気まぐれニャンコと散歩道 -24ページ目

気まぐれニャンコと散歩道

自称ニャンコの私が日々の出来事を
ぶちまけちゃいます♪

突然目の前に現れた美咲に似た女性

僕は一瞬にして、色んな感情が溢れだし、思考回路が停止した

茫然と立ち尽くす僕の方にゆっくりと彼女は歩み寄ってきた


確かに美咲に似ているが、彼女とは別人と言う事が解る

「もしかして美雪ちゃん?」


美咲には妹がいて当時まだあどけない高校生だった。

しかし、僕の前に立っている彼女はすっかり大人っぽくなり、髪型も声もその仕草も美咲にそっくりだった。

美雪はゆっくりと会釈した後私の隣に腰かけた


「お久しぶりです。お元気でしたか?」


「う・・・うん。」

不器用に返事をした僕の顔を覗き込む美雪の笑顔は美咲にそっくりで・・・

まだ動揺の隠しきれない僕は美雪の顔を直視できないでいた。


真っ先に聴きたい事ある

しかし、それを口にする事が出来ない。

しばらく続く沈黙の後に

「あ・・・あのさ、さっきの

  やっと会えた、探してたって・・・どうして?」


「私、今この街に住んでいるです。

  いつか和希さんに会えると思って」


「えっ・・・?」

美雪は意味深げに遠くを見つめながら大きく深呼吸をした。


「和希さんは、どうしてここに居るんですか?

  姉に逢いに来たんでしょ?姉との思い出に逢いに・・・」


核心を突かれた僕は自分の気持ちを偽る事が出来なかった。

美咲がこの街に居ない事は解ってる。彼女との思い出、記憶を未練がましくたどり引きずりながら生きてる事を見透かされている事を素直に認めた。そして、やっと美咲ともう一度話ができるチャンスを今、目の前にしている


「そうだよ・・・美咲に逢いたいんだ。逢わせてくれないか!」

僕は振られた男の恥も外見もかなぐり捨てて、美雪に頼み込んだ


「まだ姉の事、愛しているんですね・・・

   やっぱり和希さんに会えてよかった。」


美雪は悲しげに微笑み・・・

何かを決意したように真っ直ぐと僕の目を見つめ




「姉は、もうこの世には居ないんです」


そう告げると、唇を噛みしめて必死に涙をこらえていた。





人の記憶は、なんて曖昧で都合良く・・・

そして、儚いのだろう。



彼女と出会い数ヵ月後・・・

一緒に暮らすようになると、食べ物の好みだったり

例えば、同じタイミングで笑うようになったり

喧嘩の後の仲直りの仕方も上手になった。

毎日が楽しくて・・・

僕は彼女とずっと一緒に歩いて行けると信じていた。



だけど・・・

別れは・・・突然で・・・



彼女はある日突然、部屋から出て行った。

書き置きだけを残して・・・


ーーーーー


和希へ

ごめんなさい

やっぱり私は貴方と一緒に生きては行けない

進むべき道が違うみたい

私なりに考えて出した答えです

和希ならもっと素敵な人と出会えるはず

私の事なんか早く忘れて幸せになって下さい

体には気をつけて、元気で居て下さい


最後に

楽しい思い出をありがとう


さようなら     


美咲


ーーーーー


理解なんて到底出来なかった。

いくら思い返しても美咲が何故この部屋から出て行ったのかが解らない・・・

こんな別れ方は納得できない

うぬぼれるほど、うまく行ってると思っていた



部屋には二人の写真や思い出の物、彼女がそこに居た形跡は何一つ残されて居なかった。

僕の手の中でグシャグシャに握り絞められた手紙だけを残して、美咲は消えてしまった。


一人になったその部屋はすべてが夢だったかのように静まり返り・・・

僕の泣き声だけが部屋に響いていた





僕は防波堤に腰かけ、いままで何度も考えては答えの出ない

「あの日、彼女が出て行った理由」を考えていた。



その時、背中越しに聞き覚えのあるとても懐かしい声が聞こえた

「やっと会えた。探したんだよ」


そこには、6年前と少しも変わる事の無い・・・

時が止まったままかのような、

美咲の姿をした女性が立って微笑みかけていた。




気まぐれで書いたShort Storyですが・・・

何気にアクセス数が増え、続編を希望される方もいらっしゃるようで・・・


正直、嬉しく思ってます\(゜ロ\)(/ロ゜)/


ですが・・・

私は日常会話もままならぬ30代なかばのおっさんですw


あまり期待はしないで下さいまし( ゚д゚ )

見てくれた方、ぺたくれた方、ありがとうございました。m(__)m