マリリン・トールド・ミーマリリン・トールド・ミー感想
2020年のコロナ禍が始まったタイミングで東京の大学に進学した杏奈。ジェンダー社会学のゼミで、マリリン・モンローをテーマに当時のモンローの世間的イメージと実際のところの彼女の姿を捉えようと研究を進める。そのことで、杏奈自身も意識していなかった現代のジェンダー差別への理解のなさに気づく。年齢、性別関係なく多くの人に読まれて、ジェンダーのことを考えるきっかけになれば良いな。
読了日:06月22日 著者:山内 マリコ

今日の人生3 いつもの場所で今日の人生3 いつもの場所で感想
シリーズ3冊目。2020〜2023年のコロナ禍真っ只中の生活のコミックエッセイ。旅行好きなミリさんも、家の中や近所での幸せを見つける日々だった様子。すごく良かった本を読んだあと、小説の世界から離れたくなくてしばらく何も視界に入れたくないと目を閉じているというのがいいなと思った。あと、子どもの頃の楽しかったことを思い出すことで不意に幸せを感じるのは、過去の自分が今の私のために遊んでくれていたからだという考え方も好き。
読了日:06月22日 著者:益田ミリ

休むヒント。休むヒント。感想
休むことをテーマにした33名の書き手によるエッセイ集。面白いなと思う人とあまり内容が入ってこない人とで差が大きかった。印象に残ったのは石田夏穂氏、角田光代氏、益田ミリ氏(結局は好きな書き手)。
読了日:06月22日 著者:
俵万智氏と渡辺祐真氏によって選出された俵万智歌集。時期によってメインとなるテーマが変わるが、私は子育てのなかから生まれたであろう作品群が好き。「人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく」。
読了日:06月22日 著者:俵万智

鼓動鼓動感想
ホームレスの女性が殺害され、燃やされた。その犯人として逮捕された秀郎は長年ひきこもりの生活を送っていて、父親を殺害したと自供する。秀郎の語りと、事件を追う刑事の綾乃のパートが交互に描かれ謎が明らかに。ロスジェネ世代の悲哀、親からのネグレクトされたことへの恨みは理解できる部分はあるけれど、やはり殺害は許されるものではない。以前起こった事件で、小説のなかにも出てくる「無敵の人」というのは、無くすものはないからどんな行動に出るかわからないし、だからこその公的扶助なり生活を保障する制度は大事だと思う。
読了日:06月24日 著者:葉真中顕

いつか、アジアの街角で (文春文庫 か 32-50)いつか、アジアの街角で (文春文庫 か 32-50)感想
アジアがテーマのアンソロジー。収録の6編はどれもわりと好きな作品だが、特に好きだったのは島本理生「停止する春」、大島真寿美「チャーチャンテン」。
読了日:06月24日 著者:中島 京子,桜庭 一樹,島本 理生,大島 真寿美,宮下 奈都,角田 光代

ひとりの道をひた走る つれづれノート45 (角川文庫)ひとりの道をひた走る つれづれノート45 (角川文庫)感想
シリーズ45冊目の日記。自家菜園のことが中心。スピから離れて落ち着いて読める。お酒はもういいかなと言いながら飲酒していたり、これと思って買い物に失敗したりは相変わらず(それでこその銀色さん)。好きだったのは、皆が嫌がる枯葉集めも堆肥にするためだと思えば、枯葉がミニミニお金・価値のあるものを集めている気持ちになる、という考え方。何気ない会話は「穏やかなやさしさのキャッチボールみたいなもの」、「私の敵は私の想像力」という言葉も印象に残った。
読了日:06月27日 著者:銀色 夏生

暮らしの図鑑 手紙の楽しみ 気持ちが伝わる手書きのアイデアA to Z×基礎知識×おすすめ文房具114暮らしの図鑑 手紙の楽しみ 気持ちが伝わる手書きのアイデアA to Z×基礎知識×おすすめ文房具114感想
手紙にまつわるあれこれ。かわいい便箋やペンをみていると手紙が書きたくなる。メールやLINEでやりとりするようになって手紙を書くことが減っているけれど、やっぱりもらうと嬉しいし、送り先の相手にもそう思ってもらえたら…またぼちぼち書いていくかな。
読了日:06月28日 著者:

味つけはせんでええんです味つけはせんでええんです感想
タイトルの意味は、和食の根底にある「なにもしないことを最善とする」思想とのこと。AI技術が発達して勝手に栄養バランスを考えた料理が自動的に作られるような世界になるかもしれないが、土井先生はそれには懐疑的。食はビジネスのコンテンツではなく文化。料理は人間らしさを維持する行為とその時間で、失ってはならないもの。料理は創造のはじまり。台所は世界とつながっている。食事に集中して味わうことは感性をみがくこと。
読了日:06月28日 著者:土井善晴

魔女のまなざし (MOE BOOKS)魔女のまなざし (MOE BOOKS)感想
魔女をテーマにしたエッセイ集。おまじないの言葉についてのエッセイ、角野さんのファッション(娘のくぼしまりおさんがコーディネートしている)紹介が楽しい。
読了日:06月29日 著者:角野栄子

不思議な時計 本の小説不思議な時計 本の小説感想
多くの文学作品が登場し、さらに舞台や映画にまで触れられているエッセイ集。著者の博識ぶりに驚くばかり。
読了日:06月30日 著者:北村 薫

教祖の作りかた教祖の作りかた感想
ひきこもりの息子がYouTuberとして多額の収入を得ていたことから多額の所得税の支払いを求められ、困り果てた色葉が縋ろうとしたのは宗教法人を受け継ぐという同級生弁護士からの提案。面白い設定だと思い、読み始めたが途中でちょっとだれてしまった。信仰の自由があるとはいえ、新興宗教はやはり怖い。
読了日:06月30日 著者:真梨 幸子