大学4年間の行動経済学が10時間でざっと学べる大学4年間の行動経済学が10時間でざっと学べる感想
「10時間でざっと学べる」なのに、流し読みしたものだからあまり理解は進まなかった。直観で選ぶのではなく確率を考えること、確率は同じように思えてもサンプル数が少ないとブレが大きくなること、は分かってはいても冷静に考えられていないことがあるから改めて大事だなと心に留めた。
読了日:08月24日 著者:阿部 誠

わたしの知る花 (単行本)わたしの知る花 (単行本)感想
突如町に現れた公園で絵を描いている平さんの人生が明らかにされていく。自分に正直に生きること、人と人はすれ違うこともあるけどそれぞれ自分の人生を生ききることが大事だということだと思う。装丁がとてもかわいくて好み。
読了日:08月24日 著者:町田 そのこ

ある翻訳家の取り憑かれた日常ある翻訳家の取り憑かれた日常感想
おどろおどろしいタイトルの今作は著者の2023年中の日記エッセイ。間あいだに「原田とエイミー」という創作も挿入されている。双子の男子高校生を育て、義両親の介護もしながら翻訳の仕事(+他の文筆業、講演等)を進めていく様はとてもハード。メンタルクリニックや5年前の心疾患のフォロー通院の様子についても書かれている。本当にお身体を大切にしてほしい。
読了日:08月25日 著者:村井理子

月ぬ走いや、馬ぬ走い月ぬ走いや、馬ぬ走い感想
沖縄の戦前〜現在までの時代を生きた人たちが語り手となり次々と場面が変わる。私はくっきりと語りが切り替わった前半の方がまだ読みやすく、後になってこんがらがってしまった。第67回群像新人文学賞受賞作。
読了日:08月26日 著者:豊永 浩平

ミステリなスイーツ 甘い謎解きアンソロジー (双葉文庫 み 36-02)ミステリなスイーツ 甘い謎解きアンソロジー (双葉文庫 み 36-02)感想
スイーツをテーマにした5編収録のアンソロジー。坂木作品、柚木作品は既読だが、この2つの作品がやっぱり好きだなと改めて感じた。初めて読んだ3作品では、友井羊「チョコレートが出てこない」が好みだった。
読了日:08月27日 著者:坂木 司,友井 羊,畠中 恵,柚木 麻子,若竹 七海

別冊天然生活 つくりおき派も 朝ぱぱっと派も!お弁当づくりがラクに、楽しくなる みんなの定番弁当 (扶桑社ムック)別冊天然生活 つくりおき派も 朝ぱぱっと派も!お弁当づくりがラクに、楽しくなる みんなの定番弁当 (扶桑社ムック)感想
どれも美味しそうで、お弁当おかずとしてだけではなく、普段の食事でもとりいれたくなる。混ぜごはんはあまりしないけれど、良いヒントになった。
読了日:08月27日 著者:

宇治拾遺物語 (河出文庫 ま 17-5)宇治拾遺物語 (河出文庫 ま 17-5)感想
2015年に刊行された池澤夏樹編『日本霊異記/今昔物語/宇治拾遺物語/発心集』を当時読みたいと思いながら未読であった。そのなかでも特に読みたいと思っていた町田康訳の「宇治拾遺物語」が文庫化されたことは嬉しい。くだけすぎかなと思う部分もあるけれど、面白かった。
読了日:08月28日 著者:

Leaf2023年8.9月号Leaf2023年8.9月号感想
去年の夏の号を再読。しばらくご無沙汰な京都の街中居酒屋に行きたくなる。夏パフェやスイーツも美味しそう。
読了日:08月31日 著者:リーフパブリケーションズ

犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい(1) (ワイドKC)犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい(1) (ワイドKC)感想
犬と猫を一緒に飼うのって大変そうだなーと思うけど、それぞれの可愛さがあるんだろうなとも思う。犬くんは純粋にかわいく、猫さまは自分ペースで王様な感じが良い。続きも読みたいな。
読了日:08月31日 著者:松本 ひで吉

