生物兵器・バイオテロに備えよ | ヤモリのつぶやき

ヤモリのつぶやき

日々のニュース解説等をつぶやきます......

 その時、筆者はある歴史的なシーンを目撃した。
 見た目のわりに体が弱いので、会社を休んで新橋のとある病院に入院していた時のことだ。
 病院の朝食も終わり、巡回診察などを待つ間のひととき、病院の静寂を打ち破るけたたましいサイレンの錯綜。
 鳴り止まない複数の救急車の音が、尋常な事態ではないことを明らかにしていた。
 しかし、病棟は全てを打ち消すかのような奇妙な静寂を保っていた。
 慌てた様子で行き交う看護師さんに何かあったのか聞く。
 足を止めることもなく彼女は言った。
 「テロみたいですよー」
 筆者や同室の患者と顔を見合わせ「はぁ?テロぉ?」とつぶやく。
 時代遅れのテロという言葉に全く実感がわかないだけでなく、意味すらわからなかった。
 
 当時、九階の病棟にいた筆者は、体力づくりのために点滴台を持って階段をゆっくり降りて一階の売店まで行き、新聞などを仕入れて階段を休み休み上がるというのを日課にしていたから、その日も何も考えずに小銭入れを持って人気の少ない階段を降りた。
 一階に降りた筆者の眼前に広がっていた光景は、惨劇だった。
 地下鉄サリン事件だ。
 
 その状況を一言で表すとするなら、「戦場」だ。
 所狭しと患者さんがうめいて床や椅子に横たわり、お医者さん一人に看護師さんが数名付き従ったグループがあちこちで患者にへばりつく。
 治療待ちや看護師さんのケア中、ただうめいて横たわるだけの人などが、臨時に開放した視聴覚室などにまで広がっている。
 無論、本物の戦場や戦傷兵で満たされたところなどを目の当たりにした経験などない。
 映画のワンシーンであるかのような恐ろしい光景がリアルに眼前にある。
 唯一違うのは、血が出たりしてはいないことだけだろう。
 その凄惨さにおののきながら、逃げ帰るように病室に戻ってニュース見たさにテレビを付けたのを記憶している。

 ありえないような見たこともない光景が興奮したレポーターとともに報道されるのを呆然と見ていた。


 昨日のことのように思い出すのは、それだけショッキングだったからだろう。
 実際には22年以上前に起きたことで、13名の死者に6000名以上の被害者と、今なお後遺障害に苦しむ方がいらっしゃるのだ。
 地下鉄サリン事件
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E9%89%84%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6
【閲覧注意】 地下鉄サリン事件 衝撃の画像 【保存版】
https://matome.naver.jp/odai/2146966046289806801

 恐ろしいのは、こういったことが過去の事件ではなく、明日にでも起こりうるという事実だ。
 映画でもゲームでも夢でもなく、あの日のように、リアルな光景として肌や臭いで感じる可能性があるのだ。
 そんな警鐘を青山繁晴参議院議員が鳴らしていた。
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「天然痘感染者がいたら無限に広がる」 北朝鮮船漂着で自民・青山繁晴氏が指摘 政府にも危機感 2017.11.30
http://www.sankei.com/politics/news/171130/plt1711300024-n1.html
 日本海沿岸で北朝鮮籍とみられる木造船の漂着・漂流が相次ぎ、政府・与党に危機感が広がっている。
 自民党の青山繁晴参院議員は30日の参院予算委員会で「北朝鮮が兵器化した天然痘ウイルスを持っているというのは国連の専門官の間でも常識だ。飛沫感染でうつる。もし上陸者に一人でも感染させられた人がいたら、ワクチンを投与しないと無限というぐらい広がっていく」と述べ、バイオテロにつながりかねないとの認識を示した。

