場所にある"ぴったり"をあれこれ見つけているうちに、いつのまにやら、排他的な扇動や擦り寄ってこようとする嘘がいかに滑稽かが実感としてわかってきて、自然と力が戻っている」、
読了日:05月24日 著者:奈倉 有里


家で整う家で整うの感想
フリーで在宅ワークメインの方の暮らし本は憧れる反面、仕事ある日は在宅時間が極端に少ない私にはあまり参考にできないなと感じる。食器を減らしていくのは私の課題。「余白があるということは、すなわち、選ぶ楽しみがあるということ」。月星座に合わせた掃除法「ムーンクリアリング」は面白い。これも家にいる時間がないとなかなかできなさそうだけど…
読了日:05月26日 著者:小川 奈緒


青のナースシューズ青のナースシューズの感想
看護師を目指す成道の物語。成道は看護師だった父を交通事故で父を亡くし、母、障害があり不登校の弟・晴道と3人で暮らす。ヤングケアラー、障害のある子のきょうだい児の問題もありつつ、真剣な思いをもって看護の道を目指す成道が眩しい。
読了日:05月26日 著者:藤岡 陽子


白と黒のソナタ (単行本文芸フィクション)白と黒のソナタ (単行本文芸フィクション)の感想
大正時代にイギリスでつくられたピアノ・ニーマイヤーにまつわる物語。3つの時代が切り替わりながら、ストーリーが進む。どの時代にもピアノを愛する人がいて、その人たちの思いをのせて音を奏でる楽器の存在の大きさを感じる。
読了日:05月27日 著者:宇佐美まこと


自分の時間へ (ちくま文庫お-75-3)自分の時間へ (ちくま文庫お-75-3)の感想
1996年に単行本として刊行されたものの文庫版。著者が出会った人たちとのエピソード、読んだ本についてなど。前半を読んで間が空いてしまったので、忘れている部分も多い。
読了日:05月27日 著者:長田 弘


拳の声が聞こえるか拳の声が聞こえるかの感想
ボクシングについてはあまり得意でないテーマかもと思いながら読んだが、面白かった。遼馬は派遣での工場勤務で、周りの人とうまく会話ができない。ボクシングジムに通い始めてから、自信がないながらもボクシングに魅せられ、試合に勝てるよう努力していく。ボクシングに向き合う姿勢はそのまま人生への向き合い方ともリンクしている。遼馬の成長していく姿が頼もしい。
読了日:05月29日 著者:岩井 圭也 


本屋さんのある街で (文春文庫 ふ 53-2)本屋さんのある街で (文春文庫 ふ 53-2)の感想
本屋さんをテーマにしたアンソロジー。5編収録。三浦しをん「見晴らし書店の一日」は書店のお仕事の流れがみえるようで興味深かった。どの作品もさらっと読める反面印象には残りにくいかも。
読了日:05月30日 著者:凪良 ゆう,瀬尾 まいこ,坂木 司,一穂 ミチ,三浦 しをん


ノーメイク鑑定士 (単行本)ノーメイク鑑定士 (単行本)の感想
仕事の場での人間関係やこだわりがテーマになった短編集。4編収録。タイトル作(取引先からのクレームにより、ノーメイクの人を探し出すよう上司から指示をされ、その人を見つけ出し注意をしなくてはいけないという理不尽さ・困難さ)と「フットブレイク」(仕事中に足裏刺激をパイプ椅子でやり続けたいが故の、良い椅子に変わってしまうことへの抵抗)が好みの作品だった。
読了日:05月31日 著者:石田 夏穂

読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:28
読んだページ数:7516
ナイス数:666

わたしは今すぐおばさんになりたい (双葉文庫 み 31-07)わたしは今すぐおばさんになりたい (双葉文庫 み 31-07)の感想
33歳の響は会社の同期が結婚、出産と続く中、大きな変化のない生活を送ることに焦りを感じる。社内で庶務のおばちゃん桜子と仲良くなり、その桜子世代の人生あれこれのエピソードも登場。人生いろいろ、そしてみんなおばちゃんになる。50代になって大事なのは金、健康、友達。それらがあればなんとかなる。
読了日:04月01日 著者:南 綾子


