飛行船乗りたちが大空を謳歌していた時代。
自分自身の子供のころの記憶をよびおこさせる映画でした。
それは、赤ん坊のころ、布団で寝ているとき。
見上げると窓には青空がいっぱいに広がり、
その中を泳ぐように飛行船がただよっていた・・・
そんな記憶。
風は静かに、そよいでいて、
カーテンが風に揺れていた。
あの空気、あの匂い。
いつまでも忘れられない記憶です。
そんな匂いを
この映画を見たときに思い出しました。
ポルコが豚になった理由。
それは、彼自らが彼自身に課したものととららえています。
実際のストーリーは違いますけど彼自身の心の中にそんな思いもあったんじゃないかなあなんて。
人を素直に愛することのできなかったポルコは
自分自身の姿を豚の姿に変えたのではないでしょうか。
こんな自分など愛される資格なんて無いと。
でも、ポルコの思いはやはり独りよがりでした。
女の子の思いもそれはそれは純粋で微笑ましい。
でもこの世の中には言葉ではうかがい知れない心の奥底の思いがあるもの。
ジーナの本当の思いに気づいたとき、
ポルコは他人を愛することが出来るようになった・・
そして・・・
それは彼を人間の姿に戻すに十分な出来事だった。
オリジナルのストーリーの裏には
きっとこんな思いがあったんじゃないかなあ・・なんて
ずーっと考えておりました。
この映画を見ると思い出す匂い。
それがゆえに、この映画は忘れられない一作となっております。
・・・ジーナが幸せに微笑んでいる姿を思い浮かべながら
昔々の記憶の中でまどろんでいます。