 青山氏は「北朝鮮から漂着した人について、帰国したいから帰すという、その場しのぎの対応では重大なことにつながりかねない」と指摘した。
 これに対し、小此木八郎国家公安委員長は、11月に入り北朝鮮籍とみられる木造船の漂着案件が秋田県で2件、新潟県で1件あったと説明した上で「北朝鮮からミサイルが発射された。相当重い状況だと思い、警察幹部に不断の注視を怠らないよう指導していきたい」と述べた。
 木造船はレーダーで見つかりにくいだけに、朝鮮半島有事の武装難民やテロのための工作員の上陸に利用される危険性を指摘する専門家も少なくない。
 菅義偉官房長官は30日の記者会見で「平素から海上保安庁と警察が緊密に連携し、日本海沿岸区域のパトロールや警戒警備の実施、漁協などへの不審者や不審物を発見した際の通報の呼びかけ、地元自治体や関係機関との迅速な連絡体制の確保といった措置をしている。今後とも不審船や不審者対策を強化したい」と強調した。

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テレビの異常なまでの相撲ニュースのオンパレードには裏があった?【北朝鮮船漂着】「天然痘感染者がいたら無限に広がる」 北朝鮮船漂着で自民・青山繁晴氏が指摘 政府にも危機感 2017年12月01日
http://blog.livedoor.jp/abechan_matome/archives/52539209.html
↑動画・コメント等はこちらから

 コメントでは天然痘ごとき的な扱いになっているが、かなり認識が甘いと思う。
 まず、結核などでも見られるように、既に過去のものになったような感染症は、現代の医者が経験してないものであったりするため、早期対応がなかなか難しい。
 しかもワクチンなども圧倒的に足りない事態が想定されるため、むき出しの悪意による感染拡大には無力だ。
 
 そしてさらに恐ろしいのは、生物兵器は多種多様であることだ。
 ↓↓↓↓↓↓
生物兵器
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9%E5%85%B5%E5%99%A8
以下抜粋
生物兵器の種類
ウイルス
ベネズエラウマ脳炎ウイルス/天然痘/日本脳炎/黄熱/エボラ出血熱・クリミア・コンゴ出血熱/マールブル熱
/ラッサ熱/南米出血熱/マルタ熱
細菌
炭疽/ブルセラ症/オウム病/コレラ/ペスト菌/ボツリヌス菌/赤痢/野兎病菌/鼻疽菌/類鼻疽/腸チフス/サルモネラ菌(1984年アメリカ)
真菌
クルシディオイドマイセス/クリプトコッカス/リケッチア/リケッチア・プロワゼキ(発疹チフス病原体)/コクシエラ・バーネッティ(Q熱病原体)/ロッキー山紅斑熱
毒素
ボツリヌス毒素/ブドウ球菌性腸毒素/破傷風菌毒素/リシン/貝毒

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 今年初頭、正男氏にVXガスを使って暗殺をしたのは記憶に新しい。
 化学兵器は、貧者の核兵器と呼ばれる。
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化学兵器
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%96%E5%AD%A6%E5%85%B5%E5%99%A8
化学兵器(かがくへいき)とは、毒ガスなどの毒性化学物質により、人や動植物に対して被害を与えるため使われる兵器のこと。化学兵器禁止条約では、毒性化学物質の前駆物質や、それを放出する弾薬・装置も含むものとしている。リシンや細菌毒素などの生物由来の毒性物質を用いる場合は、化学兵器ではなく生物兵器に分類されることが多い。
--------以下略

朝鮮民主主義人民共和国の大量破壊兵器
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E6%B0%91%E4%B8%BB%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%A4%A7%E9%87%8F%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E5%85%B5%E5%99%A8#.E7.94.9F.E7.89.A9.E3.83.BB.E5.8C.96.E5.AD.A6.E5.85.B5.E5.99.A8
以下抜粋
生物・化学兵器
朝鮮民主主義人民共和国は、1987年に生物兵器禁止条約・1989年1月4日にジュネーヴ議定書に同意したが、化学兵器禁止条約には署名しておらず、1960年から増強が続けられてきた化学兵器保有量は、2014年までには米ロに次ぐ世界第3位となったと見られている。保有量はVXガスやサリンを含む16種類の神経ガスなど2500トンから5000トンであり、清津市や新義州市に化学兵器製造工場があるとされる。
ベルギーのシンクタンクである国際危機グループは、北朝鮮はマスタード・ガスやホスゲン、血液ガス、サリン、タブンなどを保有すると指摘している。1950年代にタブンとマスタードガスを生産するのに必要な技術を得たとも報道されている。 2001年には中国人民解放軍瀋陽軍区の極秘調査報告から、コレラ、炭疽菌、発疹チフスなど約15種類の細菌類を年間約1トン以上も生産・保管できる能力があることが確認されている。韓国の政府系シンクタンクである韓国国防研究院が2016年に発刊した資料によると、北朝鮮が保有している生物兵器用の病原体は13種で、そのうち兵器化が進んでいると推定されるのは炭疽菌、天然痘、ペスト、コレラ、ボツリヌス菌の5種である。

