自分らしさってなんでしょう。
それは自分自身を支える一本の支柱のようなものでしょうか。
これがしっかりとしていれば、絶対ぶれることがないですし、
いろんな意味で生きるうえでの糧になるものだと思います。
昨今は、この支柱をしっかりもてない人が増えているような気がします。
だから、プレッシャーにも弱いし、ちょっと困難にでくわすと
たちまち倒れてしまう。
その支柱は、自分の能力だったり、成長しているという自信だったり
もしかすると愛する女性だったりするのかもしれません。
そんな支柱を失い、自分自身を喪失してしまったら。
厳しい現実から目を背け
きっと、すべてのことに自信が持てず、無気力な毎日を送ってしまうのかもしれません。
この映画は、自分にとって大切な支柱である家族を失った男が
家族を捜し求める過程を描いた映画です。
それはすなわち自分を探す旅です。
男の内面を映し出したかのような砂漠の風景。
息子との出会いによる自己の回復
その過程によって、男は自分らしさを取り戻し、
支柱を身につけていきます。
だからこそ、愛した女性が、今は違う世界に生きていることを
見せ付けられても、落ち込んだりせずに、
新たなる一歩を踏み出すことができたのだと思う。
それにしても、マジックミラー越しに元妻と2,3の言葉を交わす場面で
流れる時間はきわめて濃密です。
今でも愛し合っているということが伝わる数分間でした。
この時間で、二人はお互いの気持ちを確かめ合い、なおかつ別れを選択していきます。
本当に素敵な数分間です。
とってもつらいのだけれど、とってもポジティブです。
自分らしさ。
それさえ、しっかり持っていれば、たいていのことは大丈夫。
皆さんにとっての自分らしさって何ですか?