ひだりポケットの三日月ひだりポケットの三日月感想
外資系の化粧品会社での勤務歴があり、現在はNHK勤務の著者。パラリンピックのレポーターも務めたという(存じ上げなかった)。出生時から左手の指が2本という障害があり、性的マイノリティであることも公表している。私としては美容、恋愛関係のテーマより障害についての話題が関心のあるところ。子どもの頃に周りから不自由、障害という言葉を投げかけられた時に、母から「不自由か、そうじゃないかを決めるのは、他人ではなくて、自分。たとえできないことがあったとしても、自分が"自由"だと思っているなら、その人は不自由ではないの」→
読了日:08月31日 著者:三上 大進


8月は計32冊読了。

読書メーター

わたしの名店 (ポプラ文庫 480)わたしの名店 (ポプラ文庫 480)感想
28名の書き手による思い入れのある食べ物屋さんのエッセイ。そう簡単に行けるところがないのが残念だが、書き手がいかにそのお店に愛着があるのかが伝わってくる文章は魅力的。
読了日:08月12日 著者:三浦 しをん,西 加奈子

わからないわからない感想
いろいろな媒体に掲載されたエッセイ集。本にまつわるものも良いが、著者の考えていることが垣間見えるエッセイや日記が特に面白い。KISS(バンドの)が好きで、貴乃花より武蔵丸派で、子どもの頃の人形遊びに違和感を抱いていて、未だに自分が誰だかわからなくて、「地球人のふりをしている宇宙人の気持ち」が人生でずっとついて回るという著者のことは信じられる。
読了日:08月13日 著者:岸本 佐知子

ジンが願いをかなえてくれないジンが願いをかなえてくれない感想
6編収録の短編集。どれも良かったけれど、特に好きなのは「ユキはひそかにときめきたい」。冴えない夫が、好きなアイドルの容姿に変わってときめくようになり、夫に優しくなるのだが、夫にも同じことが起こっていて、それは姿だけの問題ではなく、自分の行動によって相手の行動も変わると気づくところ。
読了日:08月14日 著者:行成 薫

#真相をお話しします (新潮文庫 ゆ 16-3)#真相をお話しします (新潮文庫 ゆ 16-3)感想
5編収録のミステリー。「ヤリモク」は既読。好みの作品は、「惨者面談」、「ヤリモク」、「パンドラ」。著者の既刊の長編作品も読んでみたい。
読了日:08月16日 著者:結城 真一郎

食をめぐる旅 (角川文庫 き 9-70)食をめぐる旅 (角川文庫 き 9-70)感想
グルメレポ・エッセイ本。食べ物エッセイは好きだけど、これはもうひとつ。有名店を回っているようだが、2007年、2008年時点で1人1万円〜(もっと高いところもたくさん)のお料理のわりに、あまり美味しそうに感じられない。お酒を飲みすぎて味をおぼえてないから次から控えようと誓うも、すぐに破られてしまうのは『つれづれノート』で見ているのと同じ。これで1番美味しい思いをしたのは、(恐らく経費で落としたであろう)食べるの大好きな編集者では…。
読了日:08月17日 著者:銀色 夏生

消費される階級消費される階級感想
表向きは平等が謳われていても、そこかしこに存在する差別や序列について、酒井さんが切り込む。親ガチャ、推し活、マッチングアプリといった今っぽい話題についての考察も。
読了日:08月17日 著者:酒井 順子

心の窓心の窓感想
「Visa」の連載から選ばれた81篇をまとめたもの。旅先で出会った場面を切り取った写真とエッセイ。印象的な写真が多くて素敵。景色も良いが、人を写したものの方がいいなと思うものが多かった。あとがきには、カメラをもつことで世界につまらない場所、つまらない人というのが存在しなくなったことが最大の効用と書かれていた。
読了日:08月17日 著者:沢木 耕太郎

瓶の中〈新装版〉瓶の中〈新装版〉感想
川上弘美選の随筆集を読んで、もう少し高峰秀子の文章を読んでみたいと思い手にした。こちらは1972年に文化出版局より出版された同タイトルの復刻版の新装版。自身のことを「要領つかいでチャランポランで怠けもの」、「がんこ」と評しているが、自身の考えを貫く面白い人だなと思う。好きな器や花のこと、夫とのエピソード等いろいろ面白かったが、谷崎潤一郎のエピソードが特に興味深かった(谷崎潤一郎の食いしん坊ぶり!)。
読了日:08月18日 著者:高峰 秀子

