
こんにちは、こあいざわです。
先日、仲間と話していたら
今の新築工事の検査というのは
厳しく管理されていて
誰が施工しても一定のクオリティが
保たれるようにできているから
ある程度名の通った会社なら
安心できるかも
というような話になりました。
その検査というのは
材料のサイズ、取り付け位置、
指定のものを使っているか?
あらゆる視点から
きちんと管理されています。
それは主に
【数値】
で表されます。
数値だと、人によって
基準がブレる事がないので
誰が見ても同じ判断ができるのです。
基礎工事、躯体工事など
あらかじめ決められた【基準】
に沿って検査が出来るので
品質が一定にできます。
ところが仕上げとなるとどうでしょう?
出来上がったものを検査するのは
人の【目】でしかありません。
数値をあてはめたくても
計測器具をどう使ったらいいか
わかりませんよね。
指定された工法でやったか?
指定の糊や金物を使ったか?
出来上がってしまうと
わからなくなってしまうのです。
もし、仮に手を抜かれたとしても
しばらく経たないと
良かったかどうかなんて
わからないんです。
検査の時に直前で出来上がったものを
見てもらってもあまり意味が無いのかも
知れないのです。
なので
仕上げ工事というのは
あいまいな表現になりますけど
人の感覚による部分が
ほとんど
なんですね。
例えば壁紙だと
つなぎ目があいていたり、
はがれや膨れている所があれば
指摘はされますが
パッと見で
問題ないと判断されれば
OKになってしまいます。
でも、壁紙って
濡れてるものを貼るわけで
しかも紙は伸び縮みがあるので
短期間では判断しにくいものなのです。
一般的に一晩放置すれば乾くと思われがちですが
天気悪い日が続いたり
コーティングされている壁紙だと
完全に乾くまで1週間以上かかる事があります。
仕上げなので工事の最後ですし、
工程が遅れていることもよくあるので
工事が終わったら即検査、引き渡しとなり、
完全に乾いてない状態で引っ越しをされます。
実は壁紙のクレームは完全に乾いた後で
出ることがほとんどなのです。
原因は糊や下地の処理の仕方で
濡れてるうちは下地にかろうじて【着いている】
(くっついているわけではない)状態で
検査はパスします。
乾いたら離れてしまうといった感じですね。
そうなると、検査の意味はあまり無い
事になってしまいます。
あともう一つ、
【後からでも手直しは出来るところだから】
って理由もあります。
躯体工事には使用材から接着剤、
釘、ビス、ボルトナットと厳しく指定されていますが
仕上げ工事の場合は指定されていないことが
ほとんど。
下地処理に使う【パテ】などは
職人の裁量で使いやすいものが
使われています。
それが一番、【品質の良いもの】
という理由で使われるなら良いのですが
中には【安いから】【親方が使っていたから】
という理由だけで使っている職人もいます。
検査の後、問題ないと判断されれば
職人はその現場へ二度と行くことはありません。
【一年後~三年後に自分が施工した現場を
見ることがあれば
クレームとまではいかないまでも
対策は考えられるのに】と思います。
なぜそう思ったか?というと
問題はリフォームの時にわかる事が多いからです。
新築の際、施主様に引き渡す前の検査で
ツギハギだらけの補修あとがされている事が
時々ありますが、(もちろん施主様は知らない)
「施工不良というより、【パテ】や糊に問題
があったんじゃないの?」
と思うことがしばしばあります。
【検査上あまり重要でない】と思われているからか
【検査スルーしてもあとから補修できるし】
と思われているかはわかりませんが
仕上げ工事というのは
他の工事に比べて第三者による【チェックが甘い】
といえるでしょう。
それだけに職人の裁量に頼っている部分が多い業種かな
と思います。
数値で測れない工事はどうやったら
【良い工事】になると思いますか?
様々な材を扱った経験と研究心のある職人、
そんな職人との信頼関係ではないかなと
わたしは思います。
ありがとうございました。