3歳神話の話を読んで、母乳育児についても思ったことを整理しておきたいなあとTwitterでざっくりつぶやいたところ、マダレナさんから「書いて~」とリプを頂いたので、書いてみます(調子に乗ってみた)
書いてみようと思った記事の引用はこちら「【働くママと家にいるママ】ぜひどちらにも読んでほしい記事を見つけました。」です。
「 3歳児神話を検証する2」|第1回学術集会|日本赤ちゃん学会
最後の質疑応答部分から、引用。(改行だけ変えています)
今、先生は「サルや牛はなぜ自分たち以外の母乳を飲ませないのか」とおっしゃいましたが、それはサルや牛はミルクが作れないからではないでしょうか。
私は母乳をあげなくていいとは考えておりません。
母乳の生理学的なメリットは充分認めなくてはいけないと私は思います。
しかし、一方では母乳が出なくて苦しんでいる母親もいます。あるいは、行き過ぎた母乳礼賛運動の中で、育児ノイローゼになっている母親たちにもたくさん会ってきました。
「母乳達成率100%を目指して」といった標語を大きく掲げている産院で、母乳の出が悪いために本当にみじめな思いをして、育児のスタートを狂わせてしまった母親たちもいます。
「母乳をあげましょう。あげる努力を惜しまないで」と私も思います。
でも、「どうしても出ないときはミルクがありますからね」とか、「お母さんが仕事や病気などの理由で母乳があげられない時は、お父さんもミルクで育児ができますよ」と、子育てに多様性を持たせるメッセージを発信していくことが、人間の子育てを考えるうえでは大切だと考えております。
まさにこれ。これだと思います。
できる方法で、やればいいと、私は思っています。
母乳育児の目的は、「子どもが育つこと」であるわけです。
だったら、「母乳が出ない」「子どもが飲める体質でない」「子供の病気で飲ませられない」「母親の病気で飲ませられない」と言う理由で、別にミルクという選択肢を選んだって、別に何の問題もないわけです。
育ちが変わる?
子供への影響が違う?
そんなに子供はヤワか
(だって、母乳を上げる時期なんて、その子供の人生にとってほんの短い時間ですよ。
それを、他の行動で取り戻せないとは思えません)
とも思います。
マダレナさんは、
二人目の赤ちゃん側に理由があって(=持って生まれた合併症に母乳の成分の一つが悪さするからNGと言われた)、あげたくても初乳からダメ
だったのだそうです。
(マダレナさんは一人目を完母で育てられた経験をお持ちだった分、その衝撃はいかばかりか、想像するだけで涙が出ます…)
私の妹は、血液型(RHマイナス)の問題で、妊娠出産はトラブルがあるかもと思います。
調べていないので詳しくはないですが、母乳は血液から作られるので、そこも絡んでくるでしょう。
今、妊婦に検査が義務付けられつつある(?)、HTLV-1ウイルスの問題など、母親側の条件で上げられない(この場合は、早めに切り上げる立ったと思いますが)こともあると思います。
でも、ここでもあるように、「サルや牛はミルクが作れないから」ミルクを飲まないのであって、人は作れるんです。
だから、ミルクを作れない時代には助からなかった命は助かるわけです。
母は、母乳に縛られすぎることなく、仕事もできるわけです。
母乳にトラブルがあれば、代替の方法を選ぶこともできるのです。
父親が、子どもにミルクを与えることもできるのです。
こう書いている私自身は、完全母乳でした。
これを書くと、何だか信憑性がないなあと言う気もするのですが、事実は事実なので書いておきます。
だけど、私が最終的に「完全母乳」だった理由を考えると、「楽だった」からかなあと思います。
お湯の温度を気にしなくていい。
自分の体があれば、それで子供をどこにでも連れていける。
夜は布団を抜け出せなくても済む。
ミルクを買うお金が浮く。
ついでに、私はあんまり人前で授乳することに抵抗がないタイプでした。
(抵抗を持つには最初の時期がそんなこと言ってられなかったからかもしれませんが)
実父の前では全然平気
義父の前では、義父が困るだろうと思って部屋を変えたり背を向けたりしてましたが、神経質に嫌と思うこともなかったのです。
幼稚園で、他のお母様方の前で授乳するのも(子供をおとなしくさせるためなら)全然平気。
これは、私の性格的なものです。(人前での授乳が死ぬほど嫌 でも、いいのです)
だから、人前での授乳が苦痛だったり、トラブルがあったり、保育園に預ける予定が早々に決まっていたり、色んな理由でミルクを使ったり、併用したりはありだと思うんですよね。
もちろん、「できる範囲で、あげようとする努力は必要かな」とも思います。
でも「できる範囲」って人それぞれじゃないですか。
「できる」と考える基準も人それぞれじゃないですか。
(そして、そういうことを考える人は、基本的に、悩むほど頑張っているのです)
だから、それでいいと思うんですよね。
私が「楽だ」と思った理由も、裏を返せば、
・子供につきっきりでいる必要がある(月齢が小さいほど。母乳の代わりは父親には無理)
・他の人に預けられない
・外出には場所を選ぶ必要がある
・飲ませ終わる判断が難しい(ミルクは明確に量が読める)
などの面もあります。
書いてみて、母乳は管理(飲む量や、自分の余裕や時間)という面では難しいのかなあと感じました。
結局のところ、成分に多少の差はあれ、人はミルクを作れるわけです。
より良いミルクを追及して、改良されているのです。
使えるものは、使うべきだと思います。
使わざるを得ない場面があるかもしれない、ということを知っておいて損はないと思います。
自分が、完全母乳を達成できたとしても、
人はそうでないかもしれない。
そうならざるを得ない事情は、ある、ということ。
それが、自分でなかったというだけのことを、知っておくことに意味はあること思います。
ママでなくても、ママであっても。
裏を返せば、同じママであるからこそ、わかることもあるだろうし、
わかってほしいこともあるだろうと思うのです。
母乳が出るなら飲ませればいい。
出ないなら併用でもいい。
飲ませられないというのなら、それもそれ。
別に、それで母がだめなわけでも、子がだめなわけでもありません。
とりあえず、子どもが生きていれば、方法は何でもいいのです。
母親が、楽になるのなら、方法はどれでもいいのです。
子どもが、とりあえず育ったり生きていけるのなら。
そして、「育つ」ということは「体重増加」ではないとも思います。
ちょっと長くなったので、このあたりで切ります。
私の体験談も含めて、次の記事で。