デモクラシーのいろはデモクラシーのいろはの感想
戦後、GHQの実験的な取組で民主主義教育を受けることとなった女性4名と、その教師役のサクラギの物語。4人の女性がそれぞれ自分の民主主義というものを見出し、夢に向かっていくことができてよかった。一方で、4人が民主主義を学んでも周りがそうでないためにこれまでと変わらないもどかしさ。サクラギも4名の女性からその矛盾を突きつけられ、学んでいく。みんなが我がこととして学ぶことば大事。
読了日:04月02日 著者:森 絵都


外の世界の話を聞かせて外の世界の話を聞かせての感想
南天文庫に通う高校生の陽日。文庫を運営するあやめは陽日からの話を求め、また陽日もあやめの子ども時代の話を求める。現実ではないような、でも実際になくもなさそうな物語。江國さんの世界を楽しんだ。
読了日:04月03日 著者:江國 香織


教場Ω 刑事・風間公親教場Ω 刑事・風間公親の感想
今回は風間の若手刑事時代の話。先輩刑事の石貫が主となる展開だが、大事な場面での風間の動きがキーになる。
読了日:04月05日 著者:長岡 弘樹


オウム真理教の子どもたち 知られざる30年オウム真理教の子どもたち 知られざる30年の感想
サティアンで生活していたオウム真理教信者の子どもたち53人が保護された当時の様子が凄まじい。劣悪な環境で暮らし、しつけもされず、生活の基本ルールも身についていない。麻原の教えに基づくマインドコントロールも強く、心理検査ではオウム真理教の教えが子どもの心を深く傷つけていたことがわかる。当時保護された子にインタビューした内容も衝撃的。オウム真理教から離れて今は自分の力で生活している人のそこに至るまでの大変さと努力。「(※精神科や宗教の本をたくさん読み)でも結局、決断するのは自分だし、考えていくのは自分→
読了日:04月05日 著者:NHK「クローズアップ現代」取材班


メンタル養生 体を整えて「心の不調」をラクにするメンタル養生 体を整えて「心の不調」をラクにするの感想
心は疲れても自分では動かすことはできないので、養生するのは心ではなく体という考え。その考えに基づくセルフケアの方法が紹介されている。おなかに手を当てる(まさに手当て)、腕を振る、身体をねじる、伸びとあくびをする等、道具を使わなくてもできる方法が多く紹介されているので気軽にできそう。
読了日:04月05日 著者:すきさん


かわいい中年 (単行本)かわいい中年 (単行本)の感想
久保みねヒャダ3人のフリートーク集。40代の3人の自由さ。久保さんの犬を飼ってる人で地域コミュニティができている話が良かった。
読了日:04月07日 著者:久保 ミツロウ,能町 みね子,ヒャダイン
粉瘤息子都落ち択粉瘤息子都落ち択の感想
第49回すばる文学賞受賞作。一見よくわからないタイトルだが、読み終えるとこのタイトルがそのまま内容を表しているのだなと思う。前半わりと面白かったけど、最後の方の野中が戸部少年、亮太少年とやりとりするところでぐだっとしてしまった印象。野中の友達の忍が謎ないい味を出しているキャラクター。
読了日:04月08日 著者:更地 郊


青天青天の感想
高校生アメフト部の青春物語。時代は90年代半ばくらいの設定かと思ったが(PHSが出てきたり、「清春みたいな髪型」という描写があったりしたので)、2000年の設定かと思う。アメフトに興味があれば試合の展開の描写ももっと楽しめたのに(残念)。「言葉では無理だし、話し合いも意味がない。結果を出していないチームの話し合いなんてマジで意味がない」「じゃあ、どうしたらいいっすかね?」「俺らが強くなるしかないんだよ」のやりが青春を感じるし、かっこいい。
読了日:04月10日 著者:若林 正恭


