どくしょにっき in 脳内茶の間
∧崔∧
.( ´_ゝ`)日~
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.旦~.\
./..\\ .\孟∧
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\ / ∧石∧ と )
\ ノ ___/( ´_ゝ`)ヽ___\
 ̄ ̄ 〇旦〇
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ヽ || \PPV\
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孟公威(仮名) 「しかし雪やまねえな」
石広元(仮名) 「寒いよね」
崔州平(仮名) 「こんな日は読書しかないよな」
石広元 「それを考えるだけで陶酔のあまり寒さすら忘れるテーマというと…」
崔州平 「貴種流離だな」
孟公威 「即答かよ!しかもお前、折口大先生の本なんか一冊も読んでないくせに
よくそんなことが言えるな」
崔州平 「貴種流離こそが日ノ本独自のロマンだ。諸君もそう思わんか?」
石広元 「でも、テーマを決めて本を読むって、あまり普段はやんないんですけどね
とりあえずいくつか紹介していきましょうか」
太宰治 『斜陽』 新潮文庫
崔州平 「まあ、基本中の基本というか」
孟公威 「しかし、かず子さんは気高く生きる没落貴族というより、むしろ
茉莉タンとどっこいどっこいのダメ女 にしか見えんのだが…」
石広元 「かず子タンとはいいお友達になれそうだな」
崔州平 「かつて五月革命の担い手であったアナーキスト学生たちは
『恋すればするほど革命がしたい、革命をすればするほど恋をしたい』
と声高に叫んだものだが、果たして
かず子さんのラヴアッフェアは、革命と言えるのかどうか…」
石広元 「単なるアラサーダメ女の焦燥ととらえると、身につまされるよね」
孟公威 「それをぬけぬけと『革命』と言っちまうイタさいさぎよさこそが
貴種の貴種たるゆえんなんだろ」
崔州平 「あ、そうなのか」
孟公威 「でも、かず子タンも見る目ないよな、なんとなくデカダンスな感じ(だけ)がウリの
上原のような、かなわない男の子供が欲しいってんだもんな」
崔州平 「だから、幻滅も早かったと」
石広元 「革命なんて、所詮まやかしだお」
孟公威 「『ギロチンギロチンシュルシュルシュ』って歌、退廃的でクセになるね」
石広元 「結局さ、『孝標の娘』ってかず子さんのお花畑ぶりを批判した女の人
(この人、かず子さんの事が好きだったんじゃないかと思うんだが)や、
強制労働でかり出された時に出会った軍人さんとの
あるのかないのかわかんない交情こそ、本当に美しいのかも知れないね」
崔州平 「うーむ」
孟公威 「厨二病大発露の夕顔日記マジ最高」
崔州平 「厨二でない太宰なんて……」
澁澤龍彦 『高丘親王航海記』 文春文庫
崔州平 「これいいね」
石広元 「すごくいいよね」
孟公威 「めりは、ほれ、ほれ、ふう」
崔州平 「誰に萌える?」
石広元 「俺は円覚タン!脳内イメージじゃ七三かボサ髪でね、びん底メガネかけてんの」
崔州平 「大学の研究員か講師って感じかな、腕カバーとかもしてたりして」
石広元 「そうそうそうそう」
孟公威 「俺は秋丸タンを使役したいッス春丸タンでもおkッス」
崔州平 「通報しますた」
孟公威 「漫画化なら誰に描いてほしい?」
石広元 「高野文子かな」
崔州平 「いいねえ」
孟公威 「しりあがり寿あたりだと、もちっとしょーもない感じの
味わいがにじみ出ていいかもしんない」
石広元 「でも構成じたいは、つげ義春の『夢マンガ』っぽくない?」
崔州平 「それを言うなや」
石広元 「ほかに澁澤もの読んだことある?」
崔州平 「どうだったかな…ガクセー時代にサドの短編集読んだことあるけど」
孟公威 「なんせジュスティーヌ/ジュリエットものをあまさず読むほどの文芸ヲタじゃなし」