あなたを待ついくつもの部屋あなたを待ついくつもの部屋感想
帝国ホテルを舞台にした短編集。どれも短いストーリーで印象には残りにくい。帝国ホテルだからこその特別感、非日常を楽しむ人たちの物語。
読了日:08月21日 著者:角田 光代

ワカコ酒 (23) (ゼノンコミックス)ワカコ酒 (23) (ゼノンコミックス)感想
シリーズ23巻。今回はやおぎも(広島の料理で、牛の肺を甘辛く煮込んだもの)、イカスミライスコロッケ、いなり餃子等あまり目にすることのない珍しいアテが多めに登場。今お酒を飲むなら、平目のあん肝和え、アジの活け造り、冷製ウニホーレン、イカと青菜炒めをオーダーしたいなぁと思いながら読んだ。
読了日:08月23日 著者:新久千映

下町サイキック下町サイキック感想
タイトルにもある「サイキック」について、至るところに散りばめられている物語。ばななさんだからこその物語で、読む人を選ぶのだろうけど、私にはすとんと落ちた。あとがきには「かなり重いテーマで、生きる方法やサバイバルのノウハウの話」と。物語の内容についてはあえてここに書かなくても良いと思うので略。
読了日:08月23日 著者:吉本 ばなな
8月の読書メーター
読んだ本の数:32
読んだページ数:7715
ナイス数:645

カフネカフネ感想
『金環日食』、『カラフル』とそれぞれ雰囲気が違ったが、また著者の新たな面をみることができたと感じた作品。そして、それらの作品よりも今作はかなり好みだった。皆自分が望んで生まれてきたわけではなく、生まれる環境も選べない。生まれたときからしんどい人もいれば、生きていくなかで人生に絶望することもある。それでも、誰かに心配や気遣いされることで生きていけるし、その気遣いや愛情が目に見える形になったものが手作りの料理なんだな、と読んでいて感じた。ぐっときた作品。
読了日:08月02日 著者:阿部 暁子

頼るスキル 頼られるスキル 受援力を発揮する「考え方」と「伝え方」 (角川新書)頼るスキル 頼られるスキル 受援力を発揮する「考え方」と「伝え方」 (角川新書)感想
「受援力」=頼るスキルを身につける方法について。頼り下手な私は、"わかっちゃいるけど…"と思いながら読んだ。巻頭にも出ていたが、0〜3歳の子ども3人を連れて、留学のため渡米、現在6人の子の母親でドクターという著者のプロフィールをみると、そもそもの人間としてパワーやスペックが違いすぎる…と思ってしまった。
読了日:08月03日 著者:吉田 穂波

ケアの倫理とエンパワメントケアの倫理とエンパワメント感想
タイトルからイメージしていた内容とはやや違っていた。文学作品のなかに登場するケアに関する記述によって、その時代や社会でどのようにケアが捉えられているかについてはわかった。
読了日:08月03日 著者:小川 公代

東京ハイダウェイ東京ハイダウェイ感想
都会で生きる人たちを描いた連作短編集。皆が必死で生きていて、周りの人たちのことを気遣う余裕がなくなっているのだろうなと読んでいて感じた。あと配慮されている人(この小説では璃子)が、周りの人たちの対応に不満を漏らすのはもやっとする。感謝しなさいというわけではないのだけれど、ちょっと現実でも思い当たることがあったので。
読了日:08月03日 著者:古内 一絵

愚か者の石愚か者の石感想
明治時代の北海道樺戸集治監が舞台。市民運動で服役することになった巽、巽と一緒に枷をかけられた大二郎、看守の中田が主要な人物。大二郎が大切にしていた石の秘密、大二郎が脱走してからの行方と最後まで緊張感のあるストーリーだった。
読了日:08月04日 著者:河崎 秋子

城崎にて 四篇城崎にて 四篇感想
奈良に縁のある作家4名で城崎温泉へ行ったことをきっかけに作られた作品。4作品とも「城崎にて」というタイトル。森見登美彦作品が1番の目当てであったが、面白かったのは草香去来作品。ちょっとバカバカしい感じが面白かった。
読了日:08月05日 著者:森見登美彦,円居挽,あをにまる,草香去来