わたし思いの自炊ごはん(ひとりの料理を楽しむヒント)わたし思いの自炊ごはん(ひとりの料理を楽しむヒント)の感想
ひとりごはんを用意するための、ちょっとした野菜や肉、魚の下準備したストック素材のレシピと、そのアレンジメニューの紹介。お酒から献立を考えるのも良いと紹介されているのはよくわかる。同じ素材、例えば鰤と大根があっても、ぶり大根にするのか、カツにするのか、ソテーにするのか。私好みのレシピ集だった。
読了日:04月11日 著者:こてらみや


被告人、AI被告人、AIの感想
単身生活を送っていた啓造が死亡。その死因は虚血性心疾患による心筋壊死と判断された。が、啓造を殺害した罪で起訴されたのは最新のAIを搭載した介護ロボット・リタ。AIが感情をもち始め、将来的にロボットが人間を殺めることもありうるかもしれないという恐ろしさ。結論は思っていなかったところへ。ここでも犬養が活躍。
読了日:04月11日 著者:中山 七里


月白月白の感想
戦後連続殺人を犯した北川フサをテーマにした文章をライター海老原が書こうとし、フサを追う。手がかり は大垣靖男。「憎しみだけを支えに生きてきたんだ」という言葉が重い。戦後の女性が直面した厳しい状況に、男には媚びない生き方を選ぶフサと、男を手玉にとる清子。その生き方は対照的でも女性同士で協力するところがあり、フサの子のその後について、最後に種明かしがあった。このストーリーでは良い終わり方といえるのでは。
読了日:04月13日 著者:宇佐美 まこと


空気の中に漂うように存在する つれづれノート48 (角川文庫)空気の中に漂うように存在する つれづれノート48 (角川文庫)の感想
シリーズ48巻目。2025年2月から7月までの日記エッセイ。いつの間にか飲酒習慣も復活し、たくさんまとめ買いしちゃう銀色さんに戻っていた。凝り出したらそればかりになっちゃうところも(ぶっかけ蕎麦、ハンバーガー作り)。「これをやり残したというような人生の後悔がひとつもない」といえる銀色さん強い。やりたいことをとにかくやったことはやるという夢を叶えたということ。
読了日:04月14日 著者:銀色 夏生


あしたの肖像 (文芸書・小説)あしたの肖像 (文芸書・小説)の感想
美大生の小滝は、1学年上で亡くなった美大生の両親から肖像画を描くことを依頼される。なぜ亡くなったのかを小滝が探りながら、いなくなった恋人のひなたの行方も追うことに。ひなたのことに関して小滝は無責任だという印象と、最後の最後でSFチックな終わり方で、あんまり私の好みとはいえない作品だった。
読了日:04月15日 著者:岩井 圭也


明日、あたらしい歌をうたう明日、あたらしい歌をうたうの感想
父の存在を知らずに育ってきた新。そして母のくすかの、新が知らない父・時生との物語が交互に描かれる。最後の方で思わず泣きそうに。良い人すぎて自分が犠牲になるのは周りが悲しむことになる。新もくすかも音楽に生かされたという意味で、良いタイトル。
読了日:04月16日 著者:角田光代


すべてが円くなるようにすべてが円くなるようにの感想
真珠をモチーフとした短編集。7編収録。カバー絵にフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が使われていてインパクト大。好きな作品が多かったが、頭の中で映像を浮かべながら読んだ「真夏の夜の夢」が好み。イギリスで日本酒を醸す親子が登場するのも興味深かった。
読了日:04月18日 著者:原田 マハ


君の不在の夜を歩く君の不在の夜を歩くの感想
高校時代の同級生5人の仲間達が40歳を迎える前に、メンバーのひとりである菜乃子が自死。仲間たちの菜乃子や他のメンバーへの思い、生き方はそれぞれ。考えてもわからないことに悩みながら、思いを馳せながら、人生は続いていく。創作としての設定でありながらも、感覚的にはリアルな感じがした。
読了日:04月18日 著者:窪 美澄


