ウィリアム・オリヴァー・ストーン監督「プラトーン」
バーバー「弦楽のためのアダージョ」この曲はアメリカの作曲家バーバーの弦楽四重奏曲第一番のアダージョ楽章を弦楽合奏のために彼自身が編曲したものです。のちにアニュス・デイ(神の子羊)の祈祷文を当てはめ合唱曲としても編曲しています。アメリカではケネディ大統領の葬儀で使われてから有名になり、やげて訃報や葬儀のために使われることが多くなったそうです。これに対し、バーバーは「葬式のためにつくった曲ではない」と不快感を示していました。
映画では、至るところに使われています。



フランシス・フォード・コッポラ監督「地獄の黙示録」
ベトナム戦争を描いた映画のなかでもっとも有名なもののひとつです。冒頭のヘリコプターのシーンで使われているのが、ヴァグナー「ニーベルンゲンの指輪」から第一夜「ヴァルキューレ」から「ヴァルキューレの騎行」です。ニーベルンゲンの指輪は、ワーグナーのライフワークとでも言うべき作品で、全体は、序夜「ラインの黄金」、第一夜は件の「ヴァルキューレ」、第二夜「ジークフリート」、最終夜「神々の黄昏」で構成されていますが、全体で演奏時間は、十五時間かかるので、まとめて演奏されることはあまりありません。
なお、この冒頭のシーンの音楽は、ホルストの「惑星」の「火星」も候補に挙げられていたそうです。





マーティン・スコセッシ監督「カジノ」
ラスベガスのカジノを舞台にロバート・デ・ニーロ演じるサム・”エース”・ロススティーンの栄華と転落を描いたこの映画の冒頭には、J.S.バッハ「マタイ受難曲」から「われら涙流してひざまずき」が使われています。
マタイ受難曲とは聖書のマタイによる福音書26,27章のキリストの受難を題材にした作品で、バッハのものは、宗教音楽の最高峰のひとつに数えられます。

ショパン「スケルツォ」第二番

ショパンの曲のなかでもっとも有名なものの一つです。荒々しい部分と穏やかな部分との対比が美しい作品です。

ショパン「ピアノソナタ」第二番より「第三楽章」

ショパンは、単一楽章のピアノ曲のほうが得意だったようで、ピアノソナタのように色々な楽章で構成されている楽曲はあまり残されていません。この曲のことを作曲家のシューマンは、全然性格が似ていない4人のきょうだい(楽章)を一緒くたにしたようだ、と言っており、貶しているように聴こえるかもしれませんが、彼は、性格が違う曲たちを一つのピアノソナタにまとめ上げたショパンの手腕の高さを褒めて言ったようです。
この第三楽章は、「葬送行進曲」と題されている有名な楽章です。ショパンは、まずこの第三楽章を完成させたのち、全曲を作曲しました。

ヴィヴァルディ「和声と創意の試み」第二番「夏」より第三楽章


ヴィヴァルディ「和声と創意の試み」第四番「冬」第一楽章


ヴィヴァルディ「和声と創意の試み」第四番「冬」第二楽章


おまけ
テレビドラマ「仁」のテーマ

「冬」の第二楽章に似ています。

千鳥屋
バッハ「無伴奏チェロ組曲第一番」より前奏曲
演奏:渡部玄一


参考:演奏ヨーヨー・マ


名チェリストのパブロ・カザルスがこの曲を発掘し再び表舞台に立たせてから(彼の録音はモノラル録音ですのでカザルスの録音から聴くのはおすすめできませんが、この曲の初録音としての価値は不滅です)、数多のチェリストがこの曲を手がけています。

フリスク
パガニーニ「24のカプリス」から「第24番」
ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾであったパガニーニ。自分の技術が盗まれないように、細心の注意を払っていたのにも関わらず(楽譜には必要最低限の音符しか書かず、演奏が終わるとその楽譜を回収したりと念入りに行っています)その左手ピチカートや重音奏法など(なぜか彼が得意としたハーモニクス(弦を軽く押さえて高音を出す奏法)は出てきません)の超絶技巧をふんだんに凝らして書いた作品です。
なおこのメロディーをもとに多くの作曲家が、変奏曲を書いています。






ちなみにこの曲は変奏曲なので、これ(cmの出来事)はテーマ(きっかけ)に過ぎず、これからも展開、発展していくことを暗示し、そしてこの後の展開に対処できるのは「冴えたアタマだけ」と言いたいのでしょうか。

ほけんの窓口
シューベルト「軍隊行進曲」