ぬくもりの旋律ぬくもりの旋律感想
プロアスリートのマネージャー、フリーランスライターという経歴の著者によるデビュー作の小説。障害をもって生まれた子・奏のことについて、母親・栞に対する、栞の母親からの「(障害は)あんたのせいじゃない」、周りの人たちに「ご迷惑をおかけして」と謝ること、それ自体が障害に対する周りからの評価を表しているのだなというのがみえる。自閉をもつ子育てに、父親の関与の難しさも感じた。
読了日:08月06日 著者:岡田 真理

魂婚心中魂婚心中感想
SF色強めな作品が多いミステリ短編集。好みなものとそうではないのとが分かれた。好きだったのは「九月某日の誓い」、「閻魔帳SEO」。
読了日:08月08日 著者:芦沢 央

町なか番外地 (一般書)町なか番外地 (一般書)感想
河原番外地ベルジュ江戸川で暮らす人たちの連作短編集。いろいろな暮らし模様がみえる。穏やかだが、印象には残りづらいかなと思った。
読了日:08月08日 著者:小野寺 史宜

オパールの炎 (単行本)オパールの炎 (単行本)感想
女性解放、ピル解禁を訴えた塙玲衣子という人物について、彼女の周辺にいた人物へのインタビューを通してその人物像を浮かび上がらせるというストーリー。読んでいてもあまり塙という人物に興味がわかず、そのまま終わってしまった。
読了日:08月09日 著者:桐野 夏生

彷徨う者たち彷徨う者たち感想
宮城県警シリーズ。今回は事件の解明よりも、幼馴染が事件に関わってきたときに、どのようにその相手と対峙するか(私的な関係がある人と仕事で厳しい対応をするときの気持ちのもち方)をメインテーマとして読んだ。また、東日本大震災の被災地であっても、家族を亡くした人とそうでなかった人との分断も大きいと思う。自分だったらどう動くだろうか、ということを考えさせられた。
読了日:08月10日 著者:中山 七里
8月の読書メーター
読んだ本の数:32
読んだページ数:7715
ナイス数:645

カフネカフネ感想
『金環日食』、『カラフル』とそれぞれ雰囲気が違ったが、また著者の新たな面をみることができたと感じた作品。そして、それらの作品よりも今作はかなり好みだった。皆自分が望んで生まれてきたわけではなく、生まれる環境も選べない。生まれたときからしんどい人もいれば、生きていくなかで人生に絶望することもある。それでも、誰かに心配や気遣いされることで生きていけるし、その気遣いや愛情が目に見える形になったものが手作りの料理なんだな、と読んでいて感じた。ぐっときた作品。
読了日:08月02日 著者:阿部 暁子

頼るスキル 頼られるスキル 受援力を発揮する「考え方」と「伝え方」 (角川新書)頼るスキル 頼られるスキル 受援力を発揮する「考え方」と「伝え方」 (角川新書)感想
「受援力」=頼るスキルを身につける方法について。頼り下手な私は、"わかっちゃいるけど…"と思いながら読んだ。巻頭にも出ていたが、0〜3歳の子ども3人を連れて、留学のため渡米、現在6人の子の母親でドクターという著者のプロフィールをみると、そもそもの人間としてパワーやスペックが違いすぎる…と思ってしまった。
読了日:08月03日 著者:吉田 穂波

ケアの倫理とエンパワメントケアの倫理とエンパワメント感想
タイトルからイメージしていた内容とはやや違っていた。文学作品のなかに登場するケアに関する記述によって、その時代や社会でどのようにケアが捉えられているかについてはわかった。
読了日:08月03日 著者:小川 公代

東京ハイダウェイ東京ハイダウェイ感想
都会で生きる人たちを描いた連作短編集。皆が必死で生きていて、周りの人たちのことを気遣う余裕がなくなっているのだろうなと読んでいて感じた。あと配慮されている人(この小説では璃子)が、周りの人たちの対応に不満を漏らすのはもやっとする。感謝しなさいというわけではないのだけれど、ちょっと現実でも思い当たることがあったので。
読了日:08月03日 著者:古内 一絵