石広元 「漠然とイメージするのは、高橋克彦のあとがきにあった
『黒魔術、毒薬、ホムンクルス、地下世界、人形愛、ブランヴィリエ侯爵夫人、
ユートピア、畸形、ノストラダムス、秘密結社、空中庭園』
これにつきるよな」
崔州平 「でも、この本は、そういったモノを孕んだ上で
すべてを超越したよな、透徹した空気感がたまんないね」
孟公威 「文章のクオリティ、鬼がかりだな……」
石広元 「この時代(平安初期)って何気メンツ濃いよね、マイナーだけど」
崔州平 「そうそう、平城上皇×薬子タソ、早良親王、空海、坂上田村麻呂、小野篁、
そんでこのうずくまり太子…そうそうたる顔ぶれだな。マイナーだけどなw」
石広元 「うずくまり太子ってネーミングイカすよね」
孟公威 「俺らも365日うずくまってるよな」
崔州平 「おいおい、嵯峨帝忘れんでくれよ!!」
※※以下、ディープな嵯峨帝語りに突入するため割愛※※
吉屋信子 『女人平家』 角川文庫
崔州平 「この本じたいが貴種流離とちょくせつ繋がるのか分らんが
貴種流離といえば、平家ネタは外せんよな」
石広元 「てか表紙…」
崔州平 「うわあ、牧美也子だね」
孟公威 「おおおお、なつかしすw」
石広元 「最初時子タンが子産みマシーンになってる辺りはえらいつまらんよね」
崔州平 「そうそう、政変やら権力争いのおざなりな説明があって、
それに対して時子が 『かような血なまぐさい話はイヤでございます…』
とコメントするだけ。孟公威の嫌いなスイーツ大河ドラマとえらく変わらんつくり」
孟公威 「だから、別にスイーツ大河を否定してるわけじゃねえよ!」
石広元 「佑子さま登場して、やっと信子タンワールド本領発揮って感じだよな」
孟公威 「佑子さまはまんま信子タソの少女小説の典型ヒロインっつーか」
崔州平 「かと言って、それ以降が面白いかっていうと…」
石広元 「ぶっちゃけ面白くないね」
孟公威 「……面白くないな」
崔州平 「宮尾平家と比べても視野が狭すぎで、歴史絵巻のつもりで読むとキツイな」
孟公威 「史実通りなわけでもないしなあ」
石広元 「例によって男はゴミか置物か、宝塚男役スタアみたいのしかいないね」
崔州平 「信子タソだもの、250㌫女目線なのはある意味仕方ない」
孟公威 「おごる平家のお姫さま達は、実はみんな女としては不幸であった、
みたいな無常観を描きたかったんであろうが、それならばいっそ
姫の旦那をすべて隆房並のゴミ男に捏造するくらいの思い切りが欲しかったよな」
崔州平 「色々言ってるが、とどのつまり人物の掘り下げとか
奥行きとかがイマイチ浅くって感情移入できん…」
石広元 「でも、さすがに文章は絢爛豪華でうっとりするね」
孟公威 「寒さを忘れるよな」
石広元 「平家のお姫さまの暮らしぶりとか調度とかの描写が
微に入り細に穿っていて目を惹くものがある。まるで『紅楼夢』みたいだ」
崔州平 「あんな優雅な暮らし、当時の日本では清盛ン家しかしてなかったと思うけどな」
孟公威 「違いねえ」
石広元 「六人の姫を花にたとえると…とかいうくだりとか…らしいよね」
崔州平 「これか
資盛 『中宮は芙蓉、白川殿は水仙、近衛北の方は一重桜、
花山院北の方は紫濃き藤の花とな つぎは冷泉北の方は蘭の花、
七条北の方はなんと愛らしきうす紅梅の君でござるよ』 」
石広元 「もういっそ、六波羅のお姫様たちだけでず―――――っと
『乙女たちの園』とか『薔薇のまなびや』みたいなノリでさ、
華麗にキャッキャウフフみたいな話の方が面白かったかも」
崔州平 「となるとますます『紅楼夢』 でなきゃ『若草物語』だな」
孟公威 「つまり、これは艶麗無双の筆致とみやびぶり(のみ)を愛でる小説と
割り切って読んだ方が身のためというこった」
崔州平 「(のみ)って…お前、そんな決めつけていいのかよ、過去にはこれ読んで
ガチで紅涙を絞りつくした、ってセンダツもきっといるだろうによ」
王朝貴族って、三国時代の貴族(士大夫)とは
ぜんぜん異質で
日本独特の存在だよな。
よって、貴種流離こそが日ノ本独自のロマンだ。諸君もそう思わんか?