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 以下重要な参考資料。
 ↓↓↓↓↓↓
バイオテロ対策と感染制御
http://www.tohoku-icnet.ac/Control/activity/pdf/01.pdf
=バイオテロへの対応= 国立感染症研究所  倉田 毅
http://idsc.nih.go.jp/training/14kanri/kurata.htm
バイオテロ対応ホームページ 厚生労働省研究班 (筆者注:かなりのグロ画像あり・閲覧注意)
http://h-crisis.niph.go.jp/bt/
 
 政府も対応をこまねいているわけではなく、上記引用一番下の対策ホームページでは一次対応者用に資料の配布を行っている。
 グロい画像も含まれるので閲覧注意にした。

 
 本邦では、国立感染症研究所などが研究に勤しんでいるが、研究時における万が一の拡散などを恐れて、反対運動が絶えない。
 ↓↓↓↓↓↓
国立感染症研究所
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80
危険ウイルス研究施設“動けぬ”日本、「このままでは中国にアジアの感染症研究リードされてしまう」の懸念 2015.5.3
http://www.sankei.com/premium/news/150503/prm1505030010-n1.html
 危険度の高いウイルスを扱える研究施設「BSL(バイオ・セーフティー・レベル)4施設」をめぐり、施設を稼働させたい国と反対する地元自治体の議論が平行線だ。西アフリカで流行したエボラ出血熱など、危険度の高いウイルスの治療薬開発や正体不明の病原体によるバイオテロに対応するには、BSL4施設の稼働は最低条件。中国では今年中に新たな施設が稼働予定で、韓国でも建設が進むなか、30年以上前に完成しながら塩漬けにされた日本のBSL4施設は、果たして日の目を見るのか。

周辺には学校が…
 懸案の施設は、東京都武蔵村山市にある「国立感染症研究所村山庁舎」の中にある。庁舎のすぐ隣には都立の支援学校が、裏手には市立小学校があり、周辺には団地や住宅が立ち並ぶ。施設の稼働に反対する周辺住民は、「施設が必要なのは分かっている。でも、ここでなくて良いんじゃないか」と訴える。
 感染研によると、この地に庁舎ができたのは昭和36年。BSL4施設はその20年後、56年に完成した。「庁舎ができた当時はこの辺りには何もなかったようだ。しかし、宅地開発が進み、周辺は住宅街になった」(厚生労働省の担当者)。
 近隣住民が不安視するBSL4施設とは、どのような施設なのか。厚労省によると、細菌やウイルスなどの病原体は、危険度が低い順にレベル1~4に分けられている。レベル1には人には無害な病原体、レベル2にはインフルエンザなど、レベル3には結核や狂犬病など、最高レベルのレベル4にはエボラ出血熱やラッサ熱などが分類される。BSL4施設は、レベル4の病原体の培養や実験が行える施設だ。
 村山庁舎にはレベル1~4まで全てに対応できる実験室があるが、レベル4施設が稼働していないため、エボラの感染が疑われる患者の検体検査は、レベル3の実験室で行われている。しかし、BSL3施設では検体の中にエボラウイルスがあるかどうかは調べられるが、検出されたウイルスを分離したり、遺伝子構造を調べたりすることはできない。レベル4のウイルスを保管することもできないため、エボラの治療薬やワクチンの開発に向けた研究もできない。