愚か者の石愚か者の石感想
明治時代の北海道樺戸集治監が舞台。市民運動で服役することになった巽、巽と一緒に枷をかけられた大二郎、看守の中田が主要な人物。大二郎が大切にしていた石の秘密、大二郎が脱走してからの行方と最後まで緊張感のあるストーリーだった。
読了日:08月04日 著者:河崎 秋子

城崎にて 四篇城崎にて 四篇感想
奈良に縁のある作家4名で城崎温泉へ行ったことをきっかけに作られた作品。4作品とも「城崎にて」というタイトル。森見登美彦作品が1番の目当てであったが、面白かったのは草香去来作品。ちょっとバカバカしい感じが面白かった。
読了日:08月05日 著者:森見登美彦,円居挽,あをにまる,草香去来

ぬくもりの旋律ぬくもりの旋律感想
プロアスリートのマネージャー、フリーランスライターという経歴の著者によるデビュー作の小説。障害をもって生まれた子・奏のことについて、母親・栞に対する、栞の母親からの「(障害は)あんたのせいじゃない」、周りの人たちに「ご迷惑をおかけして」と謝ること、それ自体が障害に対する周りからの評価を表しているのだなというのがみえる。自閉をもつ子育てに、父親の関与の難しさも感じた。
読了日:08月06日 著者:岡田 真理

魂婚心中魂婚心中感想
SF色強めな作品が多いミステリ短編集。好みなものとそうではないのとが分かれた。好きだったのは「九月某日の誓い」、「閻魔帳SEO」。
読了日:08月08日 著者:芦沢 央

町なか番外地 (一般書)町なか番外地 (一般書)感想
河原番外地ベルジュ江戸川で暮らす人たちの連作短編集。いろいろな暮らし模様がみえる。穏やかだが、印象には残りづらいかなと思った。
読了日:08月08日 著者:小野寺 史宜

オパールの炎 (単行本)オパールの炎 (単行本)感想
女性解放、ピル解禁を訴えた塙玲衣子という人物について、彼女の周辺にいた人物へのインタビューを通してその人物像を浮かび上がらせるというストーリー。読んでいてもあまり塙という人物に興味がわかず、そのまま終わってしまった。
読了日:08月09日 著者:桐野 夏生

彷徨う者たち彷徨う者たち感想
宮城県警シリーズ。今回は事件の解明よりも、幼馴染が事件に関わってきたときに、どのようにその相手と対峙するか(私的な関係がある人と仕事で厳しい対応をするときの気持ちのもち方)をメインテーマとして読んだ。また、東日本大震災の被災地であっても、家族を亡くした人とそうでなかった人との分断も大きいと思う。自分だったらどう動くだろうか、ということを考えさせられた。
読了日:08月10日 著者:中山 七里

マリリン・トールド・ミーマリリン・トールド・ミー感想
2020年のコロナ禍が始まったタイミングで東京の大学に進学した杏奈。ジェンダー社会学のゼミで、マリリン・モンローをテーマに当時のモンローの世間的イメージと実際のところの彼女の姿を捉えようと研究を進める。そのことで、杏奈自身も意識していなかった現代のジェンダー差別への理解のなさに気づく。年齢、性別関係なく多くの人に読まれて、ジェンダーのことを考えるきっかけになれば良いな。
読了日:06月22日 著者:山内 マリコ

今日の人生3 いつもの場所で今日の人生3 いつもの場所で感想
シリーズ3冊目。2020〜2023年のコロナ禍真っ只中の生活のコミックエッセイ。旅行好きなミリさんも、家の中や近所での幸せを見つける日々だった様子。すごく良かった本を読んだあと、小説の世界から離れたくなくてしばらく何も視界に入れたくないと目を閉じているというのがいいなと思った。あと、子どもの頃の楽しかったことを思い出すことで不意に幸せを感じるのは、過去の自分が今の私のために遊んでくれていたからだという考え方も好き。
読了日:06月22日 著者:益田ミリ

休むヒント。休むヒント。感想
休むことをテーマにした33名の書き手によるエッセイ集。面白いなと思う人とあまり内容が入ってこない人とで差が大きかった。印象に残ったのは石田夏穂氏、角田光代氏、益田ミリ氏(結局は好きな書き手)。
読了日:06月22日 著者:
俵万智氏と渡辺祐真氏によって選出された俵万智歌集。時期によってメインとなるテーマが変わるが、私は子育てのなかから生まれたであろう作品群が好き。「人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく」。
読了日:06月22日 著者:俵万智

