ラストシーンがとても印象に残る映画ってありますよね。
第3の男もそうでしたし
ニューシネマパラダイスもそうでした。
この表題作も、ラストシーンが忘れられない名作です。
草原に横たわるケビンコスナー
彼の周りを紙幣が風に乗って舞い上がる
どこまでもどこまでも
まるで彼の魂を天へ誘うかのように・・・
刑務所を脱走した囚人を演じるのがケビンコスナー。
彼を追う警官役にクリント・イーストウッド。
名優達の競演です。
逃亡中に子供を誘拐するケビン。
逃避行を続けるうちに
いつしか不思議な感情が芽生え、実の親子のような
心のつながりを感じるようになっていく。
心のつながり
それは信頼とも結びつく
人間の最小単位である2人=少年と脱走犯
彼らの心につながりができ、信頼感が沸き起こったとき
それこそ血のつながりを超越した真の意味での家族の
誕生といえるのかもしれない。
もしかするとそれはとても完璧な世界なのかもしれません。
心の共有
気持ちの共有
から、夢の共有、空想の共有まで
心と心の間に壁がなくなることで
多くのことが可能になる。
そこに子供の空想力が加わることで
それは何重にも大きくなる。
しかしその結末は・・・
タイトルのパーフェクトワールド。
完璧な世界は、心のつながりによってもたらさせるが
それは実はひどくもろいもの
そんなことを示唆しているような気がした。
ラスト
草原に横たわるケビン。
彼の頭上で旋回するヘリコプター
舞い上がった紙幣が何十にも彼の周りを覆い、
調子はずれのダンスを踊っている。
実際の映画では音があったとおもうのですが
僕の記憶の中では音のない世界として
記憶されています。
心のつながりが希薄になっている今
再評価されてもよい映画ではないでしょうか?
監督はクリント・イーストウッド。
ぜひご覧になってください。