世界の状況は? 複数の施設持つ国も
 厚労省の資料によると、昨年12月時点でBSL4施設は世界の19カ国・地域に整備されている。アメリカの13施設を筆頭に、ドイツ、イギリス、スイス、オーストラリアなど複数の施設を持つ国も多い。
 アジアでは中国、台湾、シンガポール、インドに存在し、韓国も建設中だ。特に中国は感染症対策に力を入れており、今年中にBSL4施設を追加で稼働するほか、今後も施設を増やす方針だという。複数の日本の研究者は「このままでは中国に、アジアの感染症研究を完全にリードされてしまう」と不安を口にする。現在、研究者がレベル4の病原体の研究をするには海外の施設に行くしかないが、テロ警戒などのため、近年は受け入れ体制が厳しくなっているという。
 厚労省によると、BSL4施設を稼働させるのに必要となるのは厚労相の指定で、住民の同意は必要ない。しかし、厚労省は「なるべく住民の理解を得られるようにしたい」とする。塩崎恭久厚労相は昨年11月、藤野勝・武蔵村山市長と面談し、国が万全の安全対策を講じること、市民の理解を得ることを条件に、稼働に向けた協議を始めることで一致した。今年1月からは、地元自治会や近隣の学校、役所の担当者などからなる協議会を開いて施設の安全性に理解を求めるとともに、住民や地元議員らを対象に見学会や説明会を開いている。

住民側との議論は平行線
 だが、協議会では稼働に反対する住民と、安全面の対策は万全だと主張する感染研の議論が平行線だ。反対住民側が特に危惧するのが、施設が立川断層帯に隣接している点。国は、建物の耐震性は震度6強から7程度の大地震でも倒壊することはないと主張。施設の立地についても、住宅地に隣接する施設は海外でも稼働しているとする。
 住民側は「東日本大震災(の後の福島第一原子力発電所事故)を振り返っても、建物は無事でも電源が失われた。中の設備がどうなるかは分からない」と指摘。感染研は「バックアップ電源があるが、仮に電源が失われても冷蔵庫などの中にあるウイルスは、温度が上がると死んでしまう」と説明した。
 しかし、感染研の「放射性物質と異なり、病原体は光や熱で死滅してしまう」との説明に、住民が「放射性物質は測定できるが、微生物は測れない」と新たな不安を口にするなど、住民側の理解を得るのは難しい情勢だ。
 別の反対派住民は「都内にはエボラなどの感染症に対応できる病院が4カ所もあるのに、村山庁舎の近くにはない。もしもの時に治療できる場所が遠いと不安だ」と語る。「BSL4施設を中心に病院や大学などの研究機関、製薬企業を集めれば、国の一大研究拠点となる」と提案する。

新たな建設計画も
 国も長期的には別の場所に最新のBSL4施設を稼働させることを目標にしている。しかし、「土地の選定から建設まで予算も時間もかかり、当面は現在ある施設を稼働できるようにするのが現実的だ」(厚労省幹部)との立場だ。
 ただ、新たにBSL4施設の設置を計画する機関もある。感染症研究に力を入れる長崎大は現在、BSL4施設の建設をめざし、市民への説明会などを進めている。担当者は「大学は教育機関でもあり、人材育成の観点から見てもBSL4施設が必要だ」と話す。
 日本の細菌学の父といわれる北里柴三郎を筆頭に、赤痢菌を発見した志賀潔、黄熱病研究の野口英世など、感染症研究で名を残した日本人は多い。今や感染症は国境を越え、短期間で世界に広がる恐れがある。国内のみならず、世界を感染症の脅威から守るためには、BSL4施設稼働にとどまらず、研究者の育成など総合的、長期的な戦略を考える必要がある。

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 生物兵器に関しては、こういった研究機関が当たることになるものの、ご覧のように問題山積だ。
 インフルエンザ程度でもワクチンが足りずに予防接種が間に合わないと言うのに、困った事態なのだ。
 同様に化学兵器についても対応が必要なのである。
 いずれも後手に回っていると言って良いだろう。

 こういったものは一朝一夕で対応できるものではないから、様々な理由での遅滞は大変痛いのだ。
 研究所も離島などで対応できないものかと思ったりもするが、色々都合もあるのだろう。
 みなさまにあられては、こういったリスクがあるというのを頭の片隅においてほしい。
 確実な理解と冷静な対応で、しっかりしのいでいこう。

 了

ガンバレ!日本!!
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