鼓動鼓動感想
ホームレスの女性が殺害され、燃やされた。その犯人として逮捕された秀郎は長年ひきこもりの生活を送っていて、父親を殺害したと自供する。秀郎の語りと、事件を追う刑事の綾乃のパートが交互に描かれ謎が明らかに。ロスジェネ世代の悲哀、親からのネグレクトされたことへの恨みは理解できる部分はあるけれど、やはり殺害は許されるものではない。以前起こった事件で、小説のなかにも出てくる「無敵の人」というのは、無くすものはないからどんな行動に出るかわからないし、だからこその公的扶助なり生活を保障する制度は大事だと思う。
読了日:06月24日 著者:葉真中顕

いつか、アジアの街角で (文春文庫 か 32-50)いつか、アジアの街角で (文春文庫 か 32-50)感想
アジアがテーマのアンソロジー。収録の6編はどれもわりと好きな作品だが、特に好きだったのは島本理生「停止する春」、大島真寿美「チャーチャンテン」。
読了日:06月24日 著者:中島 京子,桜庭 一樹,島本 理生,大島 真寿美,宮下 奈都,角田 光代

ひとりの道をひた走る つれづれノート45 (角川文庫)ひとりの道をひた走る つれづれノート45 (角川文庫)感想
シリーズ45冊目の日記。自家菜園のことが中心。スピから離れて落ち着いて読める。お酒はもういいかなと言いながら飲酒していたり、これと思って買い物に失敗したりは相変わらず(それでこその銀色さん)。好きだったのは、皆が嫌がる枯葉集めも堆肥にするためだと思えば、枯葉がミニミニお金・価値のあるものを集めている気持ちになる、という考え方。何気ない会話は「穏やかなやさしさのキャッチボールみたいなもの」、「私の敵は私の想像力」という言葉も印象に残った。
読了日:06月27日 著者:銀色 夏生

暮らしの図鑑 手紙の楽しみ 気持ちが伝わる手書きのアイデアA to Z×基礎知識×おすすめ文房具114暮らしの図鑑 手紙の楽しみ 気持ちが伝わる手書きのアイデアA to Z×基礎知識×おすすめ文房具114感想
手紙にまつわるあれこれ。かわいい便箋やペンをみていると手紙が書きたくなる。メールやLINEでやりとりするようになって手紙を書くことが減っているけれど、やっぱりもらうと嬉しいし、送り先の相手にもそう思ってもらえたら…またぼちぼち書いていくかな。
読了日:06月28日 著者:

味つけはせんでええんです味つけはせんでええんです感想
タイトルの意味は、和食の根底にある「なにもしないことを最善とする」思想とのこと。AI技術が発達して勝手に栄養バランスを考えた料理が自動的に作られるような世界になるかもしれないが、土井先生はそれには懐疑的。食はビジネスのコンテンツではなく文化。料理は人間らしさを維持する行為とその時間で、失ってはならないもの。料理は創造のはじまり。台所は世界とつながっている。食事に集中して味わうことは感性をみがくこと。
読了日:06月28日 著者:土井善晴

魔女のまなざし (MOE BOOKS)魔女のまなざし (MOE BOOKS)感想
魔女をテーマにしたエッセイ集。おまじないの言葉についてのエッセイ、角野さんのファッション(娘のくぼしまりおさんがコーディネートしている)紹介が楽しい。
読了日:06月29日 著者:角野栄子

不思議な時計 本の小説不思議な時計 本の小説感想
多くの文学作品が登場し、さらに舞台や映画にまで触れられているエッセイ集。著者の博識ぶりに驚くばかり。
読了日:06月30日 著者:北村 薫

教祖の作りかた教祖の作りかた感想
ひきこもりの息子がYouTuberとして多額の収入を得ていたことから多額の所得税の支払いを求められ、困り果てた色葉が縋ろうとしたのは宗教法人を受け継ぐという同級生弁護士からの提案。面白い設定だと思い、読み始めたが途中でちょっとだれてしまった。信仰の自由があるとはいえ、新興宗教はやはり怖い。
読了日:06月30日 著者:真梨 幸子