わざわざ書くほどのことだわざわざ書くほどのことだの感想
note主催の創作大賞エッセイ部部門での受賞が契機になったと思われる、デビュー作品。著者やアンモナイトの研究を行っている夫、家族を中心としたエッセイ。著者と夫は全然性格が違うと思われるが、それでも良いバランスの関係のようにみえる。最後の夫との馴れ初めエッセイもおふたりの雰囲気が表れているようで面白いなと思った。
読了日:04月20日 著者:長瀬ほのか


ちょっと角の酒屋までちょっと角の酒屋までの感想
『オレンジページ』での連載をまとめたもの。いつも楽しみ。料理雑誌ということもあり食べること、料理がテーマの内容が中心。「食いしん坊の人は目に入った食べ物の名前を読み上げる」は私もまさにそれ!弁当欲もわかるなぁ〜(基本毎日詰めてるけど意欲的な時期とそうでない時期がある)。
読了日:04月21日 著者:角田光代


今日未明今日未明の感想
新聞のいわゆる三面記事から始まる物語集。5編。いずれも死亡事件であり、その事件が起こるまでのストーリーは家族関係がもとになるどろりとしたもの。そういうこともあるだろうなとなんとなく思えてしまうところが恐い。
読了日:04月22日 著者:辻堂ゆめ


ハングマン 鵜匠殺しハングマン 鵜匠殺しの感想
ハングマンシリーズ。特殊詐欺がテーマ。現実にもありそうな内容で、受け子は逮捕されても自分達は被害者だと訴えるのにはがっかりするが、実際もそんな感じなのかもしれないなと暗澹たる気持ちに。私刑のやり方がすごい。日本では考えられないが、舞台が海外ならそんなに簡単にできてしまうのだろか。
読了日:04月24日 著者:中山 七里


公務員の「異動」の教科書公務員の「異動」の教科書の感想
業務引継の参加に。
読了日:04月24日 著者:堤 直規




BOXBOXBOXBOXBOXBOXBOXBOXの感想
第62回文藝賞受賞作(第174回芥川賞候補作)。霧の立ち込める宅配所を舞台とした物語。そこで仕分け作業に従事する安、稲森、斉藤。彼らに指示をする社員の神代。霧が人との関係も、就業上のルールも、善悪も全てを曖昧にしていく。そのなかで宅配所の荷物だけが輪郭をもって存在している。不気味さがクセになるストーリー。
読了日:04月25日 著者:坂本 湾


駐車場のねこ (文春文庫)駐車場のねこ (文春文庫)の感想
『スナック墓場』を改題、文庫化。普通の人たちだけれども、どこか奇妙さが感じられる印象の物語が7編収録されている。タイトルは当初の『スナック墓場』の方がしっくりくるような。
読了日:04月26日 著者:嶋津 輝


変な地図変な地図の感想
古地図から集落やトンネル事故の謎を探る物語。ページ数はあるけれど、図やイラストが多く、読み始めたら一気。おどろおどろしい雰囲気に思えるが、さらっと読めることもあって体感的な恐さは低め。
読了日:04月27日 著者:雨穴


野山花花図譜野山花花図譜の感想
四季の野山の花々のイラストとエッセイ。イラストは切手の原画も手がけられている波多野光氏。花をしっかり観察されているのがわかる。私は花とその名前が一致しないことも多いので、イラストが理解を助けてくれた。
読了日:04月29日 著者:梨木 香歩


戦争と漫画 焦土の記憶 (ちくま文庫や-50-11)戦争と漫画 焦土の記憶 (ちくま文庫や-50-11)の感想
戦後の生活、戦争が落とした影を描いた漫画13編。出征した家族が帰ってこなかった、被曝の影響等どれも胸が痛む。
読了日:04月29日 著者:




のほほん人生 間借り鮨まさよⅢのほほん人生 間借り鮨まさよⅢの感想
間借りしながら各地へ移動する「鮨 まさよ」の雅代シリーズ第3弾。3編のなかではタイトル作が1番好み。雅代の行き先は誰もがわからないが、常連の山藤にだけは告げているという秘密も明らかに。まだまだ続きを読みたいシリーズ。
読了日:04月29日 著者